AppleInsider: iPod touch 詳細レビュー [Page 5]

An in-depth iPod Touch review [Page 5]

By Daniel Eran Dilger

Published: Monday, September 17, 2007 08:00 AM EST


touch に欠けているもの

この問いから浮かび上がってくる touch 最大の欠陥のひとつ: メール機能がないことだ。 もちろん、Safari を使ってウェブメールクライアント上のメールをチェックできるが、メール機能がない場合の最大の問題は、デバイス上にファイルを (iPhone のように) 保持するための唯一の方法を手にできないということなのだ。 PDF やグラフィクス、あるいは Word ドキュメントを iPhone にコピーできない替わりに、こうしたファイルをすべて IMAP メールボックスの Drafts フォルダにコピーしておいたり、自らに宛ててメールを送れば良いのだ。 メールは、iPhone で唯一アクセス可能なファイルシステムで、この点については「iPhone を使ってみる: ファイル、USB 経由の iTunes 同期、ワイヤレス、そして戸外で」を参照してほしい。

touch には iPhone の Mail のようなものがないので、ウェブにホストされていない限り、いかなる文書やグラフィクスも開けない。 もしウェブサーバを持っているのであれば、文書をコピーして Safari で表示すれば良いが、単にシステムマップや時間割、PDF の電子ブックを読みたいだけの多数の非技術系ユーザにとっては複雑すぎるだろう。それに、touch が WiFi シグナルの範囲内にない限り、音楽を聴いたりビデオを見る以外のことは一切できない。 もちろん、それが iPod の目的と言えばそうなのだが。

もし音楽・ビデオプレーヤー以上のものを求めている場合、touch にはいくつか不自然で不愉快なバリアーがある。 iPod としてなら、touch は素晴らしい。 シンプルなだけでなく洗練されており、16 GB モデルなら最大容量の iPhone と比較しても二倍の音楽を保存できる。 また、フルブラウザがついており、情報を読めないからといって悔しい思いをすることも少なくなる、ということを考えても嬉しい。 WiFi ストアは、どこにいても -- すくなくともネットワーク信号が利用できる場所ならどこでも -- 音楽を簡単に楽しく見つけられる。


『電話のない iPhone を求める人々』にとっての苛立のもと

しかし、iPod touch は手元のコンテントの再生やウェブの閲覧以上のことはできない。 PDA 機能は限られており、電子メールやインスタントメッセージチャットといったコミュニケーション機能は一切ないし、後にレビューできるように文書を読み込む機能もない。さらには、メモも取れないし、スナップショットも撮れない。エレガントな Google Maps クライアントもない。 こうしたことをしたいのであれば、iPhone が必要だ。 Apple は、iPhone を購入できるユーザに対して touch を販売している。こうした製品の差別化を考慮に入れた方がまだ理解できる。

しかし残念なことに、iPhone を手にできない海外のユーザが多数いるのだ。そして合衆国内のユーザの多くも、契約に縛られていたり、その他の理由で iPhone を購入できないでいる。 彼らができるベストのことといえば touch を手に入れることだが、Appleマーケティングが原因で、すでに利用可能なテクノロジーを利用できないようになっているのだ。 さらに悪いことに、touch と iPhone はすでにそれぞれが十分にユニークなものになってしまっている。

Apple は明らかに iPhone を買ってもらいたがっている。 ただ、iPhone はすでに、潜在的な touch 購入者の多くを虜にしてしまうようなハードウェア機能を備えている。 なぜ制限されたソフトウェア機能で touch の売り上げを切り下げようとしているのだろう? 考えられるケースとしては、WiFi オンリーの touch では使いやすいメールクライアントにはなれないからかもしれない。なぜなら、ホットスポット以外の場所ではメッセージがやり取りできないからだ。 しかし、この理論でいくと、touch は素晴らしいウェブブラウザにも素晴らしい WiFi Store クライアントにもなれない。


iPod としての touch

touch は、際立ったハードウェアデザインと iPhone から多くの洗練されたソフトウェアを借りて、驚異的なデバイスになっている。 touch がなろうとしてもいないものになっていないからといって、貶すつもりはない。 もし touch が PDA あるいは「電話のできない iPhone」として作られていたとしたら、私の得点は中間から下になっていたはずだ。 しかし、touch はそうではない。touch は、ウェブや写真んも見れる iPod として売られているのだ。

この場合なら、私は touch が他の最近の iPod と比較して 3 つの領域でその水準に達していないという批判ができる。 nano と classic には、ラップ記録のできるナイスなストップウォッチが付いているし、ビデオ出力時には美しい写真プレゼンテーションモードも備えている。touch が同じビデオ出力機能を備えているかはまだ明らかではない。 touch にはまたリモコンがない。 Apple が touch は iPod であり iPhone ではないと本当に言いたいのなら、touch では少なくとも iPod 系列で期待できるような機能を提供するべきだろう。

こうした不愉快な制限以外だと、touch は驚くほど薄いメディアプレーヤーで、素晴らしいビデオ・オーディオ機能を実現しており、ウェブが閲覧でき、写真アルバムが表示でき、さらには、写真やビデオをテレビに出力でき、オンラインで音楽が購入できる。この最後の 2 つの機能はまだ iPhone に登場していない。

iPod で期待されている機能という点では、touch は iPod classic 系列のハードドライブ容量以外はすべて実現している。 Flash RAM ベースであるため、touch の動作速度はより高速でより薄いものの、現時点では 16GB までに制限されている。これはいくつかの映画と千曲ほどを保存しておくには十分だが、ミュージックライブラリー全体は無理だ。 ウェブや WiFi ストアにジャンプできるという機能は、既存の iPod からも大きく飛躍しており、Apple メディアプレーヤーラインアップでも豪華なハイエンドモデルとなっている。 ただ、電話のない iPhone を期待してはいけない。そんなものではないから。

Apple がなぜハードドライブベースの iPod から Flash RAM へと移行しようとしているのかについて詳しくは、iPod classic レビュー と読み比べてほしい。
新しくなりビデオ機能がついてきた nano との機能比較については、3G iPod nano レビュー を参照のこと。

大まかな点においては touch と同じ iPhone の機能の詳細については、iPhone レビュー が参考になるだろう。


評価:5 点中 4 点

4 つ星


メリット:

  • 傷つきにくい金属製表面とガラススクリーン。
  • 超薄型、しかししっかりした造り。
  • 素晴らしいメディア再生機能。
  • モバイル Safari でのリッチなインターネット体験。
  • 美しいフォトライブラリーブラウザ。


デメリット:
  • 新しい iPod ストップウォッチや写真スライドショウの改良がない点。
  • カバーがないと磨き挙げられた金属製の背面は非常に傷つきやすい点。
  • リモコン機能がない点。
  • PDA 機能がない点。
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