AppleInsider: Apple の 3G iPod shuffle レビュー: 大きすぎた一歩?

Apple's 3G iPod shuffle reviewed: a step too far?

By Aidan Malley

Published: Saturday, March 21, 2009 06:50 PM EST


iPod shuffle は、その価格とデザインにおける同社の哲学を体現するものとして Apple のラインアップにおいて一風変わった役割をはたしてきた。 しかし、その第 3 世代バージョンが世に出た今、Apple はそのもっとも廉価なメディアプレーヤーの次の一歩をどこに踏み出したものか確信を持てないでいるのではないかということが明らかになった。


iPod shuffle の歴史

Apple が 2005 年 1 月にはじめて iPod shuffle を披露したとき、それはデジタルミュージックの本質から霊感をえていたようだった。 ほとんどの人は、どのようなデジタルミュージック・プレーヤーでもスクリーンがあるものだと当たり前のように考えていたし、非常に低価格なプレーヤーでもこれを受けて、2 〜 3 行は表示できるようなディスプレイと豆粒のようなコントロールボタンを備えていた。 しかし Apple はここでギャンブルに出て、人はラジオを聴くようにランダムに音楽を聴くことを厭わないはずだと考え、制限はあるもののフルサイズのコントロールを備えつつ、サイズや価格はそのままに据えたデバイスをつくりあげた。

その結果、当初から iPod のなかでも最小のモデルとして、常に少なくともそこそこの成功を収めてきた。 そして時にはジムやジョギングのための理想的な選択肢となった。デバイスはほとんど気づかないくらいに小さく、壊れるようなスクリーンもないため、これまでの 4 年間にわたって思いがけず、持続的な人気を博してきた。

2006 年 9 月に発表された第 2 世代の iPod shuffle は、当時カルト的な支持をあつめた。 ディスプレイを求める人々をなびかせることはなかったものの、機能的には「完璧」と呼んでも差し支えないものだった。非常にコンパクトで、スクリーンのない、エレガントにまとうことができるプレーヤーという目標を達成していたからだ。 同社のその顧客がそのモデルを気に入っていたことから、Apple はそのデザインをほとんど手つかずのまま 2 年半にわたってそのままにした。 容量を増やし、カラーバリエーションを変更する以外、その公式を崩すことなく Apple は現実的になにができたというのだろう? 

そして、ここにこそ、iPod shuffle が登場するにいたった理由のもう半分が隠されているのだ。 つまり、それはマーケティング的な決断でもあったのだ。 Apple CEO の Steve JobsiPod shuffle を披露した Macworld の基調講演のなかで、ローエンドのフラッシュプレーヤー市場を征服するためのプレーヤーが必要だとし、以降、shuffle のデザインは常に、購入可能な iPod のなかでももっともシンプルで廉価なモデルとしての役割によって左右されてきた面があった。 皮肉なことに、このモデルはおもに購入者が iPod nano へと関心をむけるために存在したようなものだったと言うこともできることだ。iPod nano であれば、価格面でもそれほど競争は激しくなく、顧客を iTunes Store の音楽やビデオを購入するように呼び込むこともより簡単だったからだ。


iPod shuffle の包装

したがって、第 3 世代の iPod shuffle は、初期のコンセプトスケッチが完成する以前から Apple に問題を突きつける運命にあったとも言えるのだ。 デザインが完成の域に達した今、安い価格はそのままに、なにか目新しいものでリフレッシュして関心を保ち続けなければならないとしたら、あなたならどこに向かうのだろう? 「less is more」に導かれた企業がたどり着いた答は、ミニマリズムだった。そして、ほどなく私たちが目にするように、それは良くも悪くも、新 iPod のあらゆる面に見て取れる。


次のページへ 次のページへ