AppleInsider: Apple が 「メカニカルオーバーレイ」 タッチインターフェースを開発中

By AppleInsider Staff
Published: Thursday, November 16, 2006 09:00 PM EST

カリフォルニア州クパチーノに拠点を置く Apple の研究所では、トラックパッドに似た多目的なタッチインターフェースが開発されており、その中にはユーザがホットスワップできるメカニカルコントロールインターフェースが複数用意されていることが、最近の特許申請から明らかになった。

同申請は 2005 年 5 月 12 日に提出され、木曜日になって初めて合衆国特許商標局から公開されたもので、「メカニカルオーバーレイ」 に関する説明がある。それには、タッチ入力をタッチセンサーパッドへと伝える複数の 「メカニカルアクチュエータ」 を装備可能だとのことだ。

わかりやすい言葉にすると、「メカニカルオーバーレイ」 はオーディオイコライザにもなれるし、音楽用キーボード、またはビデオゲームコントローラにもなれ、「メカニカルアクチュエータ」 を用いて、ボタンやキー、スライダ、ダイアル、ホイール、スイッチ、またはジョイスティックといったオーバーレイ上の個々のコンポーネントを表現できる。

Apple は申請の中で、ダッチセンサーデバイスの基礎となるものとして、ラップトップコンピュータやハンドヘルド PDA、またはデジタルメディアプレーヤといったコンピューティングデバイスに組み込んだタッチパッドを挙げている。タッチセンサーデバイスも同様に、タブレット PC やタブレットサイズのタッチパッドといったスタンドアローンバイスに組み込んだタッチスクリーンでも良い。

「タッチセンサー入力デバイスは、メカニカルオーバーレイによるメカニカルな入力に反応できるようになっており、ホストコンピューティングデバイスがそれら入力に反応できるようになっている」 と Apple は述べている。「メカニカルオーバーレイの入力は割り当て可能で、ホストコンピューティングデバイスの特定のアプリケーションに対応した設定もできるようになっている。」

ある例では、メカニカルオーバーレイがタッチセンサー入力デバイスからコントローラコンソール、またはホストコンピューティングデバイスの特定のアプリケーションに割り当てられたメカニカルインプット一式を備えるパネルへと変化している。

「ユーザは、複数の異なるメカニカルオーバーレイを利用でき、それぞれに特定のアプリケーションのためのコントローラを持つことができる」 と同社はしている。「例えば、ユーザはあるメカニカルオーバーレイにビデオ編集を割り当て、別のオーバーレイにはゲームを、さらにまた別のオーバーレイにはデータ入力、さらにはナビゲーション、などといったようなことが可能だ。」

Apple のメカニカルオーバーレイ特許申請

Apple の発明を利用すれば、ユーザは必要に応じて 「簡単に新しいメカニカルオーバーレイを挿入したり削除できる」 という。「要するに、異なるオーバーレイをホストコンピューティングシステムのアプリケーションごとにデザインできるのだ」 と同社は記している。

カニカルオーバーレイは、さまざまな方法でタッチセンサーデバイスに対してくっ付けたり組み合わせたりできる。申請に添えられていた例では、クリップやピン、タブ、スナップ、ラッチ、ねじ、はんそうこう、マジックテープ、磁石、static attraction あるいは suction cup が挙げられている。

「他の例には、タッチセンサー入力デバイス上や、メカニカルオーバーレイを固定できるような土台や止めのあるタッチセンサー入力デバイスの周囲に溝やスロットのあるものが含まれている」 と Apple は説明している。「例えば、土台はベゼル下部にスライドさせたり、タッチセンサー入力デバイスの端にあるへりにパチンととめておくこともできる。」

Apple のメカニカルオーバーレイ特許申請

個々のオーバーレイを設計するにあたって同社は、製造会社は柔軟性に富んだものから固いものまでさまざまな素材から選択できるとしている。「例を挙げると、土台にプラスチックや金属、ゴムを使用できる」 とある。「素材は普通、タッチセンサー表面に対してメカニカルアクチュエータをしっかり固定できるようなものを選択する。」

同申請の中で Apple はさらに、タッチセンサー入力デバイスが 「容量センサーや抵抗センサー、表面弾性波センサー、圧センサー、オプティカルセンサー、などといったものをベースにできる。」

タッチセンサーデバイスは、単一ポイントセンサーまたは複数ポイントセンサーをベースにできる、と申請にはある。複数ポイントの場合、デバイスは複数の接触ポイントを検出でき、その複数の接触ポイントをホストコンピューティングデバイスに伝達できる。例えば、ユーザがオーディオイコライザーにある複数のスライドを同時に調節したりといったことが可能となる。

この特許申請は「メカニカルオーバーレイ」 というシンプルなタイトルがついているだけで、カリフォルニア州サンフランシスコの Apple 従業員の Brian Huppi にクレジットされている。