AppleInsider: Mac Office 2008 に向かって: Word '08 vs Pages 3.0

Road to Mac Office 2008: Word '08 vs Pages 3.0

By Prince McLean

Published: Wednesday, November 14, 2007, 10:00 AM EST


1 月中旬に予定されている Office 2008 リリースでは、生産性スイートの外見と機能に大幅なオーバーホールが施されている。 これまでの記事では、MicrosoftMac Business Unit の前に横たわる課題について取り上げた。 その課題とは、アプリケーションの新しいスイートに、Windows 側の機能を搭載しつつ、その外見と挙動は Mac ユーザにとって魅力的であるようにする、というものだ。 ここでは、Word 2008 の特定の新機能を、AppleiWork に含まれている Pages 08 と一部比較しながら、より詳しく見ていくことにする。


Word 2008 の誕生

一般的に Office 2008 のもっとも魅力的な機能の一つは、Universal Binary として登場することだ。 それが意味するのは、PowerPC 用コードを Intel プロセッサ用で実行するためにマッピングする Apple の Roseta 変換テクノロジーに頼ることなく、Office が Intel Mac 上でネイティブに動作するということだ。 これは、Word や他の Office アプリケーションがどの程度高速に起動し動作するかに影響するはずだ。

初期のテストから、Office 2008 は、Intel システム上での起動時間およびパフォーマンス全般において大幅に改善されているものの、PowerPC Mac ではほとんど改善がないようだ。 初期ベータでは正確なパフォーマンス評価は難しいものの、Intel Mac での差は、特に Word ですでに非常に大きく、安定性および進歩という面で Office 2008 を先導するもののようだ。 なかでも、Word 2008 は動的なウィンドウのサイズ変更に対応でき、これは新しい Excel や他のコンポーネントではまだ実現できていないものだ。

忘れているかもしれないが、Word 2004 や他の既存の Office スイートは、サイズ変更中には再描画できないのだ。こうしたアプリケーションができるのは、クラシックな Mac System 7 の時と同じように、サイズ変更中のアウトライン描画のみなのだ。 すべてのモダンな Mac OS X アプリは、動的に再描画でき、TigerQuickTime 7.0 に至っては再生中にも同じことができる。 できることなら、Office 2008 スイートの他のコンポーネントも、Office のリリースが予定されている今冬終わりまでに、Word に追いついてほしいものだ。

Office のコードの一部は、20 年以上も前のもので、2001 年に Office v.X に Carbon 化されて以来の、もっとも大掛かりなリニューアルになる。 これら新しい変更によって、一部機能が異なったり、無くなったり、新たに加えられたりしている。

Office 2008 の新機能のなかに、Mac OS XQuartz Graphics を利用した、新しい透明表示などのグラフィクエフェクトがある。 先の Office 2008 に向かって: インストールとインターフェース[和訳] で解説した Elements Gallery は、ウィンドウがアクティブな時には微妙な半透明表示だが (下図左)、ウィンドウが非アクティブ状態の場合は、その後ろにあるデスクトップアイコンがハイライトされているように、ほとんど透明になる (下図右)。


Word 2008

新しい Word とは対照的に、Pages 08 はすでに Universal Binary になっており、何の躊躇いもなく起動・実行できる。 また、Mac OS X 10.4 Tiger が登場する直前である 2005 年に初登場したこともあり、レガシーなコードが一切ない。 Pages は現在バージョン 3.0 だが、Claris and the Origins of Apple iWork (ClarisApple iWork の起源) でも指摘されているように、Office の前回のリリースよりも新しい。 Pages が、どの程度新しい Word に肩を並べるのか、次の Word 機能の概観で見ていこう。


