AppleInsider: Mac OS X Leopard に向かって: Finder 10.5

Road to Mac OS X Leopard: Finder 10.5

By Prince McLean

Published: Monday, October 8, 2007 12:40 PM EST


Mac OS X の Finder は、「Fix the F-ing Finder」ミームとして、システムにおけるもっとも光り輝く問題として長い間厳しい批判にさらされてきた。 AppleMac OS X 10.5 Leopard に向けて大幅に Finder をアップデートし、あるものは古いものを、あるものは新しいものを、あるものは借り物を取り入れてきたが、アイコンはそれでも青のままだ。 ここではその新機能を見ていこう。


Finder の起源

Finder は Macintosh と同じくらい古い。 Mac の System Software の最も初期のバージョンで Finder は、システムが起動すると標準アプリケーションとして動作するシンプルなファイルユーティリティだった。 同ユーティリティは、ユーザが自らのドキュメントを整理したり、名前の変更をしたり、アイコンをゴミ箱にドラッグして削除できるようにしていた。

このオリジナル Mac をもっと古く高価な姉妹である Lisa よりもはるかに低い価格で提供するために、Apple は Finder が使用するメモリ量を減らし、Mac から Lisa のマルチタスクサポートを削ぎ落とさざるを得なかった。 Mac System Software は、一度にひとつのアプリケーションしか実行できなかったため、他のアプリケーションが立ち上がった場合には Finder はシャットダウンされ、そのアプリケーションが終了したら再起動されていた。


Leopard Finder

Apple の Andy Hertzfeld は、複数のアプリケーションを同時に起動し、それらを素早く切り替えられるように、Switcher をリリースした。これは、複数のアプリケーションをメモリに読み込ませ、ユーザは必要なアプリケーションをキー押しで選択できるようにしていた。 アプリケーションが切り替わると、新しくアクティブになったアプリケーションが水平方向に滑り込んでくる。

80 年代後半、Finder 6.0 は MultiFinder を備え、Mac System 5 および System 6 と共に出荷された。 MultiFinder を起動すると、同システムは Switcher のタスクをオンスクリーンで行えるようになり、ユーザは複数のアプリケーションを Finder デスクトップ上で同時に実行できるようになり、シームレスにアプリケーション間で操作ができるようになった。

System 7 ではこの機能が標準オプションとして組み込まれ、アプリケーション間でのドラッグ・アンド・ドロップなど、いちどに複数のウィンドウをアクティブにしておくというアイデアの上にサービスが構築された。 90 年代後半までに Apple は System 7 の最新バージョンを Mac OS 7.6 へと名称変更し、その後継バージョンを Mac OS 8 および Mac OS 9 との名称でリリースした。 Finder には新機能や最適化が施され、さまざまなシェアウェアアプリケーションがその傍らにくっ付けられてきたものの、その基本デザインは 80 年代後半からさほど変わっていない。


Leopard Finder


Mac OS X の Finder

Mac OS X のリリースでも Finder のアイデアは引き継がれたが、まったく新しい基礎の上に構築された。 新しい Finder は、他に共同で動作するアプリケーションと画面およびプロセッサを共有するアプリケーションではなく、Unix の基礎の上で動作する、完全にプリエンプティブなマルチタスクアプリケーションだった。

つまり、問題が発生したアプリケーションはシステム全体を道連れにすることなく強制終了でき、Finder そのものも、オペレーション環境を乱したり不安定化させることなく強制終了・再起動できるのだ。 過去の Mac OS バージョンでもフリーズしたアプリケーションの強制終了を試みることはできたが、往々にしてシステム全体もフリーズさせてしまっていた。 Windows 95/98/Me もプリエンプティブなマルチタスクを約束していたが、根底にあるシステムの不安定さから、アプリケーションがクラッシュすると頻繁に「不正な命令」エラーを出して Windows のセッション全体がダウンしていた。

Mac OS X に対して Apple は、Finder のレガシー部分を維持し、新しい Aqua ユーザインターフェースの一部としてそのインターフェース機能を考え直してきていた。 新しい Mac OS X デスクトップは、すべてを受け持つ単一の一体型アプリケーションではなく、ともに動作して Finder やデスクトップ体験を生み出す一連のアプリケーションを含んでいる。

