AppleInsider: Adobe は 2007 年まで Intel Mac ネイティブのサポートを提供しない可能性

Adobe may not deliver native Intel Mac support until 2007
By Kasper Jade
Published: Wednesday, February 1, 2006 08:25 PM EST

Adobe Systems は水曜日、IntelPowerPC の両システムでネイティブに動作する現行アプリケーションのユニバーサルバイナリ版を発表する計画はないとし、代わりに同社のソフトウェアのメジャーアップデートの一環として Intel Mac のネイティブサポートを提供することに注力すると語った。

「この方針は、Adobe Creative Suite 2、Studio 8、並びに、Photoshop CS2、InDesign CS2、Acrobat 7.0 Professional、Dreamweaver 8、Flash Professional 8、そして After Effects 7.0 といった個々のアプリケーションが対象です」 とカリフォルニア州サンノゼを拠点とする同社開発者は声明のなかで述べている。「私たちは代わりに、これらの製品の次期バージョンを、Intel ベースの Mac コンピュータでネイティブに動作するユニバーサルバイナリでお届けするべく注力します。」

このニュースは、Macintosh のニュースサイト MacNN初めて報じられた。消費者およびプロフェッショナル双方にとって残念なのは、このニュースはつまり、Adobe の主力製品である Photoshop を含め、Creative Suite のアプリケーション群は、Creative Suite の次期リリースにならないと Intel Mac でネイティブに動作しないということ、を意味している。

将来の出荷日についてはコメントしないという方針を引き合いに出しつつ、同社は18 - 24 ヶ月ごとにクリエイティブプロフェッショナル向けのアプリケーションのメジャーアップグレードをリリースしてきたという過去の記録を示した。プロフェッショナル向けアプリケーションスイートの現行バージョンである Adobe Creative Suite 2.0 は 2005 年 4 月にリリースされている。つまり、AppleIntel Mac をネイティブにサポートするスイート初のバージョンは、最大 14 ヶ月先にならないと発表されないことになる。2005 年 8 月にアップデートされた Flash のネイティブ版は、さらに遅れる可能性がある。

Adobe は、オペレーティングシステムやプロセッサの移行には、互換性問題がアプリケーションの機能全体に及ぶため、膨大な検証作業が必要であるとして、自社の立場を擁護している。

「ソフトウェア開発プロセスを数年にわたって見直すという作業から、こうした変更をサポートする最適な方法は、こうした検証作業を通常の開発サイクルに組み込むことだとの理解に達したのです」 と同社は語っている。「こうすることで、消費者が求めるような非常に速いペースで自社のテクノロジーを進化させると共に、今回のようなシステムの大幅な変更にも対応できるのです。」

Adobe は、同社のソフトウェアのユニバーサルバイナリ版の開発は、Mac OS 9 ベースのアプリケーションを Mac OS X で動作するようにアップグレードした時と同じアプローチと全く同じだ、としている。

Mac OS X (10.0.0) が出荷されてからの 18 - 24 ヶ月間で、私たちは通常のリリース九サイクルの一環として Mac OS X ネイティブで動作するように 12 種類以上のアプリケーションを再設計しました」 と同社は言う。「この一貫した方針があるおかげで、消費者の期待にこたえるような、新プラットフォームに対応した信頼性が高く多機能な製品をリリースできているのです。」

その一方で Adobe は、Creative Suite 2、Studio 8、およびこれらスイートのコンポーネント群、そして After Effects 7.0 は、Version Cue Workspace (サーバ環境) 以外なら、AppleRosetta エミュレーション環境で動作するとしている。

同社は、これまで通りこれらの製品をサポートし続けるとしているものの、Rosetta 環境で発生するインストールおよび互換性の問題には対処できない可能性がある、ともしている。

Rosetta は、従来のアプリケーションに対して、Intel ベースの Mac ハードウェア上での基本的な互換性を提供してくれますが、パフォーマンス、互換性などの面で問題に直面する可能性もあります」 と Adobe は語っている。「しかし Adobe は、Rosetta 環境下で自社のアプリケーションを十分に行ったわけではなく、問題はないとの保障はできません。」その代わりに同社は、同社のソフトウェア開発を AppleXcode 開発環境に移行することに集中し、次期メジャーリリースでのユニバーサルバイナリ対応を目指すとしている。

一方 Adobe は、プロの写真家向けソフトウェアである Lightroom ソフトウェアのユニバーサルバイナリ版は近くリリースできる予定だとしている。これは、同アプリケーションが現在ベータ段階にあり、リリース品質のソフトウェアに求められるほどの規模でのテストが必要ないためだとのこと。

「このアプリケーションはベータ版で、出荷可能な製品としては認められていないため、製品ソフトウェアで求められている徹底的な検証を行わなくてもリリースができるからです」 と Adobe は説明している。「消費者の皆さんは、このベータ版を試してみて、Adobe 製品のユニバーサルバイナリ版がどれほどのパフォーマンスを発揮するかの目安にしてください。」