AppleInsider: レビュー: Apple の early 2010 MacBook Pro
原文: Review: Apple's early 2010 MacBook Pros
MacBook ファミリーにおけるポジション
これらの MacBook Pro では、エントリーレベルのホワイト MacBook やコンパクトな MacBook Air と比較して、処理能力およびグラフィックパフォーマンスの両面においてより強力なものとなっている。これは主に 13 インチ MacBook Pro での NVIDIA GeForce 320M や 15 および 17 インチモデルでの NVIDIA GeForce GT 330M によるところが大きい。
その 15 および 17 インチバージョンではまた、新しい Intel の Arrandale Core i5 および i7 CPU が組み込まれている。これは同社のデスクトップ向け CPU である Nehalem マイクロアーキテクチャ(Apple が Mac Pro で採用し、27 インチ iMac でオプション提供している) のモバイルバージョンだ。
デスクトップ向け Core i5 および i7 と同じく、MacBook Pro に収められているこの新しい Arrandale モバイルバージョンには、統合型メモリーコントローラが含まれている。これはかつて CPU の横に設置された外部チップセットによって処理されていたものだ。
Intel によって阻止された Apple の NVIDIA チップセット計画
従来の Apple の MacBook モデルすべてを含め、これまでの Core 2 Duo マシーンで同社は、 Intel の CPU を NVIDIA の 9400M と組み合わせていた。こうすることで、統合されたグラフィックスとともにマシーンの基本的なチップセット機能( RAM や I/O ポートの処理)を 9400M に任せていた訳だ。 ところが、Nehalem と Arrandale へと移行するにあたり Intel は実質的に、チップセットベンダーとしての NVIDIA の競争力を抹殺し、その過程で NVIDIA のフルサービスチップで標準化しようとしていた Apple の一般的な戦略を台無しにしてしまったのだ。
Arrandale では CPU とチップセットの統合をさらに一歩進めて、Intel の「HD Graphics」が統合された GPU を新しいモバイル CPU パッケージそのものにバンドルしてきた。 これは結果として、シングルチップの Intel チップセットとペアで、デュアルチップ CPU になると見込まれている。 しかし、Intel のグラフィックテクノロジーはそこまで進化していないため、Apple は NVIDIA からのヘルパーチップで再び Intel のパッケージを増強することにした。
Apple が NVIDIA の(チップセットとグラフィクスチップの両方の働きをする)9400M を利用しはじめる以前、同社は Intel のシンプルな統合型グラフィックスを Intel のチップセットのイチプとして使用するか、独自の GPU を提供するかを余儀なくされていた。 よりローエンドな Mac モデルで Apple は、Intel の限られたグラフィクス機能(2006 年以降のローエンド iMac での Intel GMA GPU や 2006 〜 2009 年にかけての Mac mini やエントリーレベルの MacBook でそうであったように)で良しとしていた。 それ以外のほとんどの Mac モデルには、NVIDIA や ATI からの独立したグラフィックプロセッサが搭載されていた。
Intel HD プラス専用グラフィックス
自らの NVIDIA 9400M 計画が頓挫してしまった Apple は、少なくとも 15 および 17 インチ MacBook Pro では Intel の独自チップセットと Intel GPU を搭載し、もうひとつ別の専用 GPU チップを補助として搭載するという計画に舞い戻ることにした。 (13 インチモデルは引き続き、改善された NVIDIA の 9400M グラフィック付チップセットである NVIDIA 320M とともに従来どおり Core 2 Duo を使い続けることになった)。
この Intel というレモンが入ったレモネード(混ざり物)状態をなんとかすべく、Apple はよりハイエンドな MacBook Pro で統合型 Intel HD Graphics GPU を使用しつつ、より高度なグラフィック機能が必要となった場合には独自のグラフィック RAM を搭載した新しい専用 NVIDIA GT 330M へと切り替える自動切り替えテクノロジーを開発した。 これは、外部ディスプレイが接続された場合や、ソフトウェアが OpenGL や OpenCL、Quartz Composer、Core Animation あるいは Core Graphics 機能を呼び出した場合には必ず切り替えが起こるようになっている。
これは Mac OS X によって自動的に処理されるため、新しい MacBook Pro を Windows で起動した場合には機能しない。 その場合マシーンは常に NVIDIA GPU で動作し、よりシンプルな統合型 Intel HD Graphics チップの効率性を利用することなく最高のグラフィックパフォーマンスを提供する。 Intel HD グラフィックチップはアイドル時にはおよそ 11.5 ワットを消費するが、GeForce GT 330M では 15.1 ワット必要となる。 電源プラグを使用していない限り、この余分な消費電力はバッテリー持続時間に影響する。
Intel は NVIDIA ほどグラフィックスに秀でていないものの、同社の SATA コントローラパフォーマンスは NVIDIA の 9400M よりも優れているため、新しい 15 および 17 インチ MacBook Pro は Intel のチップセットを再び使用するようになっていることから、ディスクパフォーマンスはわずかながら向上し、特に SSD を使用した場合にそれが当てはまる。 ランダムリードパフォーマンスは従来の Core 2 Duo モデルと比較するとほぼ二倍も高速で、シーケンシャルライトのパフォーマンスもおよそ 20% 向上することが Anandtech によって行われた テスト で明らかになっている。
ページ 2 / 3: ほとんど変更のないユニボディデザインや他のディテール、三種類の MacBook Pro モデルサイズごとにユニークな機能。