AppleInsider: 怪しげな訴訟で Apple のインターフェースが標的に

Apple's interface held to the fire in dubious suit
By Aidan Malley
Published: Saturday, April 21, 2007 12:00 AM EST


イリノイ州に拠点をもつ企業とネバダ州にある同社のパートナーが Apple Inc. を相手に訴訟を起こし、Mac OS X 10.4 "Tiger" のいたるところで利用されているタブがインターフェースをめぐる特許を侵害していると主張している。

ほとんどその詳細が知られていない IP Innovation LLC および同社の親会社である Technology Licensing Corporation は今週、彼らが保有する特許を Apple が侵害しているとして声を上げた。

同訴訟は、4 月 18 日にテキサス州マーシャル -- サブマリン特許を主張する企業が 好んで訴状を提出する街 -- の連邦地方裁判所に提出さた。4 ページからなる訴状によると、Apple は、現行の Tiger オペレーティングシステムを販売することで、コンピュータ制御のための特許を「故意に、そして計画的に」侵害しているとしている。

訴状によると、IP Innovation は陪審による審理を求め、「2000 万ドルを超える」とされる損害にたいする補償を求めているようだ。 同社はまた、Apple による現行の Mac OS X および想定される侵害を引き起しかねない将来のバージョンの販売を実質的に取りやめさせて、特許侵害を止める差し止め命令をも求めている。

伝えられている侵害は、珍しいことに、特定の一件だけだ。 訴状で取り上げられているのは、合衆国特許局に提出された 申請 で、もともとは Xerox の研究者によって提出された「User Interface with Multiple Workspaces for Sharing Display System Objects (ディスプレイシステムオブジェクトを共有するための複数作業領域を備えたユーザーインターフェース)」だ。そして、これが同特許唯一の請求だ。

問題となっているセクションは、コンピュータ画面に、ウィンドウ内に複数の関連付があるオブジェクトを表示する際に、表示を切り替えられるようなコントロールを備えたウィンドウの作成テクニックについてのもので、ユーザの選択に応じて、切り替え時にも基本的な表示形式を維持しつつ、ある表示を消せるものだ。

IP Innovation は、このインターフェーステクニックのコピーとして Mac OS のいかなる機能についても言及していないものの、主な訴えとしては、Apple が Finder をはじめとするプログラムで利用している閲覧ソフトウェアのいずれにも当てはまる可能性を秘めている。 Spotlight 検索によるカテゴリー区分や Safari のページタブが、20 年前の説明にもっとも近いもとなる。

Mac OS X Leopard で登場する予定の仮想デスクトップ機能 Spaces は、今回の訴訟の影響はうけないとみられる。

今回の動議および関連特許には、先行技術、所有権、および時期の主体 (Subject) など、不明な点が多数ある。 同特許は、Xerox を唯一の企業オーナーとして、もともと 1987 年に申請され、1991 年 12 月に最後の更新が行われている。問題となっているソフトウェアのリリースよりも実に 14 年前のことだ。 今回の訴訟の原告はまた、2005 年 4 月に Tiger がリリースされてからちょうど 2 年、Tiger を市場から押し出す Leopard リリースが見込まれる 10 月の数ヶ月前という日を選んで訴訟を起こしている。

個々のケースの影響はさておいて、Apple はこれまでのところ、今週はじめにも予定されている審理の通知を受け取った後も沈黙を貫いている。