AppleInsider: Apple の iPad の内側: Adobe Flash
原文: Inside Apple's iPad: Adobe Flash
Flash 未対応は iPad の傷となるか?
Flash をめぐる Adobe の言い分は、モバイルの領域ではなかなか支持できるものではない。 iPhone はデビュー以来 Flash をサポートしていないにもかかわらず人気を誇っている。 Apple のスマートフォンは、携帯電話のウェブブラウザーにおけるカスタマーの要求度を劇的に引き上げた。 Flash なくしてこれをすることで、Apple は実質的に、少なくともモバイルデバイス上ではウェブがどう見えるべきなのかを再定義してしまった。
2、3 のモバイルデバイスはデスクトップ PC 用にデザインされた Flash コンテンツを表示できる。が、iPhone 登場前の Adobe 本来のモバイルデバイス向け Flash 戦略は Flash Lite だった。 この Flash ランタイムのサブセットは過去の Adobe Flash 7(MX 2004)と ActionScript 2.0 バイトコードをベースにしており、これは同社のより新しい Flash 9/10(ActionScript 3.0 バイトコードを使用)とはまったく異なったものだ。
デスクトップ上での Adobe は、古いレガシー Flash とよりモダンなコンテンツの両方を実行するために二つのエンジンを含めているだけだ。 これはモバイル環境では可能でもないし望ましくもない。というのもこうした環境での Flash ランタイムはデバイスの限られたプロセッサーやメモリーリソースを尊重しなければならないからだ。
Adobe は基本的に、各モバイルプラットフォームに本物の Flash ランタイムを持ち込む作業をすることなくモバイルデバイスで Flash を再生できるようにと Flash Lite を送り出したのだ[和訳]。 同社は単に Windows PC 上の Flash と Mac OS X 上のそれとを同時にサポートするだけでも困難な時を過ごしており、Linux、PlayStation 3 の NetFront ブラウザー、Wii の Opera ブラウザー、そして複数の大手携帯プラットフォームは言わずもがなだ。
Adobe は近くすべてのデスクトップとモバイルプラットフォーム(Blackberry と iPhone、iPod touch、iPad を除く)に対応した ActionScript 3.0 バイトコードのサポーとともに Flash 11 を送り出したいとしているが、実際のところ、もっとも成長著しいモバイルプラットフォームともっとも人気の高いスマートフォンプラットフォーム二機種に対応していないということは間違いなく問題になるだろう。というのもコンテンツを作成する開発者らは、Adobe のテクノロジーを使っても上位のモバイルプラットフォームにリーチできないからだ。
iPhone が Flash をサポートしてないということもその人気にはまったく影響を与えておらず、他のプラットフォームが熱心に Flash を擁護しているとしても、むしろモバイルデバイスにおける Flash の重要性を損なう上で大きな役割を果たすことになってしまっている。 同時に、他のプラットフォームの開発者らが Flash を利用してこうしたモバイル利用者にリーチしても、Android、Symbian、Windows Mobile などに対しては替わりにネイティブソフトウェアを作成してそうするだろう。 これはまた Apple にも味方することになる。というのも同社は自社の iPhone App Store でライバルのはるか先を行くからだ。