AppleInsider: Apple、Gianduia との名称の Flash 代替を開発中 [Page 2]

原文: Apple developing Flash alternative named Gianduia [Page 2]

By Daniel Eran Dilger
Published: Friday, May 7, 2010 06:00 PM EST
AIR で息をつごうとする Adobe
AdobeFlash はかつてアニメーション、インタラクティブ性、ビデオ再生、そしてリッチなアプリの開発において必須のツールとしてみなされていたものの、さまざまな進歩によってそのプラグインのプラットフォームの角が削り取られていき、より良いパフォーマンスやセキュリティの可能性を生み出すとともに、クロスプラットフォームな再生ツールやウェブの将来の機能の進展における Adobe への依存が薄れていくことにもなった。

ビデオ: 3 年前 AppleGoogle に働きかけて、Google が 2005 年末にかけて 採用した Flash で梱包された H.263/Sorenson Spark ファイルを提供するだけではなく、その YouTube サービスで新しい iPhoneApple TV で直接 H.264 ビデオをダウンロードできるようにした。 H.264 ビデオエンコーディングへの大量移行の結果、Flash を搭載しないデバイスでも Brighcove や Vimeo、ABC、CBS、そして Ooyala などのますます増加しつつあるソースからのビデオが再生できるようになった。

アニメーションとインタラクティブ性: FlashSilverlight といったプラグインはウェブページの組み込み領域内において標準の HTML では非常に困難なグラフィックの描画に優れてはいるものの、今や HTML5 が洗練された Canvas 要素を提供するようになり、ウェブゲームやその他複雑なグラフィックスを HTML そのものの内部で直接的にサポートするために利用できるようになった。 つまり、ビデオやグラフィックスがウェブページの Document Object Model(DOM)の一部となり、アニメーション化、操作、そして Cascading Style Sheet の transforms によるオブジェクトのスケーリング、回転、移動、さらにはそれらを 3D 平面 に埋め込むことも可能となった。 Flash オブジェクトはそれ自体のコンテキスト内に収まったままで、ウェブページの他の部分やそのページに組み込まれた他の Flash オブジェクトとの統合が容易にはできないようになっている。

モーフィングキューブ
ポスターサークル
3D 変換
インタラクティブな 3D キューブ
インタラクティブな 3D ボックス

Canvas HTML5 の効果

リッチなアプリケーション: Adobe のリッチなインターネットアプリケーションへの決意は、Flash を取り込みそれを、Sun のクライアントサイド Java のような、一度書いてしまえばどこでも実行できるアプリケーションフレームワークへと拡張するものだ。 Microsoft も同様に Silverlight をウェブと自社が投入を予定しているスマートフォンプラットフォームの双方に対応したアプリを構築するためのソリューションとして位置づけている。 それとは対照的に AppleJavaScript によるフレームワークに依存しており、これはつまり、SproutCore や Gianduia、あるいはその代替でネイティブな見た目を備えたウェブアプリのためのライトウェイトフレームワークで作成された iPhonePastryKit)、iPadAdLib)そして iTunesApple TV 内のインタラクティブコンテンツ(TuneKit)といったリッチなインターネットアプリケーションでは、動作にあたって Apple からのプロプライエタリプラグインはいっさい必要ないということだ。

パフォーマンス: 加えて、ブラウザベンダーが JavaScript パフォーマンスを拡張・最適化することで(AppleGoogleMozilla そして Opera がこれまでそうしてきたように)、そうしたリッチなアプリはさまざまな環境でより良く動作するようになる。 対照的に、FlashSilverlight のためにデザインされたコンテンツは、時宜にかなったアップデートの配布において AdobeMicrosoft に依存することになり、さまざまな代替プラットフォームをサポートすることにも関心をもっている。 HTML5 はすでに Flash と双肩できるだけのパフォーマンスを実現している。Flash はそのパフォーマンスを最適化するための時間としてほぼ 5 年ほども先行していたにもかかわらずだ。

セキュリティ: JavaScript フレームワークのもうひとつのアドバンテージは、ブラウザ独自の JavaScript エンジンを使っていることで、そのコードのセキュリティ課題はオープンに検証されており、最適な方法として理解されている。 AdobeMicrosoft によるプロプライエタリなウェブプラグインという閉ざされ、急速に変化しつつある開発によって、その企業の外側の誰も簡単には評価し得ないような複雑なセキュリティ脆弱性の可能性が開かれてしまっている。 CanSecWest においてセキュリティ専門家である Charlie Miller は、どのブラウザがもっとも安全かを尋ねられて、次のように 答えている。「どのブラウザであったとしても大した違いはないよ。 ポイントは Flash をインストールしないことだね!」

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