AppleInsider: Mac OS X Leopard に向かって: Time Machine [Page 4]

Road to Mac OS X Leopard: Time Machine [Page 4]

By Prince McLean

Published: Friday, October 12, 2007 10:00 AM EST


Time Machine の可愛い仮面

これまでのところ、Time Machine の技術的な背景のみを見てきた。 Time Machine のもっとも明らかな強みは、Leopard のもう一つの新機能である Core Animation を最大限利用したファイル復元のためのユーザインターフェースだ。

Finder でバックアップディスクを手動で検索したり、Spotlight を使って Time Machine のドライブから名前によって失われたファイルを引き出したりできるのに加えて、ユーザは Dock にある Time Machine アイコンをクリックして、記録されたバックアップのあらゆるコピーを視覚的に表示できる。 Time Machine の有名な「ブラックホール」表示 (下図) では、Time Machine がシンプルながら洗練された方法で記録したバックアップファイルを検索する代替手法を提供してくれる。


Leopard Time Machine

この視覚効果では、対象とするウィンドウのコンテンツを、取り込まれたすべてのバックアップから時系列に沿って表示してくれる。 Time Machine を利用するもっとも典型的な例としては、失われたファイルがあったと思われる Finder ウィンドウからのものだ。 Time Machine をクリックすると、そのディレクトリのコンテンツが時間に沿って表示される。 時間を遡る矢印をクリックすると、Time Machine はバックアップレコードを遡って、バックアップがとられた時点でそのフォルダには何があったのかを表示してくれる。 各ジャンプで、そのコンテンツが変更された時点へと戻ることができる。

Finder ウィンドウはこの時点でも機能するので、ドキュメントを Quick Look したり (下図)、またはバックアップをブラウズしながらファイルシステムの異なる場所へと移動することもできる。すべては Time Machine の表示内で行える。 選択されたファイルやフォルダが見つかったら、それを選択して復元をクリックする。すると Time Machine はデスクトップへと戻ってきて、バックアップからファイルをメインのハードドライブへとコピーしてくれる。


Leopard Time Machine

もっと凄い例として検索クエリがある。 Spotlight でフレーズ検索をしてみよう。Word ドキュメントが表示されるかもしれないし、iChat の履歴、あるいは検索に関連する電子メールが表示されるかもしれない。 ここで Time Machine を起動してみよう。すると、Time Machine にバックアップが存在するすべてのポイントで同じ検索をしながら、時間を遡ることができる。 これは信じられないくらい強力で、柔軟に検索でき結果を確認できる。 他のどのバックアップ復元システムも、これほどシンプルかつ直感的に、リモートのアーカイブを検索できるようにはなっていない。


将来に向かってバックアップ

Time Machine は単にバックアップしたファイルを視覚化しているわけではない。 それはコレクションにも繋がっているのだ。 例えば、Apple はアドレス帳内で時間を遡った検索をデモンストレーションしていた。 アドレス帳を開いて、消えてしまった連絡先の名前を検索する。そして Time Machine を起動すると、システムはバックアップレコードからその連絡先を見つけてくれるというものだ。 同じことを Mail でもできる。Time Machine は、時間を遡って削除した電子メールや 1 週間前、1 ヶ月前、あるいは 2 時間前から未読になっているメールを表示してくれる。 iPhoto でも同じことができ、iPhoto ライブラリから誤って削除してしまった写真を一つ一つの時間を遡りながら探すことができる。

サードパーティの開発者は、自ら作成したアプリケーションに Time Machine を統合して、同じような機能を提供することができる。 ここから、Time Machine が単なるバックアップシステムではなく、実は、ファイルシステムテクノロジーとデータの視覚化の組み合わせであることが分かる。そしてこれこそが、Apple のファイルバックアップの新しい実装を、より平凡な Backup 3.0 プログラムの単なるアップグレードよりも遥かに優れたものにしている所以なのだ。 この真髄はシンプルさによるもので、ユーザが自らのデータを保護するにあたって必要な作業を最小化してくれる意味で、Time Machne は非常に効果的な手法になっている。

Time Machine は、どの標準的な外付け Firewire や USB ドライブでも動作し、新しい Airport Extreme ベースステーションによって機能する Apple の共有ディスクといった、共有ネットワークドライブでも動作するよう設計されている。 複数の Leopard ユーザがいても同じドライブへのバックアップが可能だ。というのも Time Machine は各システムのバックアップを名前毎に隔離して保存するからだ。 Time Machine はまた、更なるファイルセキュリティを確保するため、暗号化されたイメージにバックアップできるようにもなっており、そのイメージをどのファイルサーバにもダンプできるようにしている。

Time Machine のインターフェースはまた、Core Animation を使ってユニークなデータ視覚化をどう実現するかも見せてくれている。これは、Leopard の隅々にわたって織り込まれているテクノロジーで、サードパーティ Mac 開発者がインスピレーションに溢れた独創的なインターフェースを生み出すきっかけとなることは間違いない。

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