AppleInsider: 詳細レビュー: Apple の iPad と iPhone OS 3.2 [Page 6]

原文: In-depth review: Apple's IPad and iPhone OS 3.2 [Page 6]

By Daniel Eran Dilger
Published: Friday, April 9, 2010 11:05 AM EST

iPad ソフトウェア: ヒューマンインタフェースガイドライン&フレキシブルな方向
iPad HIG のもうひとつの側面は、同デバイスには標準となる方向が定められていないことが強調されている点だ。 上も下もなければ、左右もない。 それはユーザが iPad をどう手にとるかによるのだ。
iPadiPhone OS 3.2 には、横になったり上下逆さになるホーム画面が導入されている。 アプリはユーザの望みどおりに動作することが求められている。ただし、Keynote は水平モードでしか動作しないとか、CBS のアプリは垂直モードでしか動作しないなど、固定された方向を選択することができる。
もしヘッドフォンジャックが「上」にあるのが嫌なら、逆さにすれば下になる。すると、画面がそれに合わせてくれる。 これは非常に滑らかで、完全なまでに自然だ。 それは非常に新しいアイデアでもあり、これまでの家電デバイスでは目にしたことがないものだ。

iPad ソフトウェア: 新たな調整&特徴
iPad の HIG によって定められた全体的な構造に加えて、この新しい iPhone OS 3.2 ではさまざまな新しいちょっとした調整や機能がシステム全体およびアプリ内の双方に盛り込まれている。
前述したテキスト選択機能の他にも、目的に合わせたカスタム仮想キーボード(Apple の Numbers 表計算シートのデモにあるような)や、カスタムのフィンガージェスチャー認識がある。
ユーザはホーム画面の背景を変えたりでもできる(そして以前にも指摘したように、ホーム画面を水平モードに切り替えることもできる。 ひとつだけ厄介なことに、Apple はこのふたつの方向でページ上のアプリを並び替えるのだ。 Dock にある固定された 6 つのアイコンが示すように、それをする必要はないはずだ。 これは、予測されるユーザーインタフェースのターゲットから位置を移動しないという HIG 原則からのかなり目に余る逸脱だ)。

iPad Home の回転
さまざまなバンドルアプリも新機能を手にしている: Photos は iPhoto 09 の Places 機能をサポートし、場所情報におうじて写真を表示する。 iPod では新しいプレイリストを作成したり命名したりできる。 YouTube では 720p のビデオ再生をサポートしている。 Maps では、道順を見つけるための簡素化されたユーザーインタフェースとともに、Google の地形レイヤーをサポートするようになった。

iPad ソフトウェア: 明らかに見当たらないアプリ
iPad のホーム画面に登場しなかった iPhone アプリの一部は、明らかな理由からそこに存在しない。 まず SMS や Phone が見当たらない。 独立したコンパスが必要な理由などない(あのアプリはほとんど iPhone 3.0 を見せびらかすためだけのものだ。 ほとんどの人は Maps や拡張現実アプリ内でデジタルコンパスを使うくらいだ)。 さらに、iPad を胸から下げて Nike+ を使ってジョギングするなんて馬鹿げている。
しかし、登場しなかったアプリのなかにはなかなか使い出のあるものもあった。 そうしたものがないのは恐らく、計算器や時計、天気情報、株価情報のようなウィジェットスタイルのアプリに関して、まだ謎に包まれた新しい戦略があるがために Apple が除外したのだろう。
iPhone 4.0 に複数のアプリを同時に実行するための新しいモデルが導入して、そこで主となるアプリケーションの上にウィジェット機能をもつダッシュボードをオーバーレイする手法(オリジナルの Macintosh Desktop Accessories に非常によく似たもの)を含めるというアイデアは、登場せず仄めかされもしなかった。 質疑応答のなかで Jobs は、iPad でのウィジェットというアイデアについて答を控えることさえした。
ユーザはほぼすべての計算したり、Safari から Google 検索を利用して天気情報や株価情報をチェックしたりできるものの、すべてのウィジェとアプリがプラットフォーム全体から削除されていることについて、Apple は依然として進行中の Plan B を暖めており、単に古い iPhone バージョンを含めたところで安っぽく見えてしまうが、iPad にぴったりフィットするようにすべてをシャープなフルスクリーンインターフェースへとアップグレードするのは時間と努力がかかりすぎるという決定を下しているのだと考えない限り説明がつかない。
同社が、ユーザがこうした情報を参照したり、タイマーをセットしたり、あるいは IM 越しにチャットをしたり、ストリーミングインターネットラジオを聴いたりできるようなフォアグランドアプレットを表示するための代替手段を提供するために作業に取りかかっているとしたら、なぜ現時点でそうした空白に何もないのかの説明になる。
iPhone 4.0 は、Apple がそのお披露目の際に詳細を明かさなかったものを提供してくるように見受けられる。 例えば開発者らは、バンドルされたインスタントメッセンジャーアプリでしか有効利用できない iChatAgent があることに気づいている。 ウィジェットについてはまだ待ってみないと分からないのだ。 そして iPad ユーザももう少し待たなければならないだろう。というのも iPhone 4.0 は 6 月ごろに発表されるものの、その iPad バージョンは「秋」まで配布されないからだ。

ページ 7 / 10: iPad ソフトウェア: その他の注目すべき詳細; Calendar; Notes; Maps; Safari; Mail; Photo; ビデオ、iPodiTunes そして App Store; そして YouTube

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