AppleInsider: Apple TV をしばらく使ってみた -- 詳細レビュー [Page 4]

Some time spent with Apple TV -- an in-depth review [Page 4]

Published: Thursday, May 24, 2007 10:00 AM EST

サードパーティ製エクステンション

サードパーティが、新機能の配布で Apple に一矢報いるかもしれない。あるいは、少なくともいくつかの重要な代替手段を提供できるかもしれない。 Apple TV のソフトウェアのアップデートには、iTunes 独自のアップデートメカニズムにアクセスしないと難しいが、賢いハッカーなら、独自コンポーネントをインストールするために Apple TV をどうこじ開けたら良いのか見つけ出すのに時間はかからないだろう。

サードパーティによる Apple TV 初の機能拡張は、QuickTime コンポーネントだった。単に Apple TV の内蔵 QuickTime が他のコーデックをサポートできるようにインストールするだけで、デバイスは標準的な Mac 上の QuickTime が再生できるなら DivX、XviD、そして Ogg から Microsoft Windows Media 9 用の Flip4Mac コーデックのサポートにいたるまであらゆるものが再生できる。

もっとも、新しいタイプのコンテントを再生できるからといって、iTunes が Apple TV に対して新フォーマットをコピーできるようにはならない。 iTunes は標準で、Apple TV は意図された形式しか再生できないことを前提に最適化されているので、ユーザは未知のファイル形式を同期できないようになっている。この制限を迂回するために、Apple TV には iTunes を迂回して、ローカルコンピュータあるいは外部のインターネットさえからデータを入手できるようにしなければならない。

AwkwardTV.org というサイトを見ていた冒険心に溢れたユーザは、Apple TV が Front Row インターフェースを通常の Mac OS X Finder の代替として実行していることに気づいた。 Finder は、インストールされたあらゆるプラグインモジュールを柔軟にロードできるので、新機能の追加がしやすくなっている。最初に登場したもののひとつに ATV Loader があり、これはグラフィカルなユーザインターフェースでインターネットからさらにプラグインをインストールできるようにするとと共に、ユーザがリモートのコマンドラインによるログインや標準的なファイル共有もできるようにする。

既存の Apple TV プラグイン

もちろん、肝は ATV Loader を使う点で、ユーザはまずそれを手動でインストールしなければならない。これには現在、Apple TV のボックスを開いて、中のハードドライブを取り出し、手動でそのドライブにファイルをコピーして、その後すべてのまた元に戻す必要がある。しかし、一旦インストールしてしまえば、ATV Loader は追加のプラグインをインストールできるようになる。ファイル共有できるようにアクティベートした後には、Apple TV のドライブはネットワーク越しにマウントさえできてしまう。

こうなると、新しい QuickTime コーデックの追加は簡単で、Perian の Divx や A52codec の AC3 オーディオサポートさえ可能だ。 ATVFiles プラグインは、ユーザが、ネットワーク上のあらゆる場所に保存された、こうした追加された形式のメディアファイルを、iTunes 経由で同期することなく開いて再生できるようになる。

ストリーム用プラグインは、インターネットラジオストリームを、nitoTV プラグインではユーザが DVD Video_TS フォルダーを、どちらも mplayer で再生する手段を提供する。その他のプラグインでは、ライブ RSS フィードやスポーツのスコア、気象情報を表示できるようになる。まだ開発段階にある新しいプラグイン ASeriesOfTubes は、YouTube ビデオを Google のサーバから直接閲覧できるようになる。

将来の可能性

AwkwardTV.org には、他にも Apple TV プラグインを wiki に掲載しており、開発中ものからアイデアにいたるまで多彩だ。そうしたもののなかには、ウェブカムを見るためのもの、直接 DVD を再生するためのもの、Slingbox のためのインターフェース、Flickr の写真を表示するためのもの、Quartz Composer ファイルを提示するためのもの、iChat ビデオカンファレンスアプリケーション、Google Earth ビューア、シンプルなウェブブラウザ、標準的な Dashboard ウィジェットをインストールするためのもの、といった Apple TV プラグインがある。

その他にリストされているものには、クラシックな MAME や SNES ビデオゲームを再生するためのもの、ちょうど AirPort Express ベースステーションのように iTunes から AirTunes オーディオをストリームするためのもの、そして、カレンダーやアドレスデータを表示するためのものがある。現実には、こうしたアイデアのどれも行き過ぎとは言えないだろう。 Apple TV は、汎用目的のオペレーティングシステムと、さまざまなインタラクティブアプリケーションを扱うためにそれなりにパワフルなプロセッサを備えている。

