AppleInsider: iPhone 4 の内側: ゲームで Apple を一歩抜きん出たものにするジャイロスコープ [Page 2]

原文: Inside iPhone 4: Gyro spins Apple ahead in gaming [Page 2]

By Daniel Eran Dilger
Published: Wednesday, June 16, 2010 09:50 PM EST
ジャイロスコープとは何か?
Apple の初代 iPhone は加速度計を普及させた。これは、x、y、z という 3 つの軸のひとつに沿って直線加速度を検出することで、デバイスの加速度、振動、衝撃、落下を検出できるようにしていた。この 3 つの軸とは 上下、 左右そして前後を指す。 同社は以前、床に落下することを予測してハードドライブを停止させ、落下にまつわるドライブへのダメージを防ぐことを目的に、自社のノートブックで「Sudden Motion Sensors」として加速時計を採用していた。
iPhoneiPod touch(そして最近の iPod nano)では、3 軸からなる加速時計によって水平・垂直モードの切り替えスイッチ、ゲームのための傾きコントロール、そして操作の取り消しや曲のシャッフルといったシェーク機能を実現している。 しかし、それらは直線運動しか測定しないため、コンパスの方向や重力にたいする微妙なひねり運動や回転は関知できない。
iPhone 3GSApple はデジタルコンパス(磁力計)を追加したが、これで地軸に対する磁気方向を検出できるようになった。 iPhone 4ジャイロスコープは、 さらに X、Y、Z という 3 軸での角加速度を検出するための新しい電子センサーが加えられ、 勾配、偏揺れ、横揺れの正確な計算ができるようになった。
従来型の加速時計は、速度における変化(一定時間におけるスピードの増加あるいは減少)として、方向の変化とは切り離して直線加速度を測定する一方、ジャイロスコープは角加速度を計測する。つまり、 速度の方向の両方における変化を同時に計測するのだ。 iPhone 4 ではジャイロスコープによって、デバイスは回転の微妙な度合いを検出しながらも、その加速時計がそうした直線運動を検出しつつ、そうした直線運動や手の震えを排除することができるようになっている。
加速時計とコンパスからのデータを組み合わせることで、ジャイロスコープは空間内でのデバイスの 6 軸運動についての詳細で精確な情報を提供する。つまり、 ジャイロスコープの 3 軸を、加速時計の 3 軸と組み合わせることで、デバイスが空間内でどの程度遠くまで、どの程度速く、そしてどの方向に移動したのかを認識できるようにしているのだ。 Apple はこうした情報を、新しい CoreMotion API を通して開発者らが利用できるようにし、アプリにジャイロスコープサポートを追加するにあたって物理学の専門家になる必要から解放している。

加速時計とジャイロスコープ

ページ 3 / 4: モーションをめぐるビデオゲーム・コモーション(騒動)

次のページへ 次のページへ  前のページへ 前のページへ