Word をはじめてみる

Word 2008 で一番始めに気づくのは、起動時に開く Project Gallery にある。 これまでの Word 2004 (下図) では、新しい通常のドキュメントを開く、新しいノートを作成する、あるいはウェブページの作成を開始するというオプションが提供されていた。 さらに、他の Office アプリを利用してドキュメントを作成するオプションも提供している。これは、ユーザが PowerPoint プレゼンテーションを作成するつもりで Word を起動してしまった時のようなためのものだ。 また、既存のバージョンの Word では、様々なタイプのドキュメントを作成するためのテンプレートだけでなく、封筒やラベルを作成するためのウィザートが表示される。これらどちらも、左側のグループセクションに表示されるが、テキスト表示のなかにある意味埋もれてしまっている。 また Word 2004 で提供されているテンプレートは、あまり使い物にならない。


Word 2008

Word 2008 では様々な改善が施されている。 新しい Word では、ウェブページの構築をできるようにするのではなく、メモ作成用にデザインされた音声注釈付きメモ帳ドキュメントを開始できるようになっているなど、標準のワープロドキュメントの作成やレイアウトプロジェクトの出版に焦点が置かれている。 テンプレートは依然として埋もれているののの、よりプロフェッショナルな見た目になっているようで、新しいドキュメントを作成する出発点としては便利かもしれない。 この新しい Project Gallery (下図) は、そうした点があまりはっきりしないものの、Elements Gallery を利用して Word 内から選択できるようになっている。


Word 2008

Office Project Gallery は、新しいドキュメントを作成する際には標準では開かない。 これとは対照的に、Apple の iWord に含まれる Pages 08 は、標準では空白ドキュメントを開くようになったテンプレートをグラフィカルに表示して、類似の、しかしより洗練されたインターフェースを表示する (下図)。 このテンプレート選択ウィンドウは、単に空白ドキュメントで作業を開始したいユーザのために、Pages でも Word でも簡単に無効化できる。


Word 2008


ワードプロセッシング vs ページレイアウト

Word 2004 には 4 種類の表示モードがあった。 文字ベースの標準表示は、印刷時に目にするようなページを描画できるほどの馬力をコンピュータが備えていなかった時代からのもので、分離したページレイアウト表示は、ページ上にフォーマットした際に実際にそのドキュメントがどう見えるのかをプレビューできるようにするためのものだった。 その他の 2 種類の表示は、アウトラインおよびノートレイアウト表示として特別なフォーマットを提供している。`

Word 2008 では、ページレイアウト表示がプリントレイアウト表示へと名前が変わり、新しい出版レイアウト表示が追加されている。 この新しいモードでは、ページ上の段にテキストを配置するためのテキストボックス、ガイドルーラー、マスターページ、項目は一ツール、といった馴染みのページレイアウトツール、そして、 Word をこれまで一度も Mac で提供されたことがなかった Microsoft Publisher の領域へと押し上げる他の機能が提供されている。

出版レイアウト表示では (下図)、ドキュメントが木目調の背景の上に置かれているように表示され、ルーラーがタブベースのワードプロセッサ用ルーラーから上部と左側に表示される位置決定用ルーラーに変化する。 このモードではまた、AutoShapes (後述) というドロップダウンメニューのある混雑したツールバーと罫線、拡大・縮小用の拡大鏡ツール、そしてアイコンによる配置とグルーピングのためのメニューも表示する。


Word 2008

この表示では、Elements Gallery の選択肢として、パンフレット、チラシ、プログラム、メニュー、そしてポスターを作成するための Publication Templates が表示されるが、ベータ版では合計でたった 9 種類のテンプレートしか収められていない。 また、「テンプレートをクリックして文書に適用」するというのはやや分かりにくく、結局、替わりに新しいドキュメント用のウィンドウを開くことになってしまう。 既存のドキュメントにテンプレートページを挿入するのかが不明なのだ。 「新しいページ」を選択すると、コンテンツのない関連する背景をもつテンプレートが追加できる。ところが、そのページの見た目を変更したり、替わりに利用したい特定のテンプレートページ選択することができないのだ。

対照的に Pages では、提供されているテンプレート群から作業を開始でき、Pages ボタン (下図) から、先に選んだテンプレートスタイルと同じ追加ページか、そのスタイルをベースにしたバリエーションを選べるようになっている。


Word 2008


ページ 2 / 3: ページ上での編集作業: AutoShapes; そして Words ための言葉を使う

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