AppleInsider: 詳細レビュー: Apple の iPad と iPhone OS 3.2 [Page 2]

原文: In-depth review: Apple's iPad and iPhone OS 3.2 [Page 2]

By Daniel Eran Dilger
Published: Friday, April 9, 2010 11:05 AM EST

iPad ハードウェア: バッテリー
その大きなスクリーン背後にある比較的大きな量のスペースのおかげで、iPadiPhone の 5.5 倍の容量を持つ大きいなバッテリーパックを備えている。 そしてその大きく明るいディスプレイにもかかわらず、同デバイスは非常に効率的に電力を消費する。
デスクトップオペレーティングシステムが電源管理テクノロジーを組み込んでノートブックで動作するようにしているのに対し、AppleiPhone OS はできる限り少ないエネルギー消費となるようにゼロから構築されている。 これによって iPad は、Windows XP/Vista/7 を実行するネットブックよりも、効率性においてはるかに強力なスタート地点に立つことになった。
最近の Apple がビルドするあらゆるものと同じく、iPad にはユーザによる交換可能なバッテリーは搭載していない。 しかし、iPodネクターを備えたデバイスという巨大なインストールベースで動作するように設計された外部のバッテリーパックや充電デバイスが数多くあり、その多くは iPad でも動作するはずだ。
このデバイスiPhone よりも充電(そして高速充電)の際に多くのパワーを必要とし、それがためにより大型の 10 ワットアダプタと共に出荷されているのだ。 また Mac や PC の USB ポートに接続している時には「充電していない」という通知も表示される。
このメッセージは、当然のことながら画面がオンになっている時にのみ表示され、同デバイスにはディスプレイを表示するだけのパワーはあるものの、そのバッテリーを充電できるだけの充分なパワーがないことを意味している。 画面をオフにして、 USB が 5 ワットを供給できる「ハイパワー」仕様になっている場合、充電ができる。 専用の充電器につなげば、最速で充電ができる。
さまざまなレビューで指摘されているように、標準設定であるかなり明るい画面を暗くせずとも、このデバイスは映画再生時でも軽く 11 〜 12 時間をクリアする。

iPad 充電表

iPad ハードウェア: キーボード
従来の iPhoneiPod touch と比較して、iPad とその iPhone 3.2 ファームウェアは、タッチタイピストを喜ばせるにはいたらないものの、大幅に使いやすくなった仮想キーボードを表示する。
それが優れているのは、主に、キーがより大きくヒットしやすくなったためだが、それでも仮想的なものでしかないので、タイプする際にはキーボードを目で見る必要がある。 一段落程度であれば OK だが、画面でタッチしながら長いドキュメントを入力したいとは思わないだろう。 しかし、ある程度 iPad でタイピングをすると、iPhone のテキスト入力に戻ると、非常に厄介だと感じるのだ。
iPad で仮想キーボードを垂直モードにすると、iPhone と比較するとはるかに少ない面積になるものの、水平モードにするとほぼ同じ割合を占める(下図参照)。

iPhone vs iPad 仮想キーボード
この仮想キーボードの多様性を活かすために、iPad アプリでは Apple 独自の Numbers 表計算で、選択されているセルが数式なのか、データなのか、テキストなのか、数字なのかによって調節できるといった特定のタスクに適したカスタムキーボードを表示できるようになっている。

iPad Numbers キーボード
Apple はまた、iPhone OS のコピー・アンド・ペーストというテキスト選択にも拡張を施して、単語の定義を辞書で調べたり(Apple の Pages ワードプロセッサーといった特定のアプリでサポートされている機能)、その単語をシステム辞書んからの単語と入れ替えたりと、テキスト入力時に必要となるかもしれない新しい機能を追加してきた。
スペルチェックをオンにすると、スペルミスと旗の立てられた単語が赤色でアンダーラインされ、その単語をタッチするとスペル候補をポップアップ表示する(下図参照)。 iPhone OS にある既存の自動スペル補正も動作する。


iPad スペルチェック
iPad でのキーボード分野での最大の新機能は、あらゆる Bluetooth キーボードや Apple が販売する、Dock に統合された特製の Dock Connector キーボードをつなげられることだ。
従来型のキーボードで入力できることによって、iPad は電車通勤や国内出張の際にちょっとした書き物をするためにフルサイズのノートブックを携帯せずとも、真剣な代替として名乗りを上げることができるようになった。
外部キーボードを使えば、画面を見つめたままタッチタイピングができることに加えて、画面の明るさ、ボリューム、メディア再生のコントロール、そしてテキスト選択(Shift + 矢印キーで;あるいは Shift + Option + 矢印キーで単語を選択したり、Shift + Command + 矢印キーを使う)ができる。
外部キーボードは、指を使わなくとも Command+X/C/V でカット・コピー・ペーストや、Command+Z や Command+shift+Z で戻す・やり直し操作など、便利なキーボードショートカットをさまざまに呼び出せることからも素晴らしい。 ただし、すべての操作がキーボードでできる訳ではない。Pages は現時点では、アプリそのものの制限でしかないが、太字や斜体の設定のためのキーコンビネーションをサポートしていないのだ。
キーボードからテキスト選択した場合、(ちょっとややこしいことに)コピーのような操作を画面に触れて選択できないことがある。画面を触れると大抵、その選択をリセットしてしまうのだ。 言い換えると、操作の選択・実行はキーボードから行うか、画面をタッチして行う必要があり、その両者を行き来することはできないのだ。
これはバグのように見えるのだが、一部のアプリ(例えば Mail で、しかし Pages ではなく)で、Command+A で「全てを選択」すると、カット・コピー・ペーストボタンが表示され触れることができるのだが、ほとんどのアプリでは、矢印キーとシフトキーを使って部分選択しても、その選択部分のポップアップオプションに触れることはできず、替わりにその選択部分をリセットしてしまう。
Bluetooth キーボードを関連づけると、iPad アプリはもう自動的には仮想キーボードを表示しなくなる。 通常の操作に戻るためには、外部キーボードの電源をオフにしなければならない。 しかし、ファンクションキーを押すと外部キーボードを使っているときでも仮想キーボードを表示できる(iPad 発表以前の Apple Bluetooth キーボードはイジェクトボタンを押すとこれができる;AppleiPad キーボードには仮想キーパッドを表示・非表示するために特別にマークされたボタンがある)。
AppleiPad 用キーボードには、ホーム画面、スクリーンロック、Spotlight 検索の開始、そしてピクチャーフレームモード開始のためのボタンもある。 標準的な Bluetooth キーボードからキーのコンビネーションを使ってこうした特別機能を呼び出したら良いのかは分からなかった。
まだ強調し切れていないかもしれないが、外部キーボードからタイプやコピー・ペーストの両方ができることによって、iPad にとってこれまでの iPhone OS デイバスとはまったく違った利用方法が開けてくる。
Apple がこのトリックを iPad でだけ見せておいて、一旦そうした独占的な新奇期間が薄らいでから、同じものを iPhone 4.0 で他のモバイルデバイスでも実現する予定であると分かって嬉しい。

ページ 3 / 10: iPad ハードウェア: Bluetooth ネットワーキング;iPad ハードウェア: WiFi ネットワーキング;そして iPad ハードウェア: ビデオ出力。

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