AppleInsider: Jobs と Iger が Disney による Pixar 買収についてコメント

Jobs and Iger comment on Disney's acquisition of Pixar
By Prince McLean and Kasper Jade
Published: Tuesday, January 24, 2006 08:00 PM EST

Disney が Pixar を 74 億ドルに達する全株式を取得するとの Disney の発表を受けて、Pixar の CEO Steve Jobs および Disney の CEO Bob Iger が CNBC の短いインタビューに応じ、アナリストやメディアとの電話会議には大幅に遅れて登場した。

インタビューおよび会見で興味深かった点をいくつか:

  • Apple が動画対応 iPod を送り出すと決定した際に、Steve Jobs が初めて連絡を取った人物は Bob Iger だった。Jobs はこの時、新製品や Disney との提携関係の可能性には言及せず、次のようにだけ語った:「この先 5 年間は非常にエキサイティングなものになるよ。」
  • Iger は、Disney と Apple、そして iTunes での配布サービスにおける最近の両社の協力関係について、「両者の関係は非常に良好だったので、関係が続くように心から願っていました」 と、語った。

  • Iger が Disney の新 CEO に任命されるとすぐに、Jobs と Iger は交渉を始めたが、当初は買収の話は出なかったようだ。「Steve と私との間での話題のほとんどは、両社のこれまでの関係についてでした」 と Iger と語り、それ以上詳しいことは語らなかった。「どのようにして今回の件に至ったのかは、それほど重要なことではありません。」

  • Jobs は、今回の件における 「話の肝」 は Pixar が Bob Iger の Disney に関するビジョンを買ったことであり、Disney が Pixar の (あるいは Apple の) ビジョンを取り込むことではない、と語った。大切なのは、「Pixar が Bob Iger の描く Disney の方向性を買っているということです」 と Jobs は語った。「彼は、アニメーションの重要性をよく理解しています。私たちは、この Bob のビジョンを評価しているのであり、その逆ではないのです。」

  • 今回の買収後も、Pixar のアニメーションスタジオとそのスタッフが製作した Disney 映画は、引き続き 「Disney Pixar」 というデュアルブランドとして市場に送り出される。「いすれにしろ [成功を収めてきたブランドを] 投げ捨ててしまうのはもったいないですから」 と同社は語っている。

  • 「Steve はいろいろな面で強い影響力を持っていると思いますし、それは良いことだと思います」 と Iger は Jobs の Disney での新しい役割について語っている。

  • 何をおいても、Disney の第一目標は優れたコンテンツを確保することのようだ。「優れたアニメーション以上に価値あるものはありません」 と Iger は語っている。

  • Iger は、Pixar が加わったことで Disney の将来には楽観的だ。

  • 「Disney との関係が終わりに近づくなかで、私たちは将来に目を向け始めました ... そこには分岐点がありました」 と Jobs は語った。彼によると、Pixar は、Disney と Lucas Films のような配布契約を結ぶこともできた、という。もうひとつの選択肢で、Pixar が最終的に選択したのは、Disney に参画することだった。「Pixar の将来にとって、もっともエキサイティングな選択肢だとの結論に達したのです」 と Jobs は語った。

  • Disney は Pixar の 「素晴らしい知的財産」 を取り込み、それを Disney のテーマパーク、製品、そしてサービスに生かしていく計画のようだ。具体的には、Pixar のキャラクターや作品を Disney のテーマパークや商品に組み込んでいくとのこと。

  • AppleiTunesiPod といった新しい配布形式を事業化するのかどうかを尋ねられて、Disney 幹部はコメントをためらい、第一の目標は素晴らしいアニメーション映画を作製することだと語るに留まった。「他は後から付いてくるでしょう」 と同社は語っている。しかし Disney は、同社の製品が 「タイミング良く適正な価格」 で消費者の手に渡るのなら、どのようなテクノロジーや方法にも前向きだと認めた。

  • 「好きな実写版アクション映画なら 3 - 4 回あるいは 5 回は見るかもしれません」 と Jobs は語る。「しかし、素晴らしいアニメーション映画なら、子供たちは何十回、あるいは何百回と見るでしょう。」 こうした映画を他の機器で見こと自体が、やがて非常に大きな役割を果たすと考えており、映画を場所や機器を問わず見たいという家庭からの需要は大きいと見ているようだ。

  • Jobs は、Pixar が長編アニメ映画の新作品のアナウンスをこれまで延期してきたことを明かし、現在、公式のアナウンスをいつ行うか話し合っているところだと語った。「まだ何も決まっていませんが」 と彼は語っている。

  • 続編に関して、Pixar と Disney が一時期異なる見解を持っていたことに話は移り、どのような続編もオリジナル映画の作製に関わっていたクリエータが手がけることが重要だ、と Disney は語った。「続編は二番煎じではないのです*1」 と Jobs が続けた。「オリジナルと同じくらい、あるいはそれ以上に素晴らしいものになる可能性があるのです。」

  • 大規模な買収には常にリスクがつきものだが、Iger は Pixar の他の追随を許さないこれまでの実績がすべてを物語っていると語った。Disney が Pixar の実績を保護できる限り、合併した会社はうまくいくだろう、と彼は語った。

  • Iger は最近 「Cars」 というタイトルの Pixar の次期長編アニメ映画を見て、これまでで最高の映画だとし、「皆さんがこの映画を見るのが待ち遠しくて仕方がない」 と語っている。Disney と Pixar は、来月デトロイトで開催される SuperBowl に先立って、同映画の特別試写会を計画しているという。同作品は、今年の 6 月に劇場公開される予定だ。

*1:We see sequels as first class citizes, not second.