AppleInsider: Mac Office 2008 に向かって: インストールとインターフェース [Page 3]

Road to Office 2008: installation and interface [Page 3]

By Prince McLean

Published: Tuesday, November 13, 2007 09:00 AM EST


ガラスの見世物小屋

入れ歯のようなメニューをマウスでなぞると、ゆっくりと青い色で光る。 その歯の一つを選択すると、テンプレートのある Gallery が展開される。しかし、それからボタンが画面全体でアニメーション動作をし、テンプレート項目がその場でダンスする。 テンプレート上にマウスを合わせると、こうしたエフェクトが多少大げさになる。 Dock とは違い、このアニメーションは人工的でぎこちなく感じる。 その動きは、ウェブサイトに埋め込まれた Flash のような挙動を思い起こさせる。こうしたアニメ化されたインターフェースを一度だけ見ればすむのなら気分よく驚くことができるかもしれないが、光り、ズームし、飛び跳ねるといったアニメ化された挙動に毎日つきあうことになるのだ。

これは、ワードプロセッサや他の生産性アプリケーションには不適切ではないだろうか。 幸いにも、Vista にインスパイアされた Elements Gallery (入れ歯のようなメニューを除いて) のほとんどは無視できるし、Office スタイルのツールバーに自らを縛り付けておくこともできる。

これらツールバーアイコンも切替時にアニメーションが使われており、これまでの Office 2004 よりやや大げさになったものの、ハイパーアクティブ気味な Gallery ほどではない。 ツールバーをウィンドウタイトルバーに取り込んでいる Leopard の統一された外観と一致させるために、Office 2008 は Office ツールバーを同じような暗いアルミニウムフィニッシュで統一している。しかし、これがためにアプリケーション全体がとてもくらい印象になっている。

この暗い見た目は、ギラギラとしてキャンディーのような色で明るく白いハイライトの Gallery (下図) と隣り合わせになっているために非常に場違いな印象になっている。 この Gallery メニューでは、すでにすぐその下にある説明を繰り返すだけの「ツールチップ」もポップアップ表示する。


Office 2008


Office 2008


クルーゾー警部


AppleInsider が Office 2008 に向かってシリーズで 先に掲載した記事[和訳] では、iWork のインスペクターパネルによく似た新しい Office Formatting Palette について紹介した。 問題は、上部に並んだアイコンというアイデアをコピーしているにもかかわらず、独自のアイコンと機能を付与していることだ。このため、Apple のアプリケーションと本当の意味における共通性が全くなくなってしまっている。

MacBU がこれ以上 iWork のデザインに近づけようとしなかった理由は明らかだ。真似をしていると見られたくない一方、他方では、もしそうしてしまうと Word 内の伝統的な配列設定を大幅に変更しなければならないからだ。

ここで新しい Office 2008 パレット、Office 2004 からの先のバージョン、そして Keynote からの iWork Inspector を見てみよう。


Office 2008

一部洗練された項目を除いて、新しいパレットはこれまでの Office 2004 パレットと同じものだ。展開用の三角印の後ろに隠れた 6 種類ほどの設定項目の並び、そして新機能を格納したアイコンの並びが上部に置かれている。 参考文献のための引用マネージャウィンドウなど、なかには見た目がきれいなものもあるが、辞書、類義語、百科事典、そして翻訳セクションはすべてが一つのパネルに押し込められているなど、他はそうでもない。 (Mac OS X はすでにシステムワイドな辞書を持っているが、 Microsoft は独自のものを使う選択をしている。)

MacBU は、Mac OS X の新しい Dictionary 2.0 に対応したプラグインを利用可能にしてから、Microsoft Encarta 百科事典を加えることもできたはずだ。 Palette のもう一つのセクションには Scrapbook があるが、こちらも同じく Dashboard ウィジェットとして利用可能にできたはずだ。 しかし実際には、これも Office 内部に葬られているため、Microsoft は顧客に提供できたはずの価値を損なっている。

さらに奇妙なのは、Office Palette が Dashboard ウィジェットのようにくるりと回転して、独立した半透明の黒いウィンドウになって設定できるようになっていることだ。 Office 2008 のベータでは、パレットを回転させることで他のウィンドウまでもがぎくしゃくし、再描画され、いくらか野暮ったい効果を醸し出していた。


Office 2008

反転した側には、そのパレットが一定時間利用されなかった際の設定を行えるようになっている。 標準手は、上に巻き上げられてアイコンバー収まるようになっている (下図)。 これは完全に独自のヒューマンインターフェースデバイスだ。


Office 2008


アップグレードの価値は?

MacBU は、この休暇期間を利用して Office 2008 のリリース時期である 1 月中旬までに、パレットなどの一部要素を改良して、もっと滑らかに動作するようにすることは可能かもしれない。しかし、Office の本当の課題は、デザイン上の妥協でもバグでもないようだ。

ただ同時に、Office for Mac に代わるオプションが数多くある訳でもない。 Apple のよりシンプルな iWork は、一部のユーザにとっては魅力的かもしれないが、Microsoft Office で提供されている機能をすべて備えている訳ではない。 NeoOffice といった代替製品も深刻な問題を抱えている。 1 月までに実現されているであろう Office 2008 の安定度によって、今回のアップデートがバグの多き失敗作であるか、やや過剰なインターフェース機能の付いた確かなアップデートか、という評価に大きく影響してくるだろう。

ユーザーインターフェース以外の部分では、Office 2008 は Intel Mac のための Universal Binary サポートを実現している。これは、2 年という遅れを考慮しても、重要なステップだ。 これだけでも Mac Office ユーザが 1 月にアップグレードするのに十分な理由かもしれない。 では、Office の新機能についてはどうだろう?  AppleInsider がお送りする次の記事では、Word をより深く見ていきたい。

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