AppleInsider: アナリストは Apple の戦略に好感、1GB nano を予測

Analyst confident in Apple strategy, predicts 1GB nano
By Prince McLean
Published: Monday, January 30, 2006 02:00 PM EST

UBS Investment Research のアナリストは今週、Apple の長期戦略への自信を強調し、1GB iPod nano などの可能性を含めた今後の同社製品の予測を発表した。

Apple の株価が最近 17% 下落したことについて同社は今週、 株価の乱高下を引き起こしているとみられる投資家らの懸念を分析している。それによると、Intel 移行にともなう Mac の販売量の落ち込みへの懸念、それに影響される iPod nano の販売量の落ち込みへの懸念、最近 GoogleMicrosoft が発表し、潜在的なライバルとなりうるサービスを巡る憶測など Apple に不利なニュースなどが挙げられる。

「2006年第1 四半期には Intel プロセッサへの移行にともなった短期的な売上げの伸び悩みがあるものの、長期的に Apple は成長および株価評価にあたって、根本的な部分でいくつかの強みを持っていると判断している」 とアナリストの Ben Reitzes は月曜日に発表した調査報告書のなかで述べている。「Apple の製品ロードマップは引き続き評価できるものだ。そのなかには、6月期を見越した新 iBook の 4月登場や、「メディアハブ」 の可能性を持つ製品 (とさらなるサービス)、年末に向けては新しい iPod モデル (新しいメディアプレーヤー)、さらには年内の携帯電話の登場さえも考えられる。」

Intel Mac

Intel Mac に関してアナリストは、Intel プロセッサを搭載した Apple の新 iMac の販売指標は、消費者の間では比較的堅調なものの、3月から今年半ばまでに登場する見込みのアプリケーション登場を待つプロフェッショナルユーザや 「プロシューマ」 らの間ではやや出足が遅れているとしている。

Apple 直営店をはじめ、国内の複数の販路を対象にした独自調査から、店の代表者までもが消費者に対して 『待つよう』 にと話していることが明らかになった。これはわれわれの予測を超えるもので、やや驚きだ」 と Reitzes は書いている。Reitzes の調査によると、クリエイティブプロフェッショナルは、ハイエンドの Mac アプリケーションが Intel チップに対応していないことや、AdobeMicrosoft のアプリケーションもユニバーサルバイナリになっていないことから購入を見合わせているようだ。

「Final Cut Pro や Aperture などのプロフェッショナル向けソフトウェアが登場する予定の 3月ないし 6月期まで販売が伸びない可能性も考慮して、2006年前半に向けた Apple 株の評価をやや下方修正している」 と Reitzes は書いている。UBS は現時点で、今四半期における Mac の販売台数を、iMac の出荷台数 294,000 台を含めた先の 1,128,000 という予測から 979,000 台へと下げている。また 2006年営業年度に関して同社は、Mac の出荷台数予測を 5,216,000 台から 4,718,000 台へと下方修正している。「2007年事業年度までの長期予測では引き続き、29% という Mac 販売台数の伸びを予測している」 と同社。

一方、Apple の量販店に対しておこなった同社の調査では、昨年来抑えられてきた需要が跳ね上がるかたちで、MacBook Pro への反応が非常に良いことが明らかになったとのこと。「われわれの調査から、新しい MacBook への問い合わせレベルは極めて高く、より多くのモデルやアプリケーションが投入されれば、Mac の売上げも改善されるだろうことは明確だ」 と Reitzes と述べている。「その結果、Mac の出荷落ち込みは、この先 2 - 5 ヶ月という短い間の問題で、こうした製品を求める需要は堅調だとの調査結果がでている。」

iPod

Reitzes はまた、Apple の供給路内で iPod nano の注文が最近途絶えたとみられる事態についてもコメントしている。「最新の調査から、NAND フラッシュメモリの供給が内部でややだぶつき始めたためであることが判明しており、われわれがわずか数週間前に発表した楽観的な見通しよりもやや大きな季節的な落ち込みがあるようだ」 と彼は記している。しかし Reitzes は、全体的な需要は依然として堅調で、同社の iPod 販売量の予測を引き続き、平均的な予測よりも高めに設定している。Reitzes は今四半期の予測として、先の 1130 万台から1000 万台へと下方修正したものの、iPod の平均販売価格は 210 ドルから 226 ドルへと引き上げた。これは、30GB や 60GB の動画対応 iPod といった高価格帯のモデルが売上げを伸ばしているからだ。

Reitzes はさらに、Apple は 100 万台もの iPod Radio アクセサリが販売すると予測すると共に、「nano の 1GB バージョンを見越して [iPod] shuffle の 『幕引き』 へと舵を切っている」 ようだとも語っている。

GoogleMicrosoft との競争

Reiztes は、MP3 プレーヤー市場での Microsoft からの追い上げの可能性を巡る懸念についてはあまり深刻な見解を示していない。優れたデザインや iTunes ソフトウェアで Apple が優位に立っている現状では、Microsoft の MP3 機器の脅威は必ずしも深刻なものではない、としている。同様に、たとえ Google が競合する音楽サービスを立ち上げたとしても、Apple の使いやすい iTunes ソフトウェアやコンテンツプロバイダとのパートナーシップを強みに、同社のミュージックストアを経由した音楽および動画の売上げを伸ばしていくはずだ、としている。

Apple は最高の 『落とし所』 を抑えている。最高のメディアプレーヤーだけでなく、最高の配布システム (iTunes)、最高のコンテントパートナー (Disney や NBC など)、そして最も重要な点として、最も簡単でシンプルなアクセス方式を持っている」 と Reitzes は書いている。「Apple は引き続き、デジタルコンテンツの潮流がもたらす成長気運を最も良いかたちで取り込んでいくだろうとみている。」

長期的な利点

Reitzes は将来の可能性に目を向け、iPod アクセサリ、iTunes Gift Cards、新製品が今四半期の収益を押し上げていると語っている。具体的には、AppleiPod Radio アクセサリを完売したことを挙げた。同アクセサリは、ユーザの間で極めて高い人気を得ている。また、先の年末商戦で販売された iTunes Gift Cards が生み出した収益は、同社の今年初めの四半期における 「繰延歳入」 となっていた、と Reitzes は指摘している。こうしたカードの売上げは、消費者が楽曲を購入するにつれて、Apple の 「その他音楽製品」 カテゴリーの売上げをも押し上げる可能性がある。Reitzes はまた、2006年には Apple の革新が、DVR 機能を備えた MacApple ブランドの携帯電話といった、話題を巻き起こす新製品へとつながるかもしれないと考えている。

短期予測の修正

「われわれの予測は一般的な予測を上回っているものの、第 2 四半期の 1 株あたりの収益 (EPS) 予測を (先の 50 セントから) 46 セントへと下方修正する。これは、Mac の売れ行きが思ったほどではないことと、四半期ごとの iPod 販売量の減少を考慮に入れた 47 億ドルという売上高に基づいている」と Reitzes は書いている。「われわれの 2006年会計年度 (FY) の予測 EPS を、 (先の 2.24 ドルから) 2.14 ドル、売上高は (先の 2,240 億ドルから) 2,050 億ドルへと修正するが、FY07 EPS は引き続き 2.75 ドルと予測している。」

Reitzes は続けて、「われわの調査から Mac にある複数の懸念が裏付けられたものの、この移行問題は時間が解決するとみている。」

UBS Investment Research は引き続き Apple 株を 「Buy」 とし、目標価格を 100 ドルに設定している。