AppleInsider Report: 収益契約によって制限される iPhone の世界シェア

Report: iPhone world share limited by revenue deals

By Aidan Malley

Published: Tuesday, October 9, 2007 08:00 PM EST


Bernstein Research が初めて Apple の調査を始め、iPhone を一握りの国を超えて受け入れられたいのであれば、Apple は収益ではなく市場シェアを優先した方が良いのではないかと警告している。

この資産管理会社は投資家らに対して、AppleAT&T、O2 および T-Mobile と現在交わしている利益分配契約は、Apple に対してかなりの利益をもたらす可能性が高いものの、各国市場のごく一部 (たとえそれが重要だったとしても) しか抱えることができないキャリアとの特選契約がある国では同社の長期的な成功が阻害される可能性があると指摘している。 これら国々の多くは、技術的に iPhone をサポートできる代替キャリアが存在するが、結果として閉め出されてしまっている、と Bernstein のシニアアナリスト Toni Sacconaghi, Jr. は述べている。

「これは、iPhone が対象とし得るマーケットのを制限してしまう可能性がある。というのも、各キャリアパートナーはそれぞれの市場で 25 - 40% のシェアしか持てていないからだ」と彼は言う。

Sacconaghi はまた顧客に対して、収益を得るために顧客を長期契約に結びつけてしまうこうした契約はある国々ではつねに効果的であるとは限らない、と注意を促している。 イタリアおよびロシアでは、携帯電話のユーザは通常、プリペイド型の電話を好むため、最初から電話の価格を支払わなくてはならない。 これによって収益の多くが失われてしまうか、そうでない場合は、同じ収益レベルを維持するために携帯電話の初期コストを増やさざるを得ない。

今後 iPhone 投入は、事後払い (契約) カスタマーが多くを占める主要マーケットが対象になる可能性が高い、と方向は指摘している。 Sacconaghi は、比較的細部にわたる予測を発表しつつ、Apple は今後半年のうちに同社の携帯電話をオーストラリア、スペイン、そして台湾で発表し、その後日本および韓国と続くだろうとしている。 Apple は、すべてのキャリアをサポートした場合、こうした地域で多ければ 5 億 1500 万人にアクセスできるだろうが、 これら地域以外のカスタマーにこれまでと似た契約と価格を受け入れるよう説得する際には遥かに厳しい予測となるだろうとしている。

AppleiPhone を他の市場に投入する場合、遥かに低い収益配分で落ち着くか、収益配分そのものを廃止せざるを得なくなる可能性もある」とアナリストは報告している。

一方、こうした選択は最終的に、2008 年末までに 1000 万台の iPhone を販売すると Apple が明らかにしている目標にも影響してくるだろう、と彼は付け加えている。 Bernstein による予測では、Apple が暦年 2008 年に合衆国内で販売できる iPhone はわずか 4、500 万台で、このため Apple は目標達成のために国外での売り上げに頼らざるを得なくなるとしている。

ただし、すでに Apple が地歩を固めているマーケットでは、大きな収益が見込めるだろうと予測している。 最近の iPhone 価格下落によって、合衆国内では典型的な BlackBerry スマートフォンと同じ価格帯になったものの、AppleAT&T から手にする収益は 14 ドル -- BlackBerry の製造元 Research in Motion がすでに独自の電話・メールサービスとしてプロバイダから受け取っている価格のおよそ 2 倍 -- となるだろうとしている。 Apple はこの 2 年間に合衆国内で、各 iPhone ユーザから最大 360 ドルを、イギリスの O2 からはさらに多い 500 ドルを得ることができるかもしれないという。

しかし、Sacconaghi は、Apple は本当の意味でユニットを動かす必要があり、小さなユーザベースをかすめ取るだけでは将来株主を満足させることができなくなるだろうとしている。 Bernstein は同社の目標株価を 175 ドルに引き上げたものの、売り上げに少しでも問題が発生すれば同社の株価に損害を与えかねないことから、Apple を平均的な「市場パフォーマ」企業として調査し始めたのみであるとしている。

「われわれは、Apple 株を現在の価格で購入する投資家は、同社が事業の収益性を犠牲にすることなく 1000 万台の iPhone を 2008 年までに販売できると信じているに違いないと考えている。しかし、そのシナリオの可能性は低いとわれわれは考えている」とアナリストは語っている。