AppleInsider: 詳細レビュー: Apple の iPad と iPhone OS 3.2 [Page 9]
原文: In-depth review: Apple's IPad and iPhone OS 3.2 [Page 9]
好きになれない点
iPad で好きになれない点とは何だろうか? まず始めに、小さな雑誌ほどのサイズだ。バッグのようなものがないと持ち運ぶのがちょっとやっかいなのだ。 iPhone や iPod touch のようにポケットのなかに入れることはできないからだ。
WiFi オンリーなバージョンは、ホットスポット圏外になると多くの機能が失われる。 機能しなくなるのは、Maps や Safari、YouTube、Netflix だけではないのだ。 ある種のゲームもプレイできなくなる。
iPad 用 Aurora Feint 3 をネットワークの利用できない場所で起動しようとしても、起動できず、ネットワーク接続が切れるや否やゲームが終了される。 単なる形合わせのパズルでしかないのに、これは iPad のゲームとしては非常に悪いデザインだ。 多くの人がより廉価な WiFi オンリーなモデルを選択するだろうことを考慮すれば、アプリで永続的なネットワーク接続を前提にしたり要求したりするべきではないのだ(そもそもの目的がサーバからデータをストリームするのでない限り)。
iPad が Farmville のような Flash ゲームのための携帯プラットフォームであってほしいと望んでいるのなら、Apple が iPad に Flash を搭載することを拒んでいるばかりか、既存の Flash コンテンツをネイティブアプリへと移植するという Adobe の展望までをも削ぎ落とそうとしていることを知って、激怒することだろう。
Flash で表示している Google Analytics のようなウェブサイトを利用する場合、青いレゴの墓石がついた死んだボックスをたくさん目にすることになるだろう。 Apple は Flash コーダーを HTML5 開発者にするためにあらゆることをしている。 これは長期的には素晴らしいことだが、いまだに Flash を利用しているウェブサイトの特定のニーズを持っている人々にとっては移行が問題となる。
限られた機能セットが嫌な場合は、iPad なんて大嫌いになるだろう。 iPad はデスクトップから派生したあらゆるものの難しいエッジ部分を滑らかに磨きあげたものだ。 Pages の脚注やメモは失われ、変更履歴はすべて受け入れられては失われ、3D チャートは 2D へと退化し、Keynote の発表者めもや埋め込まれたオーディオファイルは削除される、など。
これは Microsoft の Pocket Office / Office Mobile のようなもので、そうした製品でも同じように携帯機器で利用するためにデスクトップ版の機能を削ぎ落としていた。
マルチタスキングや統合メールボックスなど、iPhone 4.0 で発表されている機能を利用するためには、iPad ユーザは秋まで待たなければならない。 これはけっこう長い時間待たされるように見えるが、それでも Microsoft の Windows Phone 7 と Courier、そして Google の Chrome OS よりも早い登場になるだろうし、これらのうちどれも iPad に双肩しうるような機能セットを持ち合わせていない。
iPad にはまた、苛立を感じさせるようないくつか細々とした省略がある。 未だに電子メールにファイルを添付できない。 写真をメールしたい場合、Photos からそうするか、コピー・アンド・ペーストをしなければならない。 なぜ画像挿入ボタンがないのだろう?
また、iPad にたくさんの写真を射れている場合、それらをスクロールして一番下の最新のものへたどり着くのは骨が折れる。 日付による検索もできなければ、最近の写真という項目もなく、そして新しい写真(例えばスクリーンキャプチャー)は自動的にはアルバムやイベントに追加されない。そのため、個々の写真をすべてスクロールしなければならないのだ。
こうしたちょっとした不快感はやがて洗練されていくだろうが、全般的に、ひとつだけ主要なやり方があって、それをこなすための場所にボタンがあるのではなく、そこで求められるやり方を学んで慣れていく必要があるという状況が多く見受けられるようなのだ。 もちろんこれは、非常に多くのものごとに対してそもそもその手法を提供していなかったり、直感的な方法を提供していないような数多あるタブレットデバイスとは格段の差がある。
iPad でもっとも厄介なのは、それがコンピュータにまつわるあなたの基本的な思い込みを変更してしまうことだ。 私は今や、MacBook のスクリーンをフリックしようとしたり、入力を始めるにあたってテキスト入力欄をタッチしようとしてしまうようになった。 一旦タッチに慣れてしまうと、マウスが古めかしく感じられるのだ。
どの iPad があなた向きか?
Apple は iPad の価格を 16GB の WiFi オンリーなモデルで 499 ドルという非常にお得な値段から開始している。 ストレージにお金をかける前に、実際にどの程度のコンテンツを持ち歩きたいのかを考えてみるといいだろう。
ただ、一旦購入してしまうと、ストレージを追加することはできないので、100 ドル追加して 16GB 追加するか、さらに 100 ドル追加してさらに 32GB を追加するかは考えどころだろう。
3G オプションは 130 ドルの追加となり、iPad を常に外出用のデバイスへと変身させる。少なくとも合衆国では AT&T がどこでも利用可能だ。
ところが、この 3G オプションは後になって追加できるようなものではないので、常にワイヤレスのためにお金を費やす計画がない場合でも、手に入れておいても良いだけの価値があることになるかもしれない。 幸いなことに、このサービスは契約の必要のない、外出時に合わせた支払いが可能だ。 ひと月あたり 250MB で 15 ドル、30 ドルで無制限のサービスへとアップグレードできる。
iPad をめぐってはそれほど多くのフェンスが張られていないように見える。 つまり、ユーザはそれについて熱心に語るか、その新しいフォームファクターや限られたことを非常にうまくこなすようになっているその限られたフォーカス、そして 2010 年までは携帯環境において誰も気にしていなかったような、Flash や Silverlight、Java のようなものを実行できないようにしているその姿勢に真っ向から反対するかなのだ。
現時点では iPad は未来のもので、Apple がその OS をチューニングし、サードパーティが新しいアプリを作成するにつれて、ますます価値あるものとなっていく計り知れない可能性を秘めている。 iPad 専用アプリが登場するペースは驚異的なもので、無料で利用できるものにもたくさんの素晴らしいタイトルが揃えられている。 AppleInsider はこうした素晴らしいアプリについて別途特集する予定だ。
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