AppleInsider: 「Yonah」 プロセッサの仕様、パフォーマンスの詳細報告

Reports detail "Yonah" processor specs, performance
By Prince McLean
Published: Wednesday, December 21, 2005 03:00 PM EST

Intel Corp. は、同社の次世代デュアルコアYonah」 ノート PC 用プロセッサを公式に発表するにあたって、大々的な発表をすべく準備を進めている。同プロセッサは、最高で 2.16GHz デュアルコアというスピードでデビューを飾る見込みだ。

世界最大のマイクロプロセッサメーカーは、Yonah から 2 つのバージョンを投入する計画だ。ひとつはシングルコアの 1.66GHz で、もうひとつはデュアルコアの 1.66GHz、1.83GHz、2.0GHz、そして 2.16GHz モデルだ。同社は、これらチップを Centrino の 「Solo Core」 および 「Duo Core」 プロセッサとして 市場に売り込む模様だ

Yonah プロセッサは、Apple のノート PC および消費者向けデスクトップの第一陣に搭載されると予測されているが、それぞれ 667MHz FSB と 2MB Level 2 キャッシュを備えているようだ。Yonah の高速バージョンは来年半ばに予定されており、トップスピードは 2.3GHz へと高速化してくるようだ。

Yonah は、IntelDothan コアをベースにした先代の Pentium M チップに複数の改良を施したものだ。YonahDothan とを比較した際、もっとも際立つ改良点のひとつに、デュアルコアの特性が挙げられる。YonahIntel の新しい 65nm プロセスをベースにしているものの、デュアルコア Yonah の基盤はシングルコア Dothan の基盤とほぼ同じサイズなのだ。これにより Inel は、デュアルコア Yonah をシングルコア Dothan とほぼ同じコストで製造できるようになっている。

9月に公表された Intel の Yonah ロードマップ によると、同社はシングルコアの 1.66GHz Yonah チップに 209 ドルという値段をつける計画であることがわかる。デュアルコアバージョンは一台、241 ドル (1.66GHz)、295 ドル (1.83GHz)、422 ドル (2.0GHz)、そして 639 ドル (2.16GHz) となる見込みだ。

AnandTech が最近行った、ビジネスおよびマルチメディアを中心とした一連の ベンチマークテスト では、デュアルコア 2.0GHz Yonah プロセッサの試作品と、2.0GHz から 2.2GHz にわたる 3 種類の AMD Athlon 64 X2 プロセッサをはじめ、 2.0GHz Dothan ベースの Pentium M 760 とを比較した。

ビジネスアプリケーションでのテストでは、Yonah はたいしたパフォーマンスを発揮しなかった。これは、Microsoft Word や Outlook Express といったアプリケーションは、デュアルコアが目的としている大幅にマルチスレッド化された処理を行わないためだ。

Yonah では、「Intel は L2 キャッシュの待ち時間を 40% ほど増加したため、同じクロックスピードで動作している場合でも、古いシングルコアの Pentium M プロセッサを凌ぐパフォーマンスを発揮した」 と AnandTech は解説している。

マルチメディアおよび 3D を多用するアプリケーションでの Yonah のパフォーマンスとなると、話は全く異なる。Winstone 2004 マルチメディアコンテント作成テストでは、Yonah は 34.7 というスコアで 28.3 の Pentium M に大差をつけた。

デュアルコアチップの拡張により、Yonah は Office Productivity SYSMark 2004 テストでは 5 機種中 2 位、SYSMark 2004 2D および 3D テストでは 3 位につけた。どちらのテストでも、YonahPentium M に対して明らかなスピード差を見せつけた。

WorldBench 5 を使用したシステム全体のパフォーマンスの最終テストでは、2.0GHz Yonah が全機種中最高位につけたものの、AMD の 2.2GHz Athlon 64 X2 プロセッサとの差は僅かだった。Yonah はまた、iTunes MP3 エンコーディング、DVD リッピング、3dmax、Adobe Photoshop CS および Adobe Premier ベンチマークテストでも優れたパフォーマンスを発揮した。さらに、Battlefield 2、Black and White 2、F.E.A.R.Splinter Cell: Chaos Theory および Quake 4 を使用したゲームパフォーマンステストでも、Pentium M よりも良い性能を発揮した。

「我々の初期の分析が現在でも妥当で、ノート PC 用プロセッサとして、[Yonah は] プロフェッショナル向けにも引けを取ることはない。メディアエンコーディングから 3D 描画に至るさまざまな分野で認められるパフォーマンスの向上を見ると、かつて想像したよりもはるかに多くの作業をノート PC で行えるようになるだろう (デスクトップの代替のような 5kg 以上あるノート PC に頼らなくともという意味で)」 と Yonah のパフォーマンス解説の締めくくりとして AnandTech は述べている。「Intel の [Yonah] がその真価を発揮する分野として、薄型軽量ノート PC とデスクトップ機とのパフォーマンスギャップを埋める真の架け橋としての役割が挙げられる。」

11月に AppleInsider の消息筋が伝えたように、Apple が 1月の第二週にサンフランシスコで開催される Macworld Expo で初の Intel Mac を発表するときには、同社は Yonah ベースのシステムを投入する和訳】 PC メーカーの (先頭とは言わないまでも) 第一陣となることを目指している。

この競争はすでにヒートアップしており、NEC は今週 Yonah ノート PC の 詳細を披露 しているが、同マシーンを駆動する Yonah プロセッサの仕様などには踏み込んでいない。Dell も遅れじと、2月には Yonah をベースにした新モデルを多数 投入する予定で、最近のレポートでは Precision M90 や Lattitude D620、Lattitude D820 といったモデルが含まれる見込みだとのこと。

IntelYonah の公式発表を、1月 5日から始まる Consumer Electronics Show (CES) で、同社の 「Viiv」 メディアセンターテクノロジーの発表と共に行うとみられている。CES から僅か数日後には、Apple CEO である Steve JobsMacworld Expo で同社の最新コンシューマ向け製品を紹介する。