AppleInsider: Apple、初の HDMI 装備 Mac を準備中 - 消息筋

原文: Apple prepping first Macs with HDMI - sources

By Kasper Jade and Prince McLean
Published: Monday, March 1, 2010 10:45 AM EST
Apple は、高品位オーディオ・ビデオインターフェースがライバルの PC メーカーからのシステムに搭載されることが多くなってきたトレンドを受けて、今年自社のパーソナルコンピュータに HDMI 接続を導入する計画であることを AppleInsider は突き止めた。

Mac mini に見つかった HDMI
より具体的には、新しい Mac mini -- Apple の最小でもっとも手頃なシステムで、Mac 上級者や即席のリビングルームメディアサーバーとして採用されることが多い -- のプロトタイプで、従来型の DVI コネクターがあった場所に HDMI ポートが備えられている、とこの話題に詳しい二人の人物が語っている。
このポートは mini DisplayPort コネクターの横に据えられており、Mac で完全な機能を備えた HDMI 接続の初めての例となる。 それはまた、同社の か弱い Apple TV ストリーミングメディアデバイスに続く製品ともなる。 外見的にこの Mac mini は、それ以外の面では現行モデルとまったく同じと言ってよく、それ以外の変更は筐体に認められない。

HDMIMac について少々
HDMI(High-Definition Multimedia Interface)は、ホームシアターでの利用を想定したケーブル規格で、コンピュータを念頭においた DVI(Digital Video Interface)規格の上に構築されている。 DVI で使われているような比較的大きなものではなく、コンパクトで平らなコネクターを使用している。 電気信号のレベルでは DVI と後方互換性があるため、DVI 出力を備えたコンピュータは物理的なアダプタを利用するだけで HDTV といった HDMI ディスプレイを動かすことができる。
Apple の最近の Mac はすべて標準的な DVI ポートか、より新しく互換性のないビデオシグナルプロトコルである DisplayPort に加えて DVI シグナルを送り出すようにデザインされた Mini DisplayPort コネクターを備えている。 こうすることで、どちらのポートを使っても、変換ドングルを使えば HDMI にビデオ出力を簡単に送り出せるようになっているのだ。
しかし、HDMI 規格はまたオーディオもサポートしている。これは DVI ではできないことだ。 Mac(あるいは PC)の DVI(つまり当然のことながら現行の Mac Mini DisplayPort)コネクターではオーディオ信号が与えられていないため、オーディオとビデオの両方をシンプルな一本のケーブルだけで Mac から HDMI TV に送る手法は現時点ではない。

Mac mini
Apple の現行の Mac mini では、ユーザーがビデオ出力のために DVI か mini DisplayPort かを選べるようになっている。
Apple TV だけが HDMIネクター機能を備えて、オーディオとビデオ信号の両方を HDMI ディスプレイに送れるようになっている。 新しい MacHDMI ビデオコネクターを備えることで、ユーザーはオーディオ接続のために別途ケーブルを用意したり複合ケーブルを使うことなく、一本のケーブルで自分のコンピュータを HDTV につなぐことができる。

Mac mini
Mac mini の未発表版は、DVI ではなく HDMIネクターを備えていることが目撃されている。

Nvidia の MCP89 を搭載した Mac mini プロトタイプ
このハードウェアに詳しい人々が語ってくれた Mac mini プロトタイプのうちの少なくとも一種類に Nvidia の MCP89 チップセットが搭載されているとのことだ。このチップセットは、Intel Core 2 Duo プロセッサーとならんで Apple の現行の Mac 製品ラインに幅広く見受けられる現行の MCP79(つまり GeForce 9400M)チップセットの後継にあたる。
しかし、 IntelNvidia との間で 進行中のライセンス問題 が原因で、Apple(ならびに他の PC メーカー)は Nehalem ベースの最新世代の Core i3 や i5、i7 プロセッサーとともに MCP89 対応のチップセットを使えないでいる。 そのため今回の例が示しているのは、Apple は引き続き現行の Core 2 Duo(Nehalem の前の)プロセッサーを来る Mac mini のリフレッシュの部品として採用するかもしれないということだ。
それとは別に、件の Mac mini プロトタイプは IntelNvidia との間の紛争が起こる前に開発されていたもので、新しい Nvidia チップセットを見合わせて Intel を優先した後継のプロトタイプなのかもしれない。もっともこうした見方を支えるような証拠はいっさいないが。

他の Mac に向けた HDMI
Mac miniHDMI ポートを加えるというのは、ほとんどトレードオフがないために割合に些細なことであるのに対し、Apple のノートブックのラインでは必ずしも同じことが言える訳ではない。こうした製品ははるかに小さなフットプリントで、他の I/O ポートを加えると限られた面積しか残されていないからだ。
しかし、Apple の研究所に漂っている別の製品に、Apple がもともと開発したプロプライエタリな mini DisplayPort から HDMI へのアダプターというものがあり、最新の iMac リフレッシュとともに出荷されることになっている、と状況に詳しい人々は語っている。 また同製品には、mini Display ポートから HDMI アダプターに、ビデオだけでなくビデオとオーディオを送信できるようにアップデートされた mini DisplayPort 規格でを備えた Mac を出荷できるようにしたテクノロジーも含まれているという。

Mac mini
市場に出回っているさまざまな mini DisplayPort ー HDMI アダプターのひとつはオーディオ信号を送信しない。
理想的には、このアダプターとともに Apple がハイエンドの iMacBlu-ray ドライブを搭載する方向に動いてくれること(そして BTO オプションで他のモデルにも提供すること)で、このオール・イン・ワンデスクトップを大画面の HDTV につないで、Blu-ray ドライブと iTunes の高解像度ビデオコンテンツに梃入れできるようにすることだ。 しかし、昨秋 Apple による iMac ラインから Blu-ray を削除する という土壇場の決断によって、このアダプターにはまだ覆いがかけられたままとなっている。 そのため、同社のノートブックラインの将来のアップデートに付随するソリューションとして登場する可能性はある。

Blu-ray ブルース
AppleiMac ライン(ならびに Q&A テストを受けている他の Mac)から Blu-ray を切り落とすことにしたのは、いくつかの要因が原因になっているという。 問題のひとつは、Apple 幹部 -- Jobs を含む -- がこのテクノロジーが市場で生き残れると考えている時間に比べて Blu-ray のライセンス料が高すぎることだ、とこの問題に詳しい人々は語っている。 また、ソフトウェアとハードウェアに関連した問題があり、それらを克服するにはあまりにも多くのエンジニアリングコストがかかるのだとされている。

まだ読んでいないなら
関連ニュースとして AppleInsider は今月初め、Apple が今年にも発表するプロフェッショナル向けの MacBook Pro ラインで 高度なグラフィックの自動きりかえ[和訳] を導入しようとしていることについて報じている。