AppleInsider: Apple TV をしばらく使ってみた -- 詳細レビュー [Page 2]

Some time spent with Apple TV -- an in-depth review [Page 2]

By x3nc0re 548

Published: Thursday, May 24, 2007 10:00 AM EST


Apple TV の開かれたポテンシャル

Apple TV は、長いビデオケーブルができないような、その他の機能も提供している:ワイヤレス配信の便利さと、離れたコンピュータに束縛されない独立した操作だ。 Apple TV には、小さなハードディスクが納められており、同期された iTunes ライブラリからのデータを一時的に溜めておくことができる。 同期の後、デバイスiTunes のあるコンピュータに頼ることなくコンテントを再生できる。

さらに、iTunes が動いている他の 5 台のコンピュータからのメディアを直接ストリーミングで受け取ることができる。ただし、Apple が「ストリーミング」と言う場合、単に 2 番目のメディアライブラリに時折接続するだけのことを指しているようだが。 Apple TV 経由で視聴できるすべてのメディアは、そのソースに関係なく、ローカルにあるハードドライブから直接再生競れているようだ。

そのため、Apple TV は本当の意味で、テレビにメディアファイルを表示するという、特定のタスクをこなすための簡易版 Mac なのだ。 このおかげで、デバイスはシンプルで分かりやすいものとなっている。 手持ちの音楽やビデオが iTunes で再生できれば、恐らく Apple TV でも再生できる。 もし再生できない場合は、再生できるように変換するだけだ。 Handbrake という無料のユーティリティでも Roxio の Crunch、そして QuickTime Pro でも、DVD や DivX その他のソースからのビデオ変換ができるオプションを提供している。 Crunch は以前「Converting movies for Apple TV using Roxio Crunch (an in-depth review).」としてレビューされている。

Apple TV のシンプルさは、なんでも取り込みが可能なプラットフォームとして開かれたポテンシャルを備えているのだ。 特定のタスクをこなすようにハードウェアで限定されている他のデバイスとは異なり、Apple TV の機能は Mac と同様アップデート可能だ。なぜなら Apple TV は Mac だからだ。 これは Apple がこれまで出荷した中でもっとも安価な PC であるものの、他の Mac と同じ Mac OS X システムが動いており、メディアファイルの表示には同じ QuickTime ソフトウェアが利用されている。

Mac プラットフォームをベースにしていることから、単にソフトウェアアップデートを配布するだけで、Apple は簡単に新しいファイル形式、新しい圧縮コーデック、そしてその他の新機能へのサポートを追加できるのだ。 デバイスは他の Mac と同じように動作し、Unix をベースにしたオペレーティングシステムを実行しているので、サードパーティの開発者がデバイスの機能をベースに拡張を施すことも簡単にできる。 ユニットで遊んでいるハッカーは、例えば、DivX を用いたビデオをサポートするソフトウェアのインストール方法を数時間のうちに見つけ、インターフェースに新しい機能モジュールを追加するためのプラグインを書くのに忙しい。


Apple TV のハードウェア

Apple TV の完全な潜在能力に触れる前に、現在の Apple TV ができること、そしてハードウェアおよびソフトウェア面での現時点の制限についてみていくことにする。 ハードウェア面で Apple TV は、Mac mini にローラーをかけて押しつぶしたように見えるスリムな箱だ。 mini の 6.5 インチに対して、7.7 インチの四角で、厚みは mini の半分ほどだ。

Apple TV は、IntelDothan からの派生である 1 GHz Pentium M Crofton Processor を使っている。 このため、Core 2 Duo Mac mini と比較するとはるかに汎用面ではパワーが劣ることになるが、Apple TV ではよりシンプルな汎用 CPU とよりパワフルなフラフィクスチップのコンビネーションになっており、これがビデオのデコードで必要とされるタスクの多くを処理している。 この組み合わせは、Apple TV がビデオアニメーションの表示や HD 解像度での H.264 ビデオのデコードにうってつけとなっている。 「Apple TV の内側」を参照のこと。

出力コネクタに関して Apple TV は、標準的な RCA ステレオオーディオジャックと Toslink デジタルオプティカル出力の両方を備えている。 一方のビデオに関しては、コンポーネントビデオおよび、オーディオ信号も統合した特別な DVI ビデオポートである HDMI の出力を備えている。 新型 HDTV ディスプレイの多くは、シンプルでコンパクトな HDMI コネクタを利用する。もっとも中には DVI やコンポーネント出力を使うものもあるが。

