AppleInsider: iPod touch 詳細レビュー

An in-depth iPod touch review

By Daniel Eran Dilger

Published: Monday, September 17, 2007 08:00 AM EST


iPod touch は、iPhone のために開発されたテクノロジーを利用した高度な新世代 iPod だ。 しかし、これは「電話のできない iPhone」とは違い、この事実は、そうであってほしい多くのユーザを動揺させてしまうかもしれない。 それ以外の全ての人にとって、この新しい touch は、驚くほど薄くセクシーな新種のメディアプレーヤー、ウェブブラウジング、写真表示、ハンドヘルドメディアプレーヤーの構図を書き換えたマルチタッチ iPod である。


物理的特徴

iPod touch の開封ツアーと第一印象 (写真) でご紹介したように、touch の厚さはわずか 8mm、iPhone のわずか 60 パーセント程度の厚みだ。この薄さは、iPod nano よりもわずかに 1.5mm 厚いだけだ。 幅は iPhone と同じだが、やや短い。iPhone が 115mm であるのに対して touch は 110mm だ。 これでも、高さ 103.5mm の標準的な iPod classic よりもやや高いが、これが iPhone よりも iPod に近い印象を与えるフォームファクターを形作っている。

全体的なボディーシェープも違う。 touch は他の iPod 同様、平らな表面、丸みを帯び、磨き上げられたスチール背面を持っている。 対照的に、iPhone は両端および前面・背面が丸く傾斜のあるエッジになっている。 結果、iPhone の画面は、どちらのサイドもカーブしたクローム枠によってきっちりと囲まれており、エアロダイナミックプロファイルを実現している。 touch の前面は、ほぼ真っ平らに近い表面になっており、よりシャープなエッジになっている。


Apple iPod touch


Apple iPod touch

touch は iPhone と同じサイズのディスプレイを備えているが、iPhone のクロームあるいは同様に丸みを帯びた部分はない。替わりに、touch のメタル表面は、画面周辺にあるガラス面の下に幅広のつや消しフレームと同じ、2.5mm の黒色酸化メタル縁を形作っている。 合わせると、この二つで画面周囲におよそ 5mm 幅の黒いフレームができ、touch のスクリーンが iPhone のものよりもやや小さくケースは幅広に見えるような雰囲気を醸し出している。 また、touch の画面は iPhone のものよりもより奥まった面に浮かんでいるように見える。

実際の画面は、Apple によると touch の画面は 1 インチあたり 163 ピクセル、一方の iPhone は 1 インチあたり 160 ピクセルだとのことだが、サイズは同じだ。I この違いは目では分からない。両スクリーンとも、480 x 320 というまったく同じ画面解像度を実現しているからだ。


Apple iPod touch

両者を並べて比較すると、touch は、ニュートラルなグレーの背景にややにじみがあるように見えるが、私が静止画および動画で試した写真やビデオではまったく同一に見え、色の再現、明るさ、コントラストでは特に見分けられるほどの際は認められなかった。 touch で気づいた背景の違いは、touch が改良版の OS X (詳細は後述) を使用していることによるもので、スクリーン周辺の暗く幅の広いマスクにも関連があるかもしれない。 異なる背景に同一のオブジェクトを映せば、違いが出てくる可能性はある。というのも、白い紙でスクリーンに覆いをかけてみたところ、両者のディスプレイではまったく違いが分からなくなったからだ。

touch の画面周囲の暗い色のマージンは、iPhone のピカピカのクロームよりも邪魔にならず、メディア再生デバイスとして適したものになっている。 しかし、同モデルのより鋭角的なエッジは、手に持っているとそれほど快適ではなく、電話でないことにほっとする。 touch の包装には、机の上に置いて気軽に映画やポッドキャストを楽しめるように touch をデジタルピクチャーフレームのように水平方向に支える小さなプラスチックスタンドが含まれている。 touch と iPhone の機能優先で異なるデザインから、それぞれの形が非常に考え抜かれていることが窺える。


