AppleInsider: EU による Microsoft 反トラスト裁定の Apple への影響

EU ruling on Microsoft anti-trust sets precedent for Apple

By Aidan Malley

Published: Monday, September 17, 2007 06:35 PM EST


重要な EU 独占禁止法違反裁判において Microsoft の上訴が退けられるという判例は、AppleiTunes Store が不正な価格設定にかかわっていたとする主張にたいする援護となるかもしれない。

ヨーロッパの第 1 審裁判所は、Microsoft がソフトウェアビジネスにおける自社の独占的地位を悪用したとする 2004 年の判決を 支持し、同社に 6 億 8970 万ドルの制裁金を課すと共に、ヨーロッパにおける法に基づいた事業を行うよう命じた。

元の判決は、MicrosoftWindows Media Player を同社のオペレーティングシステムにバンドルして、違法に同社のメディアプレーヤーのシェアを保持したという、欧州委員による 6 年間にわたる独占禁止法違反をめぐる調査に基づいている。 調査に協力した RealNetworks およびその他の企業は、音楽・ビデオ再生で代替プログラムの存在 (必要性) に気づく顧客がほとんどいないために、シェアを獲得できないと主張していた。 RealNetworks は、同上訴の判決を待たずに、2005 年におよそ 7 億 6100 万ドルで Microsoft と個別に和解している。

同裁判で Microsoft に対して他に提出されている不満として、同社が、Sun Microsystems や他のライバルが Widows サーバを組み込んだソフトウェアを開発できないように、プログラムのソースコードを隠しているというものがある。

Microsoft の顧問弁護士を務める Brad Smith は、同社はいかなる最終裁定にも同意するが、最後の手段として欧州司法裁判所に上告するかどうかはまだはっきりしていないとしている。 第 1 審裁判所による判決は、「真剣で十分に根拠のある (serious and substantial)」ものとして、慎重な判断を求められている、と Smith は語っている。

Microsoft の命運は定かではないものの、今回の判決によって将来争われる独占禁止法違反事例にたいする判例となる可能性はある。 今回の裁定まで、欧州連合は同連合の独占禁止法の実効性を確認する機会がほとんどなかったが、今回、Microsoft によって行われたとされるものと同様の手法が疑われる企業に対して制裁を科すにあたって参考となるケースが登場したことになる。

こうした例のひとつに Apple のケースがある。 同社は、EMI、Sony-BMG、Universal、そして Warner といったレコードレーベルと共に、出身国以外の iTunes Store オンラインショップからは商品を購入できないようにするという 違法な取引 を画策したと訴えられている。 これによって、ある国においては同じ曲が不自然なまでに高額になっている、と今年の 4 月から調査を開始した欧州委員は指摘していた。

Apple はこれまでのところ、同社が意図的にヨーロッパ市場を細分化したのは誤りであるとし、同社が求めていたのは、当初からヨーロッパ全域に展開するストアであり、個別交渉に追いやったのはレコードレーベル側であるとしてきた。 EU のスポースクマンもこれに同意し、焦点はレーベル 4 社であり、基本的に Apple はそれとの関連のみであるとしている。