AppleInsider: Mac OS X Leopard に向かって: iCal 3.0

Road to Mac OS X Leopard: iCal 3.0

By Prince McLean
Published: Wednesday, October 17, 2007 09:05 AM EST

AppleMac OS X 10.5 LeopardiCal に大幅な変更を施して、Leopard Server に含まれる自社独自の新しい WebDAV ベースの iCal Server との機能統合を導入している。 ここでは、ソフトウェアベースのカレンダーアプリケーションの包括的な歴史と、iCal 3.0 の新機能を見ていこう。

このレポートは、ソフトウェアベースのカレンダーアプリケーションの起源、歴史、そして成熟の過程にかなりのスペースを割いている。 時間のない人、あるいは Leopard で予定されている機能に興味のある人は、本レポートの ページ 3 へとジャンプされたい。

iCal の起源
カレンダーにアクセスして単に日付を確認する他に、カレンダー記入やイベント情報の整理というアイデアは、イリノイ大学の Computer-based Education Research Laboratory が PLATO Notes をリリースした 1973 年に遡る。 このシステムは、もともと CERL でのバグ報告を追跡する手段として設計されていたのだが、アクセス許可リストによる安全確保、日付による並び替え、そしてさらには他のシステム間での共有された Notes の分散コレクションの整理方法へと発展した。
Ray Ozzie、Tim Halvorsen、そして Len Kawell といった PLATO Notes の開発者らは、後に大学を辞して、他の企業でこのアプリケーションの開発を継続した。 Digital では、CERL 出身の開発者らが DECNotes と呼ばれる製品を発表した。 Ozzie は Lotus Development へと移籍した。

デスクトップ・オーガナイザー・ソフトウェア
デスクトップ PC ソフトウェアを使ったスケジュール管理およびイベント整理というアイデアは、1987 年に発表された DOS プログラムで自らを『パーソナル・インフォメーション・マネージャ』と名付け、一般的には「アイデアのためのスプレッドシート」と表現されていた Lotus Agenda (下図) に遡る。
Lotus はそれ以前にも、非常に人気の高い 1-2-3 表計算ソフトを発表していた。 同社は、初期の PC ソフトウェアのパイオニアで VisiCalc の開発元である VisiCorp でキャリアを開始した、Mitch Kapor によって設立された。当時 VisiCalc は、初のコンピュータ用表計算ソフトであり、Apple II が 1979 年に開拓したパーソナルコンピュータ市場におけるキラーアプリケーションでもあった。
Lotus Agenda は、柔軟性に富んだデータベースを用いた革新的な手法でデータ整理の分野を開拓していった。 ユーザは、新しいデータエントリーアイテムを、独自に設計した複数の Categories に割り当てることができた。 そして、検索のために Filters を利用してお互いを関連づけ、Views でアイテムを表示した。 これによってシステムはパワフルになったものの、複雑なために操作を覚えるのが非常に大変だった。

Leopard の iCal 3.0

Lotus Notes
1984 年 Ozzie は Lotus を辞して Iris を設立した。これは、Lotus が開始した、パーソナルコンピュータ用の PLATO Notes に似たシステムを開発するためのプロジェクトだった。 Notes のオンラインディスカッション、電子メール、コンタクト情報そしてドキュメントディレクトリを PC へと移行させる作業は、80 年代初頭の PC にとってはやや荷が重すぎた。Notes は作業の多くを専用サーバへと分散させる手法を編み出さなくてはならなかった。 さらに、独自のオペレーティングシステム機能の多くを引っ込めなければならなかった。というのも DOS がアプリケーションのために洗練された基盤をほとんど提供していなかったからだ。
同システムは 1989 年に Lotus Notes 1.0 (下図) としてリリースされ、 DOSIBMOS/2 の両方で動作した。 この新システムは、データ処理能力を持たないターミナルの付属したメインフレームを利用するのではなく、PC 上でのクライアント / サーバというアイデアを提案し、グループウェア: ネットワークコラボレーション、メッセージング、グループスケジューリング、そしてドキュメントのオーガナイズライブラリというコンセプトに先鞭をつけた。 Notes は、統合された、カスタムコーポレイトアプリケーションを作成するためのビルドブロックのシステムとして機能した。

Leopard の iCal 3.0

グラフィカルなカレンダリング
1990 年 PeopleCube が Mac 用の MeetingMaker カレンダーを投入した。これはグラフィカルなグループスケジューリングを導入していた。 FirstClass (現在は Open Text の製品) が同じ時期に登場し、グラフィカルなオンライン掲示板システムから成長した Mac のための分散メッセージングやオンラインコラボレーションを提供していた。 90 年代半ば、FirstClass は、スケジューリング機能を備えた完全なグループウェアへと進化した。

Leopard の iCal 3.0
1992 年 Lotus は、ハンドヘルドプランナーインターフェースでイベントを表示していた Agenda のグラフィカルな代替として Windows 用の Organizer (上図) をリリースした。 90 年代半ばまでに、「パーソナル・インフォメーション・マネージャ」は人気のバズワードになっていた。 Organizer が PC では大幅なリードを保っていたものの、Mac では複数のカレンダープログラムがしのぎを削っていた。

Leopard の iCal 3.0
  • MacWindows を対象に販売されていた Microsoft の 1992 Schedule+ (上図)
  • Now の Up-To-Date と Contact
  • 1993 年に Aldus によって買収された Datebook と TouchBase Pro
  • 1995 年に登場した Claris Organizer (下図)
Leopard の iCal 3.0
Claris Organizer には Calendar、Contacts、Notes、そして Tasks がひとつのインターフェースに組み込まれていた。 Palm Pilot オーガナイザの開発者は、PDA を作成するにあたりこのデザインからの影響を受けており、同社は後に Claris Organizer を同社が Mac 用に出した Palm デスクトップソフトウェアとして利用した。 これらと同じコンセプトは後に、1997 年にデビューした MicrosoftOutlook でも見られた。

ページ 2 / 3: Microsoft のデスクトップカレンダリングへの進出; NeXT、AppleClaris、そして Microsoft との交差点; Jean-Marie Hullot の iCal の登場; そしてグループウェアレンダリング

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