AppleInsider: Apple が Eminem の新しいスポット広告を引下げ
Apple pulls new Eminem ad spot
By Tariq
Published: Thursday, October 13, 2005 01:00 PM EST
Apple は水曜日、ラップスターの Eminem をフィーチャーした iPod の新しいコマーシャルを、アナリストやメディア向けに初公開したものの、わずか数時間後には同社の Web サイトから削除した。
30秒のスポット広告は、Apple がメディアを対象に開催したスペシャルイベントで公開された。このイベントでは、同社 CEO の Steve Jobs が刷新された新 iPod とアップデートされた iMac コンピュータが発表された。
同広告は、3 次元ビデオという新しいアプローチを、Apple の iPod テレビキャンペーンで人気となった 「シルエット」 広告に用いており、ミュージックビデオのような映像スタイルと組み合わせた非常に印象的なものだ。
Jobs は観衆に対して、Apple はこの広告コンセプトを 2 年半にわたって構想してきた、と語った。「私達のシルエットキャンペーンを完全に新しいレベルへと引き上げるものです」 と彼は語っている。
Jobs の基調講演で公開された同広告の評判は上々で、続いて放映された U2 が出演する動画対応 iPod の広告よりも、歓声が大きいほどだった。Jobs は広告を 2 回にわたって放映し、1-2 週間内にテレビでも重点的に放映される予定だと語った。
広告では Eminem のヒットシングル 「Lose Yourself」 -- 2004年に Apple との間で問題を引き起こした曲 -- を使用している。
およそ 18 ヶ月前、Eminem の音楽事務所 Eight Mile Style は、許可なく Eminem の曲をテレビ広告に使用したとして、Apple に対して訴訟を起こしている。
問題となった広告は、2003年に立ち上げられた Apple の iTunes Music Store を売り出すにあたって初めて作成されたもののひとつだった。広告では 10 歳の子供が iPod を聞きながら 「Lose Yourself」 を口ずさむというものだった。Jobs はこの広告を、他の複数の広告と共に披露し、2003年 7月には MTV でも放映された。
Eminem の所属事務所である Eight Mile Style は、Apple が曲の表現を許可なく使用したと訴え、MTV の親会社である Viacom や広告代理店の TBWA/Chiat/Day までも訴えの対象にしていた。
この問題に関する声明のなかで、Eight Mile Style の代表者は次のように述べている:「いかなる場合においても、いかなる目的においても、Apple、Chiat/Day または MTV は、楽曲 (「Lose Yourself」) の録音、再プロデュース、演奏、転送、複製、使用または乱用してはならない。」
Apple は最終的に、2005年初頭に 公にはされていない金額 を支払って、Eminem および Eight Mile Style との間の問題を解決した。
どのような法的問題 (もし問題があるとしたら) が原因で、Apple が 「シルエット」 広告を引き下げたのかは不明だ。
Eminemu の音楽は頻繁に論争の的となってきたが、「Lose Yourself」 は彼の曲の中でもおとなしいものとされてきた。
Apple は自社の Web サイトから広告のすべての痕跡を消し去ったものの、Jobs による基調講演の ビデオストリーム のなかで見ることができる。
これに関連したニュースとして、Eminem は 2ヶ月間にわたる薬物中毒の治療を受け、昨日 リハビリ施設から退院 している。