Apple iPod touch


バッテリー

touch はしっかりとした造りで、バックカバーと前面のプレートの間は完全に流れるように合わさっており、滑らかな仕上がりになっている。 すべての iPod と同様、バッテリーはバックカバーの内側に隠されており、ユニットを分解するにはある程度の技術が必要だ。 こうした精緻な造作は、なぜ touch がリムーバブルバッテリーを備えていないかという理由の大きな部分を占めている。もしバッテリーが取り外し可能なら、かなり分厚くなり安っぽいプラスチックカバーが採用されていただろう。 将来のある時点で、このデバイスには新しいバッテリーが必要になる。 良い知らせとしては、何百万という他の touch ユーザもその頃には新しいバッテリーが必要になってるはずで、取り替えコストは今日の iPod ならほとんど気にしなくて済むだろう。というのも、一般的に、DIY キットを使えば 20 ドルもしないからだ。

touch のバッテリーは、オーディオ再生で 22 時間、ビデオ再生で 5 時間とされている。 また、フル充電には 3 時間ほど必要なものの、80% までなら一時間半ほどで高速充電できる。 これは、Apple がオーディオ再生で 24 時間、ビデオ再生で最高 7 時間としている iPhone と比較するとやや劣るが、iPhone はまた touch よりもはるかに分厚く、バッテリーを多く消費する他の機能も備えている。 WiFi でウェブをブラウズすると、touch は実際の持続時間として 4、5 時間程度だ。


ボタンとコントロール

touch は、ちょうど iPhone と同じように、その下の部分にホームボタンを持っている。もっともこのボタンはやや小さめで、押し幅も狭い。 さらに、スリープ解除ボタンも iPhone と同様上の端にあるが、右側ではなく左側にある。 これは、WiFi アンテナのウィンドウ -- ラジオ波が通り抜けられるように設けられた背面角の黒いプラスチックカバー -- のための空間を確保するためのもののようだ。

このユニットにはそれ以外のコントロールはない。iPhone のロッカーボリュームコントロールもないし、ミュートスイッチもない。なぜなら、touch には外部スピーカーがないからだ。 あるのは、シンプルなビープ音のための電圧型スピーカーのみで、あらゆるオーディオ再生にはヘッドフォンが必要だ。 iPhone とは異なり、マイクもないし、カメラもないし、また、当然のことながら GSM カードスロットもない。

ヘッドフォンジャックは、ちょうど nano と同じように、touch の下部、標準の iPod ドックコネクタの横にある。 iPhone のもののように深く沈み込んだプラグではないので、あらゆる標準タイプのアフターマーケットヘッドフォンが使える。 iPhone のヘッドフォン経由でオーディオの再生ができるが、touch のヘッドフォンジャックには 3 つのコンダクタしかないので、クリックしてスキップするボタンやマイクは使えない。 また、以前の動画対応 iPod のために設計された 4 ピンの AV 出力ケーブルもサポートしていない。 つまり、マイク入力やビデオ出力を利用したい場合は、必ずドックコネクタを利用しなければならないことになる。

touch はまた、以前の iPod のやや野暮ったいリモートコントロールケーブルもサポートしていない。 iPhone の統合スキップボタンがないということは、直接インターフェースに触ることなく次の歌にジャンプしたり、再生を一時停止したりする方法がないということもでもある。 ポケットに入れたまま iPod の再生をコントロールしたいというユーザは、小さな nano か大容量の classic を選んだ方が良いかもしれない。touch は常に操作が必要になっており、ビデオ再生やインタラクティブなインフォメーションブラウジングとしては優れているものの、隠したまま使う MP3 プレーヤーではない。 ただし、リモートコントロールがないとしても、それは大した問題ではない。


ページ 2:touch は iPhone ではない;ビデオ出力の違い;そして新しいタッチソフトウェア。

次のページへ次のページへ前のページに戻る