AppleInsider: R&D への投資不足が Apple の革新に影をさす?

Could a lack of R&D spending threaten Apple's innovative run?
By AppleInsider Staff
Published: Wednesday, March 15, 2006 02:00 PM EST

近年 Apple の売上高は急激な伸びを示しており、将来の製品にも期待が高まいるものの、同社が R&D に投資している額はわずかしか伸びていない、と Troy Wolverton が TheStreet.com に寄稿している。

Wolverton は、Apple の研究への貧弱な投資が、革新的な製品ラインアップによるかつてない成功を やがて窮地に追い込む可能性があり、同社の R&D からあとどれだけの短期的な成果を搾り出せるのか、と考察している。

全体の売上高の一部として、こうした経費は実際には半分以上にまで落ちこんでいる、と Wolverton は書いている。最近 SEC が行った調査をもとに分析すると、Apple は昨年、売り上げの 3.8% を開発に費やし、最近の会計四半期においてはわずか 3.2% にしかならないという。

しかし、Apple は実際には R&D への予算を切り詰めているわけではない。Wolverton によると、同社は 2005 年営業年度には 5 億 3400 万ドルを開発に費やしている。これは 2001 年営業年度時と比較すると 24% の増加だ。彼はしかし、同社はあきらかに開発費の伸びを抑えようとしている、と指摘している。

売り上げが昨年比 27% 伸びているのに対して、R&D 経費の成長率は平均すると年にわずか 5.6% になるという。

「いずれかの時点で、これが平衡状態になる」 と業界の調査会社 IDC でアナリストを務める Crawford Del Prete は TheStreet.com に語っている。「売り上げに 1.5% や 2% とといったレベルにまで下げることはできない。」

Apple はすでにライバルには差をつけられているとも言われている。金額面でも売り上げに占める比率においても、Apple の R&D 予算は、Hewlett-Packard、Sony そして Microsoft とといったライバルらの予算に比較すると大差をつけられているという。またこれらライバルとは異なり、Apple は、オペレーティングシステムといったライバルは支払う必要のないコストも負担しなければならない。

ただ一方では、重要なのは R&D につぎ込んだ金額の多少ではなく、その使い道だ、と多くのアナリストは指摘している。「こうしたアナリストにとって、Apple は会社が R&D 投資からどれだけの成果を得られるかを示す良い例になっている。」

Microsoft が R&D に費やす金額を見れば、無駄金があると保障できる」 とコンサルティング会社 Endpoint Technologies の設立者 Roger Kay は語る。「彼らが実際に作り上げたものを見てみると良い。彼らが Apple よりも 10 倍優れた製品を送り出せたとしても驚きではないのに。」

Apple の R&D に費やした経費とライバルの経費についての 詳細分析 は、TheStreet.com長文記事 として読めるようになっている。