AppleInsider Review: Apple の新 iPod nano は nano の薄い衣を纏った 5G video iPod

Review: Apple's new iPod nano is a 5G video iPod in a nano-thin shell

By Daniel Eran Dilger

Published: Monday, September 10, 2007 10:00 AM EST


新しい第 3 世代 nano は、先代の nano と同じく小さな非常に薄いフォームファクターを持ち、AppleiPod ラインの中ではスポーツに焦点をあてた製品だ。 しかし今回は、既存の 5G video iPod よりは画面が小さいものの、完全な video iPod としての機能が加えられている。 それはどの程度うまくいっているか?


全てが新しい 3G nano

Apple が公開している飾り気のない写真と「太っちょ nano」を巡るブログ投稿から、亜新 nano はずんぐりしたストップウォッチのような感じなのだろうと想像していた。 実際には、新しい nano はこれまでの背の高い nano と同じくらい薄いものの、その丸みを帯びた背面によってさらに薄く感じられる。 さらに新モデルは大幅に背が低くなり、どちらかというとオリジナルの iPod をひとサイズかふたサイズほど縮めた感じだ。

写真、ビデオ、そしてゲームを楽しめる機能をもったより大きな画面とともにまったく新しいフォームファクターとなったことに加えて、新しい nano は nano の家系にぴったりとフィットする。 非常に薄い 繰り返させてほしい。ビックリするくらいに薄いのだ。スリムな iPhone や先代の音楽再生のみの nano のどちらと比べてみても。

この新しい nano はあまりに薄いため、iPhone が nano を乗せて飛行できるような貨物機のように見えてしまうほどだ。 この薄さによって、大量のコンテントを持ち運びたい人に人気の、ハードドライブベースの iPod classic ラインや、低価格でシンプルな iPod shuffle、あるいは大きなマルチタッチ・ワイドスクリーン機能をもつ iPhone とは一線を画している。 新 nano は、薄いだけでなく、Nike+ と動作して、気の利いたストップウォッチ記録機能を持つ唯一のモデルでもあり、エクササイズの際に腕に装着できるような超薄型版として、スポーツシーンにおける nano の役割を際立たせている。


第 3 世代 iPod nano

Apple は、既存の iPod ラインアップを捨て去って、大幅に改善されたモデルシリーズを投入して、今冬のゲームの潮流を変えようとしてきた。 まず最初に気がつく大きなアップデートは、誰もが知っている、nano の動画再生およびゲーム機能だ。 次に、アップデートされて新しくなった iPod classic と同じ、完全に新しくなった nano のユーザインターフェースだ。 第 3 に、その新しくなったフォームファクターだ。 とはいっても、まったく欠陥や奇妙にも存在しない機能、制限、あるいはバグがないわけではない。 以下で、新しい nano 機能のみっつのカテゴリーがどのように統合されているのかを見ていこう。


iPod Video としての機能

5G iPod がリリースされたときのことを振り返ってみると、誰もが動画再生能力に群がったものの、Apple 自身は、それは大した機能ではないと仄めかしていた。 iPod での動画再生にもっとも近かったのは、写真を閲覧する機能だった。 4G iPod Photo で写真をめくっていく際のスピードから、実際の動画機能の登場も遠くないことが伺えた。

そして当然のことのように、動画再生機能が 5G iPod に登場した。Apple はそれを、価値ある新機能として誇らしげに紹介し、iTunes Store での動画販売を開始したのだった。 ところが、iPod のディスプレイのサイズが小さいために、目を細めてまでも 2.5" スクリーンを見たくはないとする批評家らもいた。 確かに映画館の銀幕を見るような体験はできないが、テレビやホームビデオ、あるいはリップした DVD を見るということにかけては、video iPod は一定の目的に置いて現実的な選択肢だった。 普通に本を読むように持っていれば、画面は部屋の向こう側にある通常のテレビの画面と同じ大きさになる。 試合結果を確認したり、ポッドキャストを見たり、フライトの間に映画を見たりするのに最適だ。

5G iPod でゲームを導入したことで、iPod での体験はさらに活気づき、一部の人にとっては手放し難い存在になった。 iPod ゲームのどれも、現在ハンドヘルドゲーム市場でリードする Nintendo の DS の足下にも及ばないが、 iPod ユーザにしてみれば、ゲームは電車の待ち時間や待合室でちょっと時間をつぶすには格好の方法だ。 では、320 x 240 という nano のやや小さな画面では、ビデオやゲームをどの程度楽しめるのだろう?


nano のビデオディスプレイ

nano の超高解像度 2" スクリーン -- 一インチあたり 204 ピクセル -- は、標準設定の 50% のブライトネスでも明るくシャープだ。 参考までに、iPhone の画面は一インチあたり 160 ピクセルだ。 iPhoneiPod touch は両者とも、はるかに大きな 480 x 320 という二倍の解像度を持っている画面でビデオを楽しめるが、nano も負けてはおらず、Coverflow のミニ版を提供し、ゲームも楽しめる。

nano と以前の動画対応 iPod との間にある、サイズにして 0.5" の違いに気づくのは非常に難しい。iPod の動画が問題ないなら、nano の動画も同じく受け入れることができるだろう。 iPhone のディスプレイに慣れてしまっていたり、iPod でテレビを見るなんて馬鹿げていると思う場合は、nano を試すのは止めておいた方が良いだろう。 ただし、nano では iPhone でできないこともできる。ゲームだ。

nano の Coverflow は、iPhone のものと比較するとやや加速効果が遅い。特に、大きな音楽ライブラリの場合、実際にアルバムアートが表示されるまでに 1 秒ほど灰色のダミーカードを繰ることになる。 ただ、実際に動作が遅れる訳ではなく、瞬時にアルバムアートを前後に繰ることができる。 アルバムをクリックすると、曲のリストが表示され、個々の曲を選択できるようになる。ちょうど iPhone と同じ感じだ。 もちろん、nano ではすべてをクリックホイールで操作するため、指で触って操作するというタッチスクリーン特有の満足感は得られない。 過去 2 ヶ月の間に贅沢にも iPhone の体験に慣れてしまっていても、nano での使用感は実に自然で簡単だ。


第 3 世代 iPod nano

新しい 3G nano では、内蔵のスクリーンに加えて、既存の iPod video 用ドックにコンポーネントケーブルや S-Video を使って標準的なテレビにも接続できる。 これもまた iPhone ではまだできないことだ。 iPhone をビデオ用ドックに接続すると、デバイスがサポートされていないと文句を言われるだけなのだ。 ただし、AppleiPod video ケーブルで touch もサポートするとしていることから、この問題は間もなく解消されるはずだ。 そのソフトウェアアップデートがリリースされるまでは、新しい動画対応 nano は、Apple TV の携帯・標準解像度コンポジットビデオ版として機能できる。

nano では、ドックからテレビに接続して直接ビデオ再生が可能な通常の iPod Video の設定に加えて、フルスクリーンモード (レターボックスバーを取り除いて、画面中央いっぱいにビデオを表示するモード) へとビデオ出力するために調整する機能や、クローズドキャプションを表示するための設定も備えている。 これは明らかに、特にキャプションをサポートする iTunes で購入したコンテントのためのものだ。 私が個人的にダウンロードしたコンテントはどれもキャプションをサポートしておらず、ビデオにキャプションを追加する標準的な方法もないので、Apple は将来 iTunes コンテントに新しいアクセシビリティのための機能をアナウンスすることになるのかもしれない。


ページ 2:Nano のゲーム;アップデートされた iPod メニューとアプリケーション。

次のページへ次のページへ前のページに戻る