AppleInsider: 詳細レビュー: Apple の iPad と iPhone OS 3.2

原文: In-depth review: Apple's iPad and iPhone OS 3.2

By Daniel Eran Dilger
Published: Friday, April 9, 2010 11:05 AM EST
iPad は大きなスマートフォンでもなければ、スケールダウンしたラップトップでもない。 これまで登場したいかなるタブレットとも異なる。 そして、この理由から、なにか新しいものへの準備ができているユーザには大きな喜びとなり、古く慣れ親しんだものを予測していた人々には混乱と動揺を引き起こした。

新しいものの登場
iPad を購入するなら、新たに覚えることはほとんどないし、マニュアルを見なければならないこともほとんどない。
すべてがミニマリスト的で整然としており、必要な時にのみツールが表れる。 マウスとインスペクターパネルで行っていたことのほとんどが、指での作業に取って代わられている。
ワードプロセッサー内のグラフィックオブジェクトをタッチすれば、直感的なコントロールを用いて指で回転や切り抜き、マスクができる。 指を使ってペイントもできるが、その結果は鉛筆やエアブラシ、先の太くなったマーカーのようになる。 雑誌のページであるかのように、ビデオをフリックしてみよう。
iPad で動く Apple の Pages ワードプロセッサー(このレビューの全テキストを入力するために使っている)は恐らくデスクトップ版 iWork のユーザなら親しみのある外見だろうが、それを使いはじめるにあたっては Pages 09 アプリでの経験が求められることはない(下はそれぞれの写真)。


Mac vs iPad iWork

古いものの退場
同時に、頭から消し去る必要があることもたくさんある。 最初のうちは、過去にいた場所に戻りたいと 1980 年代からのもはや必要なくなった習慣を探して、時々どうして良いのか分からなくなるかもしれない。 少なくともそれは、画面の他の部分にタッチすればほとんどの場合は解決できることに気づくまでの話だろう。
インターフェース内でクローズボタンが表示されることがほとんどないのだ。 AppleMacintosh のためにウィンドウを消すためにクローズボタンを発明し、それから 30 年かけてそのボタンは赤く大きな脅しのようなものとなり、あらゆる場所に表示される。 ところが iPad 上では。
終了がないのだ。 アプリでの作業を終えたら、ホームボタンに触れてただホーム画面に戻るだけで良いのだ。 アプリはそれだけで即座に終了される。 開いているすべてのドキュメントを保存するか尋ねるというサイクルはなく、ただ終了する。
そして保存コマンドもほとんど目にしない。 ドキュメントをいじっているアプリは作業中に自動的に保存を行い、しかも通常はバージョンコントロールシステムを用いて保存されるので、そのアプリを終了しそのファイルを再度開いた後にさえ、すべての変更点をステップごとに戻すことができるのだ。
むき出しになったファイルシステム、ファイルアクセス許可、ファイルを開くためのダイアログ、あるいは iPhone OS の内部ファイルシステムにアクセスするための Finder のようなものはまったく存在しない。 どのアプリでどのファイルを開くかと管理をすることはまったく意味をなさない。というのも、アプリは自分が扱えるファイルを開くだけだからだ。
これらすべてがないのは、Apple はコンピューティングにおいて不必要で望ましくなく、慣習を受け入れてしまうだけでは多くの場合混乱を引き起こし、ユーザにとってほとんど価値がない形で物事が複雑化してしまい、ユーザにとって不必要なレベルの負荷をかけてしまうと判断した結果だ。
このレビューでは、未来のコンピューティングにたいする Apple のビジョンとしての iPad を概観していく。このビジョンでは、「コンピューティング」によって人々が低いレベルでの複雑さと格闘しなければならないという考え方を廃し、替わりに、エンドユーザのためにパワフルなテクノロジーで複雑なことを簡単に行えるように方向付けするというものだ。
このビジョンがうまく受け入れられるかどうか、商業的に成功するかどうかはまだこれから先のことだが、iPad は間違いなく完璧な環境で設定されている。つまり、 圧倒的な可視性を実現し、7000 万人の iPhone OS ユーザというインストールベースにとっては馴染みであり、適切な価格ターゲットを定め、iTunes App Store にある 3,500 種類以上の新しい iPad の独占タイトルで付加価値を加えてくれる著名な開発者を抱えているのだ。

iPad ハードウェア: ボディー
iPad のハードウェアフォームファクタApple に典型的で、最小限のライン、最小限のボタンとスイッチ、そして iPhone と同じく、標準の Dock Connector 以外のポートは一切ないというものだ。
一般的に「大きな iPod touch」と表現されるが、iPad は小型 MacBook の上半分によく似ている。 新しい MacBook Pro と同じ IPS ディスプレイテクノロジーを搭載した明るい LCD スクリーンを採用し、正確な色と非常に広い視角度を実現している。 また、同じ光沢のある黒いワイドマージンもディスプレイ周りにあしらっている。
そしてわずか四つの物理的コントロールしかない: ホーム&電源ボタン、ボリューム制御、そして本体を傾けた際に画面がシフトしないようにするオリエンテーションロックのためのスイッチだ。 この追加は嬉しいもので、ソフトウェアのみの手段と