多くの場合必要なのは、多数の既存のアプリケーションと馴染み、Apple TV のシンプルなリモコンで利用できるような、適切にシンプルなインターフェース「フロントエンド」だ。同グループは近い将来、ユーザがユニットを開くことなく新しいプラグインや他のソフトウェアをインストールするための、ブータブルなサムドライブソリューションも提供する計画だ。

欠けているもの

Apple TV は、簡単に使える斬新なシンプルインターフェースを提供し、iTunes ビデオの再生という素晴らしい仕事をする。ただ、マイナーなインターフェース調整から機能の拡張まで改善の余地は多々ある。 Apple TV のオープンアーキテクチャはサードパーティ開発を呼び込み、また、ユニットは Apple が iTunes エコシステム拡張のために進めている戦略に統合されているため、Apple 自身が定期的に大幅なアップデートを提供しないと考えるのは難しい。

ハードウェア面では、300 ドルのデバイスを高価になりすぎない範囲で改良して、Mac mini の領域へと押し上げる余地はあまりないようだ。 Apple TV には、限られた 40GB ハードドライブが搭載されているが、標準的な PATA ラップトップドライブは比較的アップグレードが容易だ。また、ほとんどのユーザにとって、ドライブサイズは問題にはならないだろう。というのも、iTunes では特定のコンテントを簡単に同期できるからだ。

Apple は、将来大容量ディスクを備えたモデルを提供するかもしれないが、より良いオプションとしては、Apple がディスク拡張をできるようにユニットの USB ポートを有効化することだろう。現在、その USB ポートは、デバイスが起動すると無効になり、無駄なプラグになってしまっている。

USB はまた、ユニットの基本的なリモコンより洗練された入力デバイスを追加できる可能性も秘めている。例えば、Bluetooth ドングルを射して、ワイヤレスキーボード、あるいはインタラクティブゲームのための Wii コントローラ、あるいは iSight カメラを追加して Sony PlayStation EyeToy のようなゲームを可能にしたり、iChat ビデオカンファレンス機能を利用する可能性だ。

DVR はサポートされていないが、Apple TV は当然なことながら、ケーブルテレビユーザのコンテントを録画することは想定されていない。ただ、ほとんどのケーブルテレビユーザはすでに DVR を持っている。また、直接 DVD を再生することも予定されていないが、これも Apple が想定しているモデルではなく、DVD の DRM といった法的束縛が関係してくる。この点については「Apple TV: Using DVDs and other Video Sources」を参照してほしい。

iTunes Store はレンタルダウンロードオプションを提供していないので、Apple TV は低予算映画という一般的なソースを持っておらず、10 ドルほどの映画を購入するオプションしかない。 iTunes からの映画ダウンロードは、頻繁に映画を借りたり、NetFlix といったサービスで新しい DVD を定期的に購入する大人よりも、同じタイトルを繰り返し見る子供を持つ家族にとってより魅力的になる可能性がある。

ユーザは、Handbrake といったプログラムを使って DVD を H.264 ファイルにリップできるが、それには時間がかかる。もうひとつ別のオプションとしては、Apple かサードパーティが USB 光学ドライブを提供して、ユーザが DVD、あるいは HD の Blu-Ray 映画さえもを再生できるようにすることだ。ただし、このユニットに HD ディスクをデコードして再生できるほどの馬力を備えているかどうかは定かではない。

Apple TV の RAM やプロセッサは、 Apple TV がこなす作業、りまり H.264 ビデオの再生をちょうど良くこなせるだけのものになっている。ハードウェアリソースを追加しても、さほどユーザの利益にならないのにコストが跳ね上がる可能性がある。もっとパワーが欲しいなら、替わりに Mac mini を購入した方が良いだろう。

ぎりぎりの設計になっている Apple TV には、あらゆる形式のビデオをデコードする能力には欠けている。というのも、デバイスは、多くがグラフィクスプロセッサに割り当てられていると見られる H.264 の再生に特化されているからだ。 DivX といったソフトウェアのみのコーデックだと、解像度が高くなると一般的な処理パワーの限界に達してしまうかもしれない。

ページ 5： HD の利用者、残りの人のためのテレビ？、そしてまとめ。

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