HDTV セットではさまざまなポートが利用可能なので、Apple はユニットにケーブルを同梱していない。 CompUSA や Radio Shack に行けば、HDMI ケーブルやプラグ変換機は 50 ドルから、なかには 100 ドルをはるかに超えるもの(!)まで揃っている。 嬉しいことに、Apple Store では、手頃な価格で高品質な Xtreme Mac HDMI ケーブルを 20 ドル程度で販売している。


Apple TV


コンポジット TV への未対応

Apple TV の出力オプションでは、最近のオーディオ・ビデオレシーバやディスプレイの多くに対応しているものの、なぜか、コンポーネント入力を持たない標準的なテレビには対応していない。 多くのモダンで高品質な高画質テレビは Apple TV のコンポーネント入力に対応しているものの、多くの非 HD テレビではコンポジットあるいは S-Video 入力にしか対応していない。 一部のビデオプロジェクタも、高品位入力信号として VGA しかサポートしていない。

残念ながら、こうしたかつてのテレビやプロジェクタで使えるように、コンポーネントあるいは DVI 信号を変換する手軽な方法は存在しない。 つまり、Apple TV は、新しい HDTV ディスプレイやプロジェクタをすでに持っている -- あるいは購入に関心がある -- 消費者に直接訴えかけるものなのだ。 別に陰謀論が関係している訳ではない。なぜなら Apple は自社のオンラインストアや直営店で HDTV を販売している訳ではないからだ。もっとも多くのアナリストはそのうち販売するようになると予言しているが。

Apple は、HDTV の利用を促すことで、意図的に Apple TV のもっとも低次元の要素に対して高価値を設定してきているのだ。 Apple TV が標準的なテレビに対応した場合、デバイスのスクリーンメニューはそれなりに低い解像度やソフトなビデオ表示に対応しなければならない。 システム的には標準の 480p 解像度に対応できるものの、コンポーネントあるいは HDMI ビデオに特化しているというのは、こうしたディスプレイはもっとも低い解像度であってもくっきりと表示され可読性が高いからだ。

また、Apple はすでに、コンポジットおよび S-video テレビに対応したデバイスを提供している。video iPod だ。 同 iPod のビデオ出力ドックを利用すれば、ビデオ再生可能な iPodApple TV に似た、しかし、より簡単な方法で利用できる。これは、ビデオおよび写真表示のための iPod の基本的な画面インターフェースから、基本的なコンポジットビデオと、コンポーネントHDMI を利用した際のより高い品質とを比較する際の手助けになるだろう。

標準的な解像度のテレビのためのもう一つの代替案は、新しい Mac の Front Row を使うという方法だ。これなら、どの機種でも、Apple TV が対応していない、これまでのコンポジット、S-video、そして VGA 出力に対応している。 コンポジットビデオ出力のサポートを追加することで、デバイスのコストが跳ね上がるだけでなく、ユーザにとってもあまり利益にならない。なぜならアナログテレビは終了が予告されているからだ。 これは、US Digital Television Transition Act of 2005 によって 2008 年末までにアナログ放送を終了することが定められているのだ。


HD の探索

これがあるために Apple TV は将来に向けた、HD コンテントシステムとして位置づけられる。 しかし現時点では、その能力をフルに活用できるコンテントは多くない。 Apple TV で HDTV を利用する一番の方法は、映画やテレビ番組を再生するというものだが、iTunes はまだ有料コンテントの HD バージョンを提供していない。 同様に、Handbrake のようなユーティリティも iTunesiPod、そして Apple TV で再生するために DVD をリップできるものの、DVD で HDTV の解像度を持つビデオは提供されていない。

新しい Blu-RayHD-DVD ディスクは、認証されていないデバイスでの再生を妨げる、より強力な DRM が原因で、消費者が簡単にリップできるようにはなっていない。 現在、HDTV コンテントのもっとも一般的なソースは、ユーザが所有する最新の HD ビデオカメラを持つ HD ホームビデオや、iPhoto に保存されている高解像度写真だ。 誰もが HD 写真を持っているものの、HD カムコーダを持っている人はほとんどいない。

iTunes ストアからダウンロードしてきた DVD や映画は、HDTV のポテンシャルを完全に発揮できないものの、DVD と HD の解像度の違いは、直接比較しない限りほとんど見分けがつかない。 画面を一時停止すると、iTunes の標準的な解像度のビデオだと、近くで見るとピクセルが目立つものの、大抵のユーザは映画を一時停止して、その解像度を確かめるために画面に近づいたりはしないはずだ。


ページ 3:非 HD コンテントはどの程度悪いのか?、迂回方法、そしてApple TV ソフトウェア, 1.0。

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