AppleInsider: 詳細レビュー: Apple の iPad と iPhone OS 3.2 [Page 3]

原文: In-depth review: Apple's iPad and iPhone OS 3.2 [Page 3]

By Daniel Eran Dilger
Published: Friday, April 9, 2010 11:05 AM EST

iPad ハードウェア: Bluetooth ネットワーキング
新しいキーボードサポートの他には、iPad での Bluetooth 機能について言うことはそれほど多くはない。 iPhone と同じ Bluetooth 2.1 + EDR 仕様で提供されている。今後登場する同標準のバージョン 3.0 では、高速かのためにそのネットワーキングスタックを WiFi の無線技術とペアリングするようになっているが、 いずれにしても AppleiPhone OS での Bluetooth のポテンシャルをほとんど利用しておらず、Bluetooth 3.0 への関心もほとんど持っていないように見受けられる。
There's no support for iPhone がすでにサポートしていないその他の Bluetooth プロファイル(同標準の A2DP ステレオヘッドフォンや通常のモノラルヘッドセットなど)はいっさいサポートされていないし、iPhone 3.0 ですでに導入された機能(同じ WiFi ネットワーク上にいなくとも近隣のプレーヤーを見つけるためのマルチプレーヤーゲーム機能など)以外の新機能は見受けられない。
iPad には、例えば Bluetooth によるファイル共有やプリント共有などもない。もっとも、同社の iWork サポートドキュメントに「iPad では印刷はサポートされていません」ではなく、「iPad からの直接印刷は現時点では利用できません」となっていることから、AppleiPhone 4.0 で印刷のためのサポートを追加してくる可能性はある。

iPad ハードウェア: WiFi ネットワーキング
iPadiPhone と同じように WiFi をサポートしているが、iPadWiFi サポートは高速な 802.11 n ネットワークであり、これはただより高速というだけでなく、より幅広いレンジでより少ない干渉の可能性を秘めている。というのも、ほとんど使われていない 5GHz バンドで設定できるからだ。
私は iPad を自分が使っている「n オンリー」な 5GHz Time Capsule WiFi ネットワークにまったく問題なくつなげることができた。ただ、その接続レートは 150 mbps のみに限られているが(私の MacBookiMac では利用可能な両方のバンドを使って接続でき、理論的に 300 mbps で接続できる。下図参照)。 しかし 150 というスピードであっても、iPad は802.11 a/b/g 互換ネットワークに接続し、理論最大値でも 54 mbps にしかならない iPhone よりもはるかに高速だ。
iPhoneiPod touch の将来のバージョンでも 802.11 n ネットワークへのハードウェアサポートを追加してくるだろうが、ソフトウェア的に遡及的サポートを実現することはできない。
WiFi iPadiPod touch と同じように、ほんとうの意味での GPS は持っていないことに留意してほしい。ロケーションサービスに WiFi 三角測量を利用しているだけで、正確さに劣る。 iPad の 3G バージョンには iPhone と同じような GPS が提供される。というのも、この機能はモバイルチップセットに関係しているからだ(3G モバイルネットワークは GPS 情報の計算を補助するために使われている)。
一部の iPad ユーザは手持ちの他のコンピュータやモバイルデバイスと比較して、新しいデバイスWiFi 受信が弱かったり不安定だったりという問題を報告している。 わたしのテストでは、WiFi 受信にまったく問題なかった。
しかし、無料の Speedtest.net を使ってネットワークスループットをテストしてみたところ、iPhone アプリでは同じ 802.11 g ネットワーク上に表示されたものの、iPhone 3GS のほうがやや iPad よりもダウンロードで勝ってた(ただしアップロードでは違った)。 より高速な 802.11n ネットワークに接続すると、iPad では大きく伸びたものの、g(54 mbps)と n(150 mbps)ネットワークの理論値での比較から可能だと想像できそうな三倍にまで伸びるということはもちろんなかった。

iPhone vs iPad WiFi スピードテスト
電子メールの送信や地図やウェブの閲覧といった実際のネットワークパフォーマンスでは、iPadiPhone よりもはるかに速く感じられた。これはその大幅に高速化されているプロセッサや RAM アーキテクチャによるところが大きいだろう。

iPad ハードウェア: ビデオ出力
既存の iPhoneiPod touch と同じく、iPad は同じ Apple コンポジットまたはコンポーネントビデオケーブルを経由して、およそ 480 本の解像度で標準画質のアナログビデオを表示できる。
ところが iPad の新しい VGAネクターオプション(iPad を除く)では、PC スタイルのビデオを 1024x768 というデバイスのネイティブ解像度で送り出すことができる。 これまでの iPhoneiPod モデルには、この新しい VGA ケーブルとの互換性がない。というのも、両者は自らが表示できるものよりも高い解像度の出力をサポートするような設計にはなっていないからだ。 この VGA 機能は水平モード出力のみをサポートしている。
iPad にこの新しい VGA 出力オプションが備えられているのは、主にビデオプロジェクターをサポートするためであり、これによってビジネスユーザーは Keynote プレゼンテーションを直接デバイスから表示できるようになる。 Apple ストアの宣伝文句によると、それはまたユーザが映画や写真スライドショーも外部モニターや(VGA 入力をサポートする)テレビで見られるようにデザインされているのだという。
アプリは VGA 出力を利用するために明示的にデザインされていなければならず、開発者らは単にタブレットの出力を外部ディスプレイにミラーリングするのか、Keynote がそうであるように(同アプリの場合、実際のプレゼンテーションを出力しつつ、iPad の画面には発表者用のメモを表示する)、何か異なるものを表示させるのかを選択することになる。
バンドルアプリのなかで VGA 出力をサポートしているのは Photos、Videos、そして YouTube だけだ。 Photos は現時点ではスライドショーしか表示できず、再生中に iPad 上でスワイプして先に進んでしまうと、VGA 出力側ではそれ以前の写真で止まったままになってしまう。 Videos と YouTube では実際の動画しか表示されず、インターフェースコントロールは表示されない。 VGA 経由で YouTube ビデオを再生すると、iPad 上の再生はストップする。
つまり、ブラウザや Maps を VGA プロジェクターで映すことはできず、開発者がオプションとしてサポートするという選択をしない限り、ゲームを外部ディスプレイでプレイすることは叶わない。
ただし、これはまた、ひとつの iPad を使って共有された外部スクリーンをコントーロして、各プレーヤーは自分の iPad 上で自分だけのゲーム画面を見ながらプレーする(例えば、カードゲームで自分の持ち手を表示したり、Scrabble で自分の文字を表示したり、あるいはチームベースのファンタジーアドベンチャーゲームで個人コントロールパッドを表示したり)という、非常におもしろいマルチプレーヤーゲームの可能性も開かれている。
この 29 ドルの VGA アダプターは現在購入できるようになっている。AppleInsider では別途これについてレビューをお届けする予定だ。

ページ 4 / 10: iPad ハードウェア: その他のアクセサリー;そして iPad ハードウェア: その他の iPhone 機能。

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