AppleInsider: Apple の 3G iPod shuffle レビュー：大きすぎた一歩？ [Page 3]

Apple's 3G iPod shuffle reviewed: a step too far? [Page 3]

Published: Saturday, March 21, 2009 06:50 PM EST

インターフェース：二歩すすんで、二歩さがる

だいたいにおいてミュージックプレーヤーにリモコンを求めて声を上げるのはエクササイズを楽しむ人々なのだが、Apple は iPod shuffle においては、常にこの問題にかなりもってまわったアプローチをしてきた。同社は、リモコンを生産する替わりに、プレーヤーを小さくウェアラブルにし、リモコンが収まるだろう場所にプレーヤーが収まるようにした。

今回の第 3 世代モデルで Apple は、リモコンが必要なタイプにしたものの、それをどう使うのかほとんど学習が必要ないものにした（訳注：訳が不確か）。新しい iPod の標準のコントロールは、ハイエンドな iPod In-Ear Headphones など、公式なオプションとして提供されているセットとして提供されているインライン・リモートとほとんど瓜二つで、そこから明らかに必要のないマイクロフォンがなくなっただけだ。両モデルは、同じコントロールを共有してさえいる。シングルクリックで再生・一時停止、ダブルおよびトリプルクリックで進む・戻る、そしてボリュームボタンはその両サイドに配置されている。そこに多少手が加えられて、進む・戻るコマンドの端にあるクリッカーをホールドすることで早送りと巻き戻しができるようになっている。

それ以外にいっさいなにもなければ、非常に便利だ。 iPod を手が簡単にとどくような場所に置いておかなくてよくなったし、プレーヤーを普段とは逆につけてコントロールが上下逆さになって困ることもなくなった。

新しい iPod の呼びものは、しかし、VoiceOver と名付けられたコントロールスキームの追加だ。シングルクリックしてホールドすると、トラックタイトルが読み上げられ、そのままトーンが再生されるまでホールドし続けると、名前が読み上げられているプレイリストから曲を選べるようになっている。奇妙な選択方法だが、複数のプレイリスト、ポッドキャスト、そしてオーディオブックさえ扱える、初の画面なしのミュージックプレーヤーとしてはうまくまとまっている。これは、全世代のモデル（君のも間違いなく含まれているはずだ）で、違うミックスや音声オーディオが欲しい場合には、そのたびにデバイス設定を変更しなければならなかったユーザにとってみれば、ちょっとした安心以上のものがある。

たとえそうだとしても、VoiceOver とリモコンのみのコントロールでは、一歩前進であるとともにほとんど後退のようにも感じられる。はっきり言ってしまうと、このリモコンでは、ものごとはシンプルになるどころかかえってややこしくなってしまうのだ。第 2 世代のモデルであればシングルクリックですんでいたことが、今度は 2 〜 3 クリック必要だからだ。このコントロール方法は、iPhone のオーナーや、9 月以降に発売された Apple のより新しいヘッドフォンのどれかを購入している人にとっては馴染みかもしれないが、Apple がスマートに処理しようと作成した詳細なコントロールマップが、一部逆効果になってしまっている。

VoiceOver もまたぎこちない実装になっている。 Apple は、iPod がプレイリストに移る前にトラックタイトルをすべて読み上げることしてしまったため、普段以上に長時間待たなければならない。これは単純にあんまりだ。ユーザーのほとんどは自分の iPod にどんな曲が入っているかはすでに知っているはずで、なぜエクササイズ用ミックスや好きなアルバムを聴きたいと思うたびにそれを思い出させてもらわなければならないのだろう？　

さらに、インターフェースもポッドキャストを扱うにはあまりスマートな作りにはなっていない。 Apple は、ポッドキャストそれぞれに独自の仮想プレイリストを付与するのではなく、すべてを単一の「ポッドキャスト」セクションに放り込んでしまい、それらを曲のように扱う。つまり、ポッドキャストを同期時に決めた順番で再生するか、ランダムに再生するしかないのだ。この仕組みでは、与えられたポッドキャストに複数のエピソードを入れることは無理で、一回につき一つ以上のポッドキャストを再生する気が失せてしまう。ソフトウェアデザイナーは、一回のポッドキャストの直後で再生を停止するための配慮さえせず、プレーヤーに保存された最初のポッドキャストの頭に必ずもどる仕組みになってしまっている。

このようなわけで、iPod shuffle は未だに、シンプルな全か無かの音楽を念頭においたプレーヤーのようにしか感じられないのだ。同モデルは、「完全にランダム」よりもっと複雑なリスニング嗜好をもつ人にとってはありがたいかもしれないが、同時にきわめて重大な厄介ごと（まったく許し難いというものでもないが）も持ち込まれており、複数のリスニングスタイルを切り替えるという問題たいする本当の意味での解決策にはなっていない。このモデルをもっとも楽しむことができるのは、第1、第 2 世代のモデルをランダムなジュークボックスとして使っていた人たちで、これではちょっとポイント外れの状態だ。

次のページへ前のページへ