AppleInsider: Apple の次のステップ: Newton の復活

Up next for Apple: the return of the Newton

By Kasper Jade

Published: Wednesday, September 26, 2007 10:00 AM EST


90 年代初頭に Newton MessagePad 系列を発表して PDA 市場の誕生に一役買った Apple Inc. は、同社の新しいマルチタッチテクノロジーをベースに、かつての人気機種を現代に復活させようという新たなコンセプトを温めているらしいことを、AppleInsider は突き止めた。

Apple にとって、現在進行しているプロジェクトは、Newton が 90 年代後半に直面した運命以来、PDA の再発明を目指す意味がある。最初の試みは陽の光を浴びることは一度もなく、3 年以上も前に CEO である Steve Jobs がポロリと こぼしたコメント から存在したことが分かる程度だ。

2004 年版 Wall Street Journal's D: All Things Digital カンファレンスに登壇した Jobs は、最近の Apple がリリースした製品に誇りを持っているだけでなく、会社が製品化しないと判断した製品についても誇りに思っている、と語った。

聴衆からもう少し具体的に話してほしいと乞われた Jobs は、シンプルに「Apple PDA だ」と答えている。

Jobs とその仲間たちは希望を捨てることなく、もう一度設計ボードに向き合うことにしたようだ。 過去 18 ヶ月間、信頼のおける情報筋は AppleInsider に、Apple エンジニアの小さなチームが再び作業に取りかかっており、今回は同社の革命的なマルチタッチテクノロジーをその基礎に用いようとしている、と語っていた。

当時、情報筋は、Apple が自ら課した 2007 年 6 月の iPhone 発表を実現するために 懸命になっていた ため、同プロジェクトが浮き沈みを経験していたことを確認している。 少なくとも 2 回、AppleiPhone ソフトウェアを完成にこぎつかせるべくプロジェクトからソフトウェアエンジニアを引き抜いており、そのエンジニアらが元のチームに戻れたのは数ヶ月も後になってからのことだった。

当初の目標であった iPhone が市場に登場し、Apple の研究所では後継機として 2 モデルの開発が進む今、現代版 Newton プロジェクトに全霊を注いでいるものとみられる。 この新しいデバイスは、iPhoneiPod touch のように、AppleMac OS X Leoprad オペレーティングシステム組み込みバージョン を実行する。

外部的には、マルチタッチ PDA となり、情報筋からの情報では、iPhone にそっくりな超薄型の「スレート」で、大きさは約 1.5 倍、ユニットのほぼ前面を覆うおよそ 720x480 の高解像度ディスプレイを備えているという。 このデバイスはさらに、iPhoneiPod touch といった Apple の既存のマルチタッチ製品にも広く採用されていないようなコンセプトをさらに押し進めて、ドラッグ・アンド・ドロップやコピー・アンド・ペーストも実現するという。


Newton の復活
既存の Apple ハンドヘルドとのおおよそのサイズ比較 | audiopollution によるアートワーク。

より広いカテゴリー区分にするとウルトラモバイル PC に対する Apple からの回答ともいえるこの次世代デバイスは、2008 年前半のいつかにリリースされる見込みだという。 今後プロジェクトに障害物が出現しない限り、1 月に行われる Jobs の Macworld キーノートで複数の Mac 新製品とともに披露されるのではないか、と情報筋はみている。 ただし、製造過程および販売は 2008 年なかばに近くならないと実現しないようだ、とも同じ消息筋は伝えている。

AppleInsider がここ数ヶ月仄めかしていたように (12)、次世代 PDA は、Apple にとって 5 番目のコアビジネスセグメントの誕生を意味することになるが (Apple TV を除いた場合は 4 番目)、同時に、すでにゲームの潮流を大きく変える要因として証明されている、同社の新しいマルチタッチプラットフォームで実現されうるものの一端でしかない。


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