AppleInsider: 動画対応 iPod の分解から Broadcom ビデオチップの使用が判明

iPod video teardown reveals Broadcom video chip
By Katie Marsal
Published: Thursday, October 20, 2005 07:40 PM EST

投資銀行のアナリストが Apple の新しい動画対応 iPod を分解したところ、さまざまなコンポーネント製造業者の存在が明らかになると共に、Apple の収益幅も予測できたようだ。

今週初め Jefferies and Company が動画対応 iPod の 30GB モデルを分解し、同モデルではデザイン面への配慮から iPod nano と同様のレイアウトが採用され、ほとんどすべて同じシリコンサプライヤーの部品を使用されていることを明らかにした。この分解作業と共に、同社では Apple が各コンポーネントに支払ったコストも推計している。

採用されているメーカーの上位 2 社は PortalPlayer と Broadcom である、と Jefferies はしている。動画対応 iPod には、8 ドルの PortalPlayer 製 オーディオデコーダーチップが使用されており、同社は引き続き AppleiPod ビジネスを支えているようだ。一方 AppleiPod の動画再生機能には 10 ドルの Broadcom 製ビデオデコーダーチップを採用したようだ。

興味深いことに、今年 4 月の報道 では Apple は、動画や画像、音楽機能を備えた機器のために Alphamosaic の次世代 VC02 チップを使用するという契約を結んだようだとされていたことだ。英国に本拠を置く Alphamosaic は 60 人ほどの従業員を抱え、昨年 9月に 1億 2500万ドルで Broadcom に買収されている。

iPod の内部にはまた、65 ドルの Toshiba 製 30 GB 1.8 インチハードディスク、1.75 ドルの Samsung 製 256MBit SDRAM、3.75 ドルの Wolfson Microelectronics 製オーディオコーデック、1.60 ドルの Linear USB パワーマネージャおよび Li-Ion 製バッテリーチャージャ、0.75 ドルの National 製ステップダウンスイッチングレギュレータ、1.00 ドルの Philips 製 DC/DC コンバータ、1.30 ドルの Silicon Storage Technology 製 8Mbit パラレルフラッシュ、2.50 ドルの Philips 製パワーマネジメントユニット、そして 0.85 ドルの Cypress 製 PSoC 混合信号コントローラタッチパッドが使用されていることも Jefferies は突き止めている。

2.50 ドルのタッチパッド、4.50 ドルの Li-ion バッテリ、15.00 ドルの液晶画面、そして 25.00 ドル分のその他の部品とあわせると、Apple が動画対応 iPod に支払ったのは合計で 143.50 ドルとなる、と Jefferies は見積もっている。製造、宣伝、搬送その他の費用を除くと、299 ドルという小売予想価格から iPod 30GB モデルの粗利益は 52% と算出できる。

「我々は投資家に対して引き続き、Broadcom が 10月 20日に予定している業績報告発表に先立って同社株の購入をすすめたい。今回の iPod への採用から第 3 四半期から第 4 四半期へと収益を漸増させるとみられるからだ」 と同社は語っている。

Jefferies は今回の発表に先立って、動画対応 iPod に関する正確な予測を行い、同プレーヤーが極東で製造されているということを初めて確認している。

動画対応 iPod の分解場面
(写真のクレジット:Jefferies & Co., Inc.)