AppleInsider: Mac OS X Leopard に向かって: システム環境設定

Mac OS X Leopard に向かって: システム環境設定

By Prince McLean

Published: Wednesday, October 24, 2007 09:00 AM EST


Mac OS X の多くの機能は、システム環境設定を経由してのみ表示されるようになっている。そして、ご想像の通り、沢山の新しいものが Leopard でお目見えしている。 そのなかには、これまでの Leopard のデモでは一切語られることがなかった「秘密の新機能」もいくつか含まれている。期待を引き延ばしにされた評論家のなかには、リリース前にライバルがコピーできないように Apple が秘密にしてきたさまざまな新機能を新しいオペレーティングシステムでお届けするとしていた確約を、Steve Jobs は果たせなかったのではないか、とする者もいた。 ここでは、システム環境設定がどこから来ているのか、そして新しく登場した点を見ていこう。


このレポートは、システム環境設定の起源、歴史、そして成熟の過程にかなりのスペースを割いている。 時間のない人、あるいは Leopard で予定されている機能に興味のある人は、本レポートの ページ 3 へとジャンプされたい。


システム環境設定の起源

Mac OS X Leopard に向かって: Dashboard、Spotlight そして Desktop[和訳] でも取り上げたように、1984 年に発表されたオリジナルの Macintosh は、一度にひとつのメインアプリケーションしか実行できず、同時に利用できるミニアプリケーションをシステムが表示できるように、デスクアクセサリというアイデアが生まれた。

Andy Hertzfeld は Folklore.org に寄せた Desk Ornaments という投稿で述べているように、彼のグループはさまざまなシステム設定を表示する手法を必要としており、設定があらゆるアプリケーション内で利用可能なように、こうしたタスクはデスクアクセサリとして処理されるのが最善だとの結論に達した。


Leopard の環境設定

Apple のアーチスト Susan Kare は、説明テキストが一切必要ないくらい直感的でコンパクトな表示として、オリジナルのコントロールパネル (上図) をデザインした。 Mac のシステムフォントやアイコンなど、Kare のデザインによって、Mac は際立ったルック・アンド・フィールを備えることになり、わずか二色で全体的にまとまりのある個性を持つことになった。 彼女の貢献のなかには、コマンドキーのプロペラアイコンや、起動時に表示される Happy Mac、ゴミ箱、時計型待機カーソル、プリント環境設定に表示される Clarus the Dogcow がある (How Apple Keyboards Lost a Logo and Windows PCs Gained One (Apple キーボードからロゴが消え、Windows PC にロゴが登場したいきさつ) 参照) 。 彼女の Chicago フォントは、15 年間にわたって標準の Mac フォントだっただけでなく、初期 iPod のシステムフォントとして復活した。

Kare は後に、Steve Jobs に従って NeXT で働き、その後 IBMMicrosoft でも活躍した。彼女はそこで OS/2 のアイコン群や Windows 3.0 のソリテールカード、そして 90 年代にわたったほとんど変更されることなく利用されたさまざまな Windows システムアイコンのデザインを担当した。 彼女はその後、現在は GNOME で利用されている Linux ファイルブラウザ、EazelNautilus をデザインした。


コントロールパネルの進化

1986 年に発表された System 3 (下図) までには、システムソフトウェアがさらに複雑化してきたため、機能を説明するテキストレベルが加えられた。 時刻設定は独立したデスクアクセサリとしてスピンオフされた。


Leopard の環境設定

続く年の System 4 (下図) では、セクションへと分割されて、インターフェースの混雑が緩和され、時刻設定が全般セクションへと戻すことができるようになった。 新しいモジュール型インターフェースはまた拡張可能でもあった。


Leopard の環境設定

System 6 で Apple は、一度に複数のアプリケーションを実行できる MultiFinder を世に送り出した。 これによってデスクアクセサリの必要性は終わったかに見えたが、システムのサポートコンポーネントとして存続することになった。

デスクアクセサリは実は、アプリケーションの小型版としてではなく、システムドライバに実装されていた。 他のドライバ同様、デスクアクセサリは Mac System ファイル内のシステムリソースとして保存されていた。 Desk Accessories の追加や削除には、ちょうど Font リソースの場合と同じく、Font/DA Mover と呼ばれる特別なユーティリティが必要だった。 そして、一旦 System から削除されると、リソースは Suitcases と呼ばれる格納ファイルに保存することができた。


コントロールパネルの項目

1991 の System 7 では、コントロールパネルが改造されて、小さなアプリケーションのコレクションのように振る舞うようになった。 コントロールパネルは、ユーティリティを使ってインストールするのではなく、単に新しい System Folder 内に Fonts や拡張機能でシステムにパッチを当てるために利用される新しい Extensions といった他のシステムファイルと並んで、Control Panels ディレクトリに鎮座していた。


Leopard の環境設定

Control Panels フォルダ (上図) には、さまざまなコントロールが含まれ、これらは、ダブルクリックまたは Apple Menu から選択して起動するようになっていた。 そして起動すると、独自のウィンドウ内で独立したミニアプリケーションのように振る舞った (下図)。


Leopard の環境設定


Control Strip (コントロールバー)

Apple は System 7.5.3 で、Control Strip (コントロールバー: 下図) をリリースした。これは、コントロールパネルに表示される設定へのショートカットとして、主にラップトップユーザを対象に設計されたものだった。 このバーは、Control Strip Modules という、システムフォルダ内に独自のリポジトリを持つ独立したミニプラグイン群を利用していた。 各プラグインは、バーの一区画を占め、下の図のボリューム調整のように、通常はコントロールメニューをポップアップ表示するようになっていた。

コントロールバーそのものは、デスクトップ上のどこにでも置け、他のウィンドウの上にフロートさせることもできた。 右端のタグコントロールで、バー全体、あるいはその一部を表示したり隠したりでき、各コントロールにある矢印でそのモジュールの順番を入れ替えることができた。


Leopard の環境設定


コントロールパネルの肥大化

Mac のコントロールパネルは充実 (下図) していったものの、そのインターフェースは System 7 を通じてほとんど変わることがなく、Apple が名称を変更したその後のバージョンである Mac OS 8 や Mac OS 9 でもそれは同じだった。 これらのバージョンでは、新しい Copland スタイルの外観 (下図) を備えていた。


Leopard の環境設定


Leopard の環境設定


Leopard の環境設定


NeXTSTEP の Preferences

NeXT では、各環境設定を独立したミニアプリケーションとして分割するのではなく、Preferences (下図) 内にコンポーネントインターフェースを利用した。これは、System 7 以前に採用されたオリジナルの Mac デザインにより近いものだった。 個々のセクションは設定パネルと呼ばれていた。


Leopard の環境設定

Apple はもともと 1997 年に、Rhapsody という名称のもと、NeXT のオペレーティングシステムMac の外観をかぶせて再パッケージしようと目論んでいた。 Apple は、NeXT を Mac ユーザに親しみやすいものにしようと、個々の環境設定をリストとして表示し (下図上)、それを開くと、設定画面が独立したコントロールパネルのようなスタイルのウィンドウ (下図下) として表示されるようになっていた。


Leopard の環境設定


Leopard の環境設定


ページ 2 / 3: Mac OS X のシステム環境設定。

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