AppleInsider: Morgan Stanley 曰く「消費者は携帯電話よりも iPod を購入している」

Morgan Stanley: consumers buying more iPods than cell phones
By AppleInsider Staff
Published: Friday, December 16, 2005 05:55 PM EST

Morgan Stanley は、消費者を対象に今年の年末バーゲンでの購入計画について尋ねるアンケートを行い、引き続き Apple に対して強気の姿勢を示し、同社の成長軌道にのった製品戦略は 2006年に入っても加速し続けるだろうとしている。

Morgan Stanley は、Apple の 2006年および 2007年における一株あたりの利益を予測を、それぞれ 28 セントおよび 50 セントと引き上げ、2.07 ドルおよび 2.57 ドルとした。しかし、短期的な iPod の売り上げ予測は、供給の遅れから厳しいものになることが予測される、としている。

「我々は引き続き、iPod への需要が供給を上回り、Apple は自社の販売網および従来からの量販店への供給を満たすべく最善を尽くしている、とみている」 とアナリストである Rebecca Runkle は金曜日にクライアントに対して発表した調査報告書に記している。Runkle は最近、合衆国内の消費者 2,500 人を対象に調査を行い、彼らがどの電器製品カテゴリーよりも、iPod とその関連製品を購入する計画である、という結果を得た。

「つまり、この年末バーゲンには、携帯電話よりも iPod を購入しようとしている消費者のほうが多いということだ」 と Runkle。「さらに興味深いのは、iPod 以外の MP3 プレーヤーよりも iTunes ギフトカードを購入しようとしている消費者が多いことだ。」

この年末に iPod を購入しようとしている消費者の中身を見てみると、欲しいモデルが売り切れていた場合、他の MP3 プレーヤーを購入するかもしれないとしたのは、わずか 4% だった。

「この結果から、iPod ブランドがいかに愛されているかがわかるとともに、これが最終的には消費者を Apple 製品のポートフォリオへと結びつける架け橋となるのではないかと考えている」 と Runkle。 Runkle はさらに続けて次のように記している:「今シーズンに iPod を購入しようとしている MP3 プレーヤー所有者のうち、40% が iPod 以外の MP3 プレーヤーを使用している。さらに市場が iPod へと流れ込む兆候といえる。」

同調査からはまた、消費者が shuffle といったシンプルな iPod 製品群から、より多機能な動画対応 iPod へとシフトしつつあることも明らかになった。「これは、リビングでのデジタルコンテンツ管理が、消費者にとってより重要になりつつあり、こうした需要はこの先数年にわたって漸進的に高まることが予測される」 と Runkle は語っている。

しかし、合衆国全体の世帯レベルでみると、iPodMac を所有しているのはそれぞれ、8% と 5% でしかない。Morgan Stanley は、この 10% に満たない市場シェアは、Apple にとって合衆国内における収益拡大のチャンスとしている。

Apple の経営陣は、今日の 135 強の店舗数で合衆国すべてを網羅できているとは考えていない」 と Runkle は語る。「市場での需要、製品展開、そして競争原理のすべてが、Apple売店舗数の増加率や成長率に影響するため、類似の量販店チェーンを分析しているあるアナリストは、300 から 400 という店舗数が目標としては妥当なのではないかとしている。」

iPod ブランドが消費者を Mac に引き付けているという、さらなる兆候も明らかになりつつある。Mac の購入を真剣に検討している iPod のオーナーは iPod 以外のプレーヤーの所有者と比較して 3 倍に上ることも、同調者から明らかになったのだ。

Morgan StanleyApple の製品ポートフォリオに触れ、同社の供給路は、2006年の第 1 四半期に出荷が始まるとみられる新しい Intel ベースの Mac の登場で実質的に増加するノート PC の出荷に向いているとしている。同社はまた、Mac mino および Front Row ソフトウェアがリビングに進出しつつあり、Apple ブランドの iPhone 製品もこの先 12 ヶ月のうちに発表されるのではないかとみている。

Apple は電話関連の戦略について (その存在そのものを含めて) 明らかにしていないが、我々と同社の経営陣とでおこなった最近のミーティングでは、a) ハンドセットメーカーは最終的には MP3 機能を間違いなく提供する、そして b) Apple の戦略としては技術革新のリーダーを保ち続けることだ、ということを示唆していた」 と Runkle は書いている。

Morgan StanleyApple 株の評価を引き続き Overweight (つまり Buy) として、目標価格は 70 ドルから 90 ドルへと引き上げている。同社は、自社が予測した 12月 31日までの四半期で 1,020 万台という iPod の販売予測を 「諦めていない」 としている。