AppleInsider: PortalPlayer による買収がワイヤレス iPod を産む?

PortalPlayer acquisition to yield wireless iPods?
By Katie Marsal
Published: Friday, December 9, 2005 11:00 AM EST

アナリストが PortalPlayer Inc. 株の評価を格上げしたところ、同社株が木曜日の取引で急騰し、同社が 2006年にはワイアレス機能を持つ iPod のリリースに一枚噛んでくるのではないかという憶測が広がっている、と Reuters が伝えている。

Citigroup が今週発表した調査報告書のなかで、アナリストである Glen Yeung は、動画対応 iPod および iPod nano のオーディオチップを製造する PortalPlayer の目標価格を 29 ドルから 36 ドルへと引き上げた。この引き上げの背景として、Yeung は、2005年第 3 四半期における PortalPlayer の収益の 90% を占めるとみられる iPod の人気に牽引されて、2006年後半にはさらに大きな成長が見込まれることを挙げている。

iPod の出荷増加が予測されること、さらに 2006年前半の季節的減少の度合いが通常よりも低いことが見込まれることから、PortalPlayer 株の評価を引き上げた」 と Yeung は記している。

Yeung はまた、PortalPlayer はワイヤレス技術に特化した小規模な企業を買収する動きを見せており、それには 100 万ドルから 3000 万ドルはかかる、とも述べている。PortalPlayer が 2006年にはワイヤレス機能を構築すると表明していることから、Yeung は AppleiPod へのワイヤレス機能の組み込みを検討しているのではないかとみている。

PortalPlayer の将来の製品計画が、iPod の次世代版を占ううえで良い指標になることは過去の例から明らかになっている。PortalPlayer は 2003年 12月に、画像処理コードを備える同社のコントロールチップを使った 『Photo Edition』 を間もなく発表するとの声明を発表している。それから 1年と経たないうちに、AppleiPod photo を発表した

PortalPlayer が同社のポートフォリオをさらに拡張すべく作業を進めているという兆候は、先月、同社の経営陣と理事会が、現在の株価は市場における同社の可能性と将来見込まれる成長を正確に反映してないとして、予定していた普通株 4,500,000 株の 売り出しを取りやめた ことから明らかになり始めた。

「我が社の主要顧客との関係は引き続き強固で、市場に登場し始めた 2 種類の革新的な製品発表がその証だ」 と PortalPlayer の会長兼 CEO である Gary Johnson は語っていた。「来年に向けては、こうした顧客と共に良い位置につけていると考えている。」

有機的な成長と多角化戦略は順調で、2006年の第 1 四半期に新製品を投入することで、さらに大きな市場シェアを獲得できるものと見込んでいる」 とも Johnson は語っている。

PortalPlayer 最大の顧客は、自社の R&D 研究所でもワイヤレス iPod を研究している Apple である。

サードパーティも、ワイヤレス技術がもたらす iPod への効果を見込んで、多額の収益が見込めるデジタルミュージックプレーヤー市場でおこぼれに預かろうと、Apple に働きかけを行う ようになってきている。9月には Cambridge Silicon Radio が、ワイヤレスヘッドセットへの道を開く同社の Bluetooth ワイヤレスマイクロチップを次世代の iPod に搭載するというアイデアApple に持ちかけている。

Citigroup は PortalPlayer 株の目標価格を引き上げると共に、評価を 「Hold」 から 「Buy」 へと引き上げている。今四半期に関して同社は、PortalPlayer が一株あたり 48 セントを稼ぎ、 7,480 万ドルの収益を上げると予測している。