AppleInsider: Apple が Mac OS X 用アクティブデスクトップを開発中

Apple developing active desktop feature for Mac OS X
By Katie Marsal
Published: Thursday, April 19, 2007 10:00 AM EST

Apple が開発を進めている Mac OS X オペレーティングシステム向け拡張は、ユーザの操作や一日の時間帯にあわせて変化するグラフィックや画像そのものを変化させるといった、アクティブなデスクトップ画像、またはデスクトップ背景へと繋がるもののようだ。

Apple は、この開発の詳細を記した特許申請において、保存された静止画像ファイルを利用して表示されるこれまでのデスクトップ画像は、かなりの量の RAM や VRAM (video RAM) を消費すると指摘している。 Apple はさらに、デスクトップ画像は変化しないため、ログイン画面からデスクトップ画像への移行が唐突で、見栄えが悪いとも指摘している。

Apple のデザインでは、デスクトップ画像を含むファイルを読み込む替わりに、時間とともにデスクトプ画像を処理できるような表示素材 (procedural "recipe" ) と小さな手順命令を開いて保持するシステムと手法を備えるもののようだ。 このテクニックは、VRAM と RAM の双方にかかる負担を軽減できるため、システムから借りるメモリが少なくて済むという。

「デスクトップ画像は、表示素材を使って処理されるので、デスクトップ画像そのもののための保存領域は必要なくなる」と Apple は述べている。 「これは、メインメモリ (e.g., RAM) およびビデオメモリ (e.g., VRAM) が保持する画像のコピーについても当てはまる。 さらに良いことには、表示素材を使ってデスクトップ画像 (あるいはその一部) を処理することから、必要なくなった VRAM や RAM を他の処理に利用できる。」

Apple は申請の中でさらに続けて、ログイン画面、デスクトップ画像、そしてログアウト画面を切れ目なくつなげることで、製品をさらに差別化できるともしている。

「デスクトップ画像は GPU を使って瞬時に処理できるので、必要に応じて動くようにもできる」 と同社はしている。 「こうした処理の中には動きも含まれ、例えば、ログインやログアウト、スクリーンセーバの起動・終了において、シームレスな体験が可能となる。 さらに、そよ風に木の葉が優しくなびき、柔らかな木の陰がかかっているときのようなゆっくりとした動き、時間あわせたスローモーション、時間の経過を示すような複合的な動作 (e.g., 時間ごとのパターンや色の変化) も含まれる。」

Apple はまた、デスクトップ画像デザイナがユーザ体験をカスタマイズできるような編集ツールも仄めかしている。 「本発明のある具体例においては単一フレームが処理される」と同社は述べている。 「本発明の他の具体例では複数のフレームが処理される。 さらに、複数のフレーム間を効果的に移動することで、オンディマンドでデスクトップ画像による動作が可能となる。」

申請によると、あるデスクトップ画像から別のデスクトップ画像へのシームレスな移動は、疑似モーションやアニメーションを採用し、時間と共に複数のグラデーションを処理するとのこと。 「例えば、一日の時間をベースにカラーグラデーションを処理して、空の色の変化を模することも可能だ」と Apple は記している。

一日の時間経過の他にも、さまざまなイベントを使ってデスクトップ画像を変化させることができる。 「例えば」と Apple は続ける。 「デスクトップ画像を、あらかじめ決められたアプリケーションを立ち上げるといった、ユーザイベントに合わせて変化させることもできる。 例えば、iTunes® を立ち上げた時にはあるデスクトップ画像が表示され、 QuickTime Player® を立ち上げた時には別のデスクトップ画像が表示されることも可能だ。 」

さらに、デスクトップ画像は、あらかじめ決められたアプリケーションを終了する際にも変化させることができ、特定のアプリケーションを終了すると、そのアプリケーションが立ち上がる前に表示されていたデスクトップ画像へと戻すこともできる。

さらにまた別の例では、一定時間コンピュータがアイドルになった場合や、コンピュータがアイドル状態から復帰する場合にも、デスクトップ画像を変化させることも可能だと Apple は述べている。 これは、スクリーンセーバからの移動およびスクリーンセーバへの移動と同様の変化だ。

「表現技法に長けた人には明らかだろうが、これら前述の例は、デスクトップ画像の変化の引きがねとして利用できるさまざまなタイプのイベントのごく一例でしかなく、包括的なリストではない。」と Apple は記している。 「その他さまざまなタイプのイベントがデスクトップ画像を変化させるきっかけとして利用でき、それらも本発明の範疇に入っている。」

同申請は 2005 年 10 月 14 日に合衆国特許商標局へと提出されたもので、タイトルは「System and method for computing a desktop picture (デスクトップ画像の処理のためのシステムと手法)」となっている。同申請は木曜日に初めて公開され、Apple 従業員である Ralph Brunner、Imran Chaudhri、そして Mark Zimmer にクレジットされている。