AppleInsider: 2009 年後半には新型ノートブックのおよそ 60% にフラッシュ搭載

Nearly 60% of new notebooks to employ flash by late 2009

By AppleInsider Staff

Published: Thursday, May 3, 2007 11:00 AM EST


2009 年末までにデザインされる新型ノートブックの 50 パーセント以上に、デジタルメディアプレーヤやモバイルハンドセットの進化にとって、すでになくてはならない存在になっている固定素子フラッシュメモリが搭載されることになるだろう、とある市場調査会社が述べている。

カリフォルニア州エルセグンドーに拠点を置く iSuppli は、同社の「Technology Penetration Database」を利用して、2400 万台のノートブック PC が、2009 年の第 4 四半期までには何らかのフラッシュデータストレージを備えることになるだろうとしている。今年の第 1 四半期にそのようなテクノロジーを搭載して出荷されたのは、わずか 143,600 台だ。

つまり、2009 年の第 4 四半期には、4010 万台のノートブック出荷台数のうち、およそ 60 パーセントがフラッシュデータストレージを備えるということだ。一方、2007 年第 1 四半期の 0.7 パーセントだ。

ポータブル PC 内部にフラッシュを展開させる手助けとなるのは、NAND 型メモリパーツの劇的な値下がりだ、と iSuppli。 同社は、今週はじめにリリースされた報告書の中で、1 GB の NAND フラッシュメモリは、2003 年には同サイズに相当するハードディスクドライブ (HDD) の 100 倍も高価だったものの、2009 年までには価格差が 14 倍弱程度にまで縮むだろうと指摘している。

フラッシュはこれからある程度先まで HDD よりもはるかに高価なままだろうことが予測できるものの、価格以外の要素から PC 製造会社は同テクノロジーを製品デザインに取り入れざるを得なくなるだろう。

「フラッシュベースのデータストレージでは、現在のノートブック PC で採用されている伝統的な回転式の次期ストレージと比較しても、劇的なパフォーマンス改善が見込める」とアナリストの Matthew Wilkins は語っている。 「HDD と比較した場合の、フラッシュメモリのより高速な読み込み時間から、パフォーマンスが向上し、オペレーティングシステムやアプリケーションの起動時間が短くなる。 フラッシュではまた、HDD と比較して、より高い信頼性や衝撃耐性、低い電力消費が見込める。

現在、PC 内部にフラッシュデータストレージに向けては、3 種類の異なるアプローチがあり、各アプローチともに、通常の HDD と比較してパフォーマンス改善が見られるとのこと。その 3 種類のアプローチとは、Intel の「Robson」テクノロジー、ハイブリッドハードディスクドライブ (HHD)、そして固定素子ドライブ (SSD) だ。

iSuppli によると、今後 2 年間にわたって、ポータブルに特化したサブノートブックや主流モデルにもフラッシュデータストレージが浸透していくだろうとのこと。 同社は、2009 年第 4 四半期に出荷されるサブノート PC の過半数の 54 パーセントが HHD を採用し、28 パーセントが SSD を採用すると推測している。 同様に、メインストリームのノートブック PC の 58 パーセントが HHD を採用し、25 パーセントが SSD を採用する、としている。

Apple としては、Robson の派生を、オンボード NAND と伝統的な HDD とを効果的に組み合わせて、今年後半あるいは来年前半と見込まれている 超薄型サブノートブックのデザイン に仕込んでくるのではないかとみられる。 同社の MacBook ラインも、やがてこのテクノロジーを採用することになるだろう。

NAND フラッシュのコスト面で、いつになったら AppleSSD のみを搭載したノートブック -- 磁気 HDD の助けを借りずに、実質的にフラッシュのみて構成されるデータストレージ -- を出荷できるようになるのかは不明だ。Apple は、Robson を利用するために、ハイブリッドハードディスクドライブというアプローチを採用するように見受けられる。

昨年 12 月に出版された報告書によると、Apple は、Samsung が提供するハイブリッドハードディスクドライブを取り込むという 提案を却下して、替わりに Intel テクノロジーを採用する計画を進めている。