AppleInsider: Apple 新 iPod nano は過去最高の収益幅

Apple's new iPod nano sports fattest profit margins yet

By Prince McLean

Published: Wednesday, September 19, 2007 10:00 AM EST


先週発表された Apple の新型 iPod nano は、ほぼ完全に新しく設計されており、コンポーネントも新しくなるとともに、最近の iPod のなかではもっとも収益幅の高いことが、分解分析から明らかになった。

市場情報会社 iSuppli は最近、新型 nano を分解し、4GB バージョンの 149 ドル、8GB バージョンの 199 ドルの小売価格に対して、それぞれ 58.85 ドルおよび 82.85 ドルという原材料部品一覧表 (BOM) を作成した。

最近の iSuppli 分解分析でもそうだが、推定 BOM は厳密に、製品を構成しているコンポーネントと他の原材料のみに限られ、製造、ソフトウェア、知的財産、アクセサリーおよびパッケージングのコストは含まれていない。 同社の BOM 数値にはまた、研究開発費も含まれてない。というのも、こうしたデータは、分解やコンポーネント分析からははじき出せないからだ。

nano のさらなるコスト効率設計を達成するため、Appleフラッシュメモリーのコンポーネントサプライヤーとして、Micron Technology Inc.、Dialog Semiconductor GmbH に依存し、かつてクリックホイールベースiPod ではお馴染みだった Intersil Corp. Synaptics Inc. もまたプラットフォームに復活してきている。

コンポーネントにおける変化が、nano のデザインにおいては大幅なコスト削減につながっており、Apple は製品をより安価に製造でき、これが先代よりも大きく拡張された機能につながっている」と iSuppli のシニアアナリスト・分解サービスマネージャ Andrew Rassweiler は語っている。

Apple にとって、大幅な収益幅というのは何も新しいものではない。iPhone の分解iPod Shuffle そしてこれまでの iPod nano の製品群 (2005 nano, 2006 nano) の分解分析からも分かるように、同社の製品は、伝統的に、その製品のハードウェア原材料部品コストのおよそ倍の値段で販売されてきた。 ただし、Rassweiler が新しい nano について「Apple は自社の非常に厳しい基準さえも超えてきている。」

新しい nano セミコンダクタサプライヤー Micron、Dialog および Intersil -- そして Synaptics の復帰 -- は、これまでのプロバイダ NXP Semiconductors および Cypress Semiconductor Corp. に入れ替わっている。こうした卸サプライヤー (wholesale supplier) の入れ替えもまた Apple には珍しいことではなく、これまでも頻繁にパートナーを入れ替えている。

Apple に関して、どのサプライヤーも安全ではなく、どの割当枠も固定されていない」と Rassweiler は続けている。


第 3 世代 iPod nano の分解
第 3 世代の iPod nano の分解写真:iFixIt の提供。

nano の新しいコンポーネントサプライヤーのなかでも、iSuppli の分解分析サービスが iPod の部品として Micron を特定したのは初めてということで、Micron はひと際めだつ。 同社が分解した nano には、Micron は、メディアストレージとして機能する高密度 NAND フラッシュメモリーを提供しており、4GB バージョンでは 24 ドル、8GB バージョンでは 48 ドルとなっている。

「これによって、Micron が nano のコストにおいて、4GB バージョンでは 40.8 パーセント、8GB バージョンでは 57.9 パーセントと、一社で最大の割合を占めている」と同社。


第 3 世代 iPod nano の分解
第 3 世代の iPod nano の分解写真:iFixIt の提供。

Apple の主要な NAND フラッシュサプライヤーはこれまで、韓国の Samsung Electronics Co. Ltd. (同社は市場においても独占的なサプライヤーだった)、日本の Toshiba Corp. そして韓国の Korea's Hynix Semiconductor Inc. だった。

Micron は、Apple への NAND フラッシュサプライヤーとしてはもっとも新参で、昨年から少量を出荷し始めたにすぎない。 新しい nano の提供元という地位は合衆国のセミコンダクタサプライヤーにとっては快挙なものの、iSuppli によると、Samsung が NAND タイプのフラッシュでは世界最大のメーカーであり、これからも Appleサプライヤーとして利用し続けるだろう、としている。


第 3 世代 iPod nano の分解
iSuppli による一覧: 新 iPod nano の直接材料コスト予測

新 nano のもうひとつの最大最重要スロットは、システム内の統合コアビデオプロセッサ / マイクロプロセッサだ、とのこと。 8.60 ドルする Samsung による IC プロセッサは、4GB バージョンの BOM では 14.6 パーセント、8GB の BOM では 10.4 パーセントを占めている。

これで、Samsung のコアプロセッシング IC が nano に登場するのは二回目のことで、先に 2006 年後半にリリースされた nano バージョンでは、Samsung は今回同様コアプロセッシング IC を 提供していたSamsung はまた、2.72 ドルする 32MB の Mobile SDRAM、割合にして 4GB バージョンの BOM で 4.6 パーセント、8GB バージョンの BOM で 3.3 パーセントを締めている。

iSuppli は試験的な予測として、iPod nano の総出荷台数は 2007 年には 2300 万台、2008 年には 2790 万台としている。