AppleInsider: Mac OS X Leopard Server に向かって: コラボレーション情報共有サービス [Page 3]

Mac OS X Leopard Server に向かって: コラボレーション情報共有サービス [Page 3]

By Prince McLean

Published: Monday, October 22, 2007 09:00 AM EST


Leopard Server での新機能

Leopard は、Unix 基盤の上にビルドされており、POSIX および Single Unix Specification の基準を満たした「Open Brand UNIX 03」製品として公式に登録されている。 これにより、サーバユーザは Unix の他のバージョンに向けて設計されたアプリケーションを簡単に移植できるようになっている。

Mac OS X Server はまた 64 ビットアプリケーションのための標準、LP64 データモデルをサポートしている。つまり、SGI、Sun Solaris、そして Linux など他の 64 ビット Unix をベースにしたシステムのために書かれたコードが簡単に Leopard Server へと移植できるのだ。 Apache 2、MySQL 5、PostfixPodcast Producer、QuickTime Streaming Server、そしてJava VM on Intel はすでに 64 ビットで、大きなデータセットを扱え、設置された RAM すべてを最大限活用できるようになっている。

これまでのオープンソースコミュニティによる開発努力を利用することに加え、Apple はさらにサーバ管理を大幅に簡素化した。 Server Admin (下図) といった従来のツールでも、パワフルなインターフェースは複数のマシーンを管理できるように柔軟なものになっており、小規模なワークグループの需要に対応できるようになっている。


Leopard Server


Leopard Server

小規模なワークグループユーザにとってさらにものごとを簡単にするため、Apple は Server Preferences (下図) と呼ばれる System Preferences と全く同じ馴染みあるインターフェースでサービスを表示するようにしている。このため、ネットワークサービスの設定は、一台の Mac を設定するのと同じくらい簡単になっている。


Leopard Server


Leopard のクライアント・サーバの統合

Apple の新しい Calendar Server (Mac OS X Leopard に向かって: iCal 3.0 参照) によって、Exchange Server にあるカレンダサービスと比較して簡単にコラボレーション用のグループスケジューリングが設定でき、Apple's Open Calendar Server vs Microsoft Exchange (Apple のオープンな Calendar Server vs Microsoft Exchange) にあるように、高価な Microsoft の Client Access Licenses を支払う必要もない。

簡素化されたファイル共有 (下図) も、Microsoft Windows Server を利用する場合との比較をしてもコストパフォーマンスは優れており、技術的な知識を持たないユーザにとってもはるかに簡単に設定できるようになっている。 これは中央集権化されたファイルサーバとして、Time Machine を利用する Mac クライアントにとって理想的なバックアップターゲットになっている (Mac OS X Leopard に向かって: Time Machine 参照)。


Leopard Server

Mac OS X Leopard に向かって: Dashboard、Spotlight そして Desktop で解説されているように、Leopard に新しく追加された共有ファイルを対象とした Spotlight 検索は Spotlight Server でも実現されている。これにより、ユーザ権限をベースに索引化され、そのためアクセスできないファイルに邪魔されることなく、ユーザは素早くサーバにあるファイルを検索できる。 Apple は、Spotlight Server、CoverFlow、そして Quick Look のコンビネーションを、使いやすい管理システムの長所として売り込んでいる。

同様に、Mac OS X Leopard に向けて: iChat 4.0 で紹介されているような iChat の新機能も、サーバ側では iChat Server で実現されている。これは、暗号化されたインスタントメッセージングやサーバ側で設定された会議室を実現するため、ユーザ独自の Jabber サーバをホストするというものだ。 同サーバはまた他の Jabber サーバと連携して、サイト間あるいは企業間でセキュアなインスタントメッセージングサービスをやり取りできるようになっている。


