AppleInsider: Freescale CEO 曰く 「Jobs は 5年前から Intel に移行したがっていた」

Freescale CEO: Jobs wanted to move to Intel 5 years ago
By Kasper Jade
Published: Wednesday, December 7, 2005 11:00 AM EST

CNet News.com が最近行ったインタービューのなかで、Freescale Semiconductor の最高経営責任者 Michel Mayer は、同社の発展的なビジネスモデルについて語ると共に、AppleSteve Jobs は 5年以上も前から MacIntel に移行させたがっていたとも明かした。

テキサス州オースチンを拠点とし、最近 Motorola から独立した Freescale Semiconductor は世界で 10 指に入る大規模なマイクロチップ製造会社だ。しかし Mayer によると、Freescale は現在、PC 市場から距離をとるという、「既存ビジネスからの脱却」 の最中であるとのこと。

「デスクトップは非常に規模の小さなビジネスで、どんどん縮小する傾向にある」 と Mayer は語る。「我々の唯一の顧客は Apple (ノート PC 関連) で、来年には Intel へと移行しようとしている。」

Freescale は、顧客である Apple を失うのは嬉しいことではないとしながらも、「率直に言うと、我々の前に広がっているチャンスを前にして、自らのリソースの半分を割いてまで、現在我々が Intel に対して持っている 0.5% という市場シェアを守ろうとするのは賢明だとはいえない。」

「確かに、Intel は PC 市場を押さえている。それはそれで結構」 Mayer は続ける。「PC 市場以外にも非常に多くのチャンスがあり、本当のリーダーになれるような分野へとリソースを振り分けるほうがはるかに意義がある。」

Mayer は、新機軸は PC 分野から遠ざかりつつあり、コンシューマ向け電機製品、ゲーム機器、自動車、電話そして iPod へと向かいつつあると見ている。「こうした分野にこそ、新機軸がある」 と Mayer は言う。「そのため、デスクトップは我々にとって魅力的な市場ではなくなったのだ。」

このインタビューのなかで、IBMApple に対して G5 を採用するよう説得した 5 年前の一連の会議に立ち会っていたのか尋ねられた Mayer は 次のように語った:「以前就いていた仕事で私は、IBMセミコンダクタビジネスを担当していた。つまり、Apple 関連の話題の両面を見てきたわけだ。Steve が Intel に移行したいと初めて語ったときに、私は G5 を彼に売りつけたわけだからね。」

Mayer は、IBM に対して Freescale と G5 プロジェクトを進めるようにと初めて持ちかけたのは彼で、Apple にチップを売ったのも彼だった、と語った。「G5 は良好で、デスクトップを対象にした PowerPC のロードマップを引き継ぐ予定だった。実際、性能はかなり良かったよ」 と語る。「その後、IBM はノート PC には G5 を採用しないという決定を下し、ゲーム機器のチップビジネスに真剣に集中するという決定をしたんだ。」

Mayer が Apple の移行について語ったコメントは、AppleIntel アーキテクチャの移行は 5 年も前に計画されていたのではないかという憶測を裏付けるものだ。Steve Jobs 自ら発表した最近の 声明 から、Apple は秘密裏に 5年という長きにわたって Intel 対応 Mac OS X を開発を懸命に続けてきたということが明らかになっている。

「というわけで、今日初めて、Mac OS X のすべてのリリースは PowerPCIntel の両方に対応して開発されてきたという噂を認めることができるわけです」 と Jobs は AppleIntel 移行について発表した 6月に語っている。「これは過去 5 年間にわたって継続されてきました」 と彼は語っている。

将来に目を向けると、Freescale は PowerPC ビジネスを再度活性化させる可能性があるものの、それは異なる名前の元でのことになるだろう、と Mayer は語っている。「新しいビジネスが PowerPC と呼ばれることになるかどうかは分からない。PowerPCアーキテクチャやその現状に関しては多くの人が興味を持っているようだ」 と Mayer は語る。「IBM と我々は、『皆さん、たくさんのアプリケーションが PowerPC というアーキテクチャを利用しているんですよ。死んでなんかいません。これからも続いていくのです。世界で売られている IBM の Power アーキテクチャチップよりもたくさんの PowerPC チップがあるからといって混乱しないでください』 という非常に強いメッセージを送る必要があるだろうと考えている。」

PowerPC が複数の自動車で使用されているエンジン制御のための伝動装置のアプリケーションを動かしていることを知ったら、ほとんどの人は吃驚するのではないか、と Mayer は語る。BMW 7 シリーズと 5 シリーズに 52 の Freescale チップが使われている、と Mayer は語ると共に、BMW 7 Series v6 は現在 16 ビットの PowerPC チップを使用しているが、来年には 32 ビットのチップに移行する予定だ、と語った。

これらのチップは、エアバックの展開、座席の移動、伝動装置、Telematics、OnStar、エンターテイメントシステム、トランスミッションなどで使用されている。

「来年には、世界中の自動車の 50% が PowerPC を搭載することになるだろう」 と Mayer は語った。