Wiki コラボレーション出版サービス

電子メールサービスや Apache ウェブサーバの設定も、同じくボタンを押すだけという簡単な画面として Server Preferences に含まれている。 しかしここで本当に興味深い点は、新しい Wiki Server だ。これは、ユーザがクリックすればインラインで編集できるウェブページを複数のグループが共同で共有できるようにする。

これを有効にすると、アクセス権限が設定され、ユーザは、ウェブページ上の編集アイコンをクリックしてプロジェクトに参加し、自身の新しいアップデートや訂正を投稿できるようになる。 ユーザは、写真のアップロードや文書の添付、ハイパーリンクされた追加ページの追加さえ可能で、これらのアップデートは RSS フィードを購読すれば追跡が可能だ。 変更や編集は、内蔵のバージョン管理からロールバックさえできる。 Wiki Server によって作成されたページにはブログ機能や、Calendar Server によって作成された共有のウェブカレンダ、統合されたウェブメールへのアクセス機能も搭載している。


Leopard Server

同じくブランド化された新しい Podcast Producer では、ある組織に属する個人がオーディオやビデオを記録して、それを文書ベースのプレゼンテーションや画面共有セッション (下図) と共に Leopard Server にアップロードできるようになっている。そして同サーバ上では、そのコンテントは自動的に処理されて、タイトルや画像を取り込み、ストリーミングサーバあるいは iTunes U 経由でもポッドキャストプレゼンテーションへと公開できる。

これは、講義を録画し、その録画をサーバへとアップロードするために、すでに大学内部で利用されている。サーバ側では、これら録画をカタログ登録してアーカイブ化すると共に、コーポレイトブランドおよびクレジットの追加、そしてそれらコンテントを学生が利用できるようにする。


Leopard Server


Leopard Server vs Microsoft Windows Server

Leopard Server は、教育機関といったより規模の大きな環境でも便利で高度な機能を提供しているものの、電子メールやウェブサービス、そしてファイル共有といった基本的なサービスに加えて、共同作業用の wiki やカレンダサービスを設定したいと考えているより規模の小さなオフィスにとっても非常に取り付きやすいものとなっている。 Leopard Server はまた価格面でも購入しやすい。Xserve を購入すれば実質的に無料だし、10 クライアントまでのスタンドアローン版であれば 500 ドル、無制限のクライアント数でも 1,000 ドルだ。

比較として Microsoft Windows Small Business Server 2003 Standard は、5 ユーザで 600 ドル、以降 5 人ユーザが増えるごとに Client Access Licenses で数百ドルが必要だ。 わずか 100 人のユーザで、Microsoft の製品群の場合、瞬く間に 10,000 ドルの大台に到達し、しかも同じような機能は手にできない。 Windows Server はまた、多くのハードウェアが必要なことでも悪名高い。というのも、それぞれ主要な Windows サービスで実は独自のサーバが必要となるからだ。

Windows Server のもう一つの欠点は、オープンソースに優しくなく、Unix ではないという点だ。 Microsoft の幹部は Linuxオープンソースを、開かれた開発を受け入れるのではなく、むしろ「癌」だと表現している。 その結果として、Microsoft は同社の外側で起こっている技術革新や進歩からの恩恵を十分に享受できていない。その一方 Apple は、同社のサーバ事業を何年もメンテナンスモードにおいた後ながら、同分野で瞬く間に追いついてきた。

Apple が使いやすく革新的な新機能を搭載した新しいサーバ製品を送り出すことに注力し始めた今、企業や機関 -- 特にもともと Unix を利用していた教育、出版、放送、さらには科学技術市場 -- は多くの関心を示し始めている。


AppleInsider で連載中の「Leopard に向かって」シリーズのこれまでの回もチェックしてほしい: Dashboard、Spotlight そして DesktopSafari 3.0iCal 3.0iChat 4.0Mail 3.0Time Machine; SpacesDock 1.6Finder 10.5Dictionary 2.0、そして Preview 4.0

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Mac OS X Server v10.5 Leopard Unlimitedクライアント

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