  • 新しい Finder はデスクトップと Finder ウィンドウを処理している。
  • 新しい Dock はプログラムランチャー、ファイルや開いたウィンドウのためのトレイとして動作する。
  • メニューバーとその右側にあるメニューエクストラアイコンは、SystemUIServer アプリケーションによって管理されている。
  • その他 Finder に関連する表立っては表示されないアプリケーションは、その他のヘルパーアプリケーションによって処理されている。

10.0 から 10.2 にかけての Finder の見た目 (左下) は、iMac の透明プラスチックを反映し、NeXTSTEP (右下) から借りたツールバーシェルフやコラムビューを取り入れている。


Leopard Finder


Finder の修正

クラシックな Mac OS Finder と比較して、新しい Mac OS X Finder は遅く、もっさりとさえ感じられ、Mac OS 9 の機能が一部欠けている。 Apple は、最小限の作業で既存のクラシックアプリケーションを Mac OS X で実行できることをサードパーティの開発者に対して証明するため、Carbon を使って Finder を書き換えたので、多くの人々が Cocoa フレームワークを使って書き換えてしまえば問題は解決するはずだと考えた。

また他の人々は、新しい Finder は、これまでの単一ビューという慣例やクラシック Mac Finder の空間的な規範を破壊したと不満を述べた。 そうした人たちは、異なる表示設定 (例:アイコンとコラムビュー) を用いて同じフォルダを複数のウィンドウで開くのはあまりに複雑すぎると感じたのだ。

パフォーマンスと設定をめぐる不満に加えて、Mac OS X Finder は、Apple が導入した他の開発成果と比肩できる新しいイノベーションを見せることができないでいた。 この問題が原因で、特に iTunesSafari、その他の Apple アプリケーションが急速に進化していくなかで、Panther/Tiger Finder が奇妙なまでに場違いな印象を与えていた。 機能という点では、これまでのバージョンとあまり変わっていなかったのだ。

Ars Technica の John Siracusa、Daring Fireball の John Gruber、そして Roughly Drafted の Daniel Eran Dilger は、これまで 5 年間にわたって Finder の修正アイデアを提示してきた。 About the Finder...; That Finder Thing; そして How to Fix the Finder: Faster, Prettier, Smarter である。


Leopard の Finder

昨年 Apple は、Leopard の Finder の新デザインを披露した。 Finder に関連付けられている、あるいは深く統合されている機能の一部は、実は、他のアプリケーションやサービスに属しているものもある。例えば、Dock、Spotlight、Spaces、Time Machine、そして Quick Look だ。 これら機能の一部は別の記事で紹介する予定だ。


Leopard Finder

新しい Finder 10.5 は、2003 年の Panther 10.3 (以降) に導入されたブラッシュメタルの外観を廃し、 Leopard で実行されるすべてのアプリケーションで共通の、新しく統一されたアルミニウムのような見た目を採用している。 サイドバーなど、明らかに iTunes から取り入れたと分かる要素もある。 iTunes のライブラリー、共有、そしてプレイリストは、Finder ではデバイス、共有、Places、そして検索といったフォルダになっている (下)。


Leopard Finder


バイス では、内部およびローカルに接続されたデバイス、光学およびリムーバブルディスク、そしてローカルの Mac iDisk ミラーが設定されている場合は、それを表示する。


共有 では、ローカルネットワーク上にあるファイルサーバの Bonjour ブラウジングが、Back to My Mac 機能やその他接続されているサーバとともに表示される。 Back to My Mac は、手持ちのホームシステムを .Mac に登録し、ファイル共有やプリンタ、その他インターネット越しにリモートで共有されているアイテムへシームレスにアクセスできるようにする新機能だ。 どこからでも接続でき、家で共有しているリソース全てが Finder のサイドバーからアクセスできるようになる。

Bonjour ブラウジングにより、技術的な知識のないユーザでも簡単にファイルを共有できるようになる。 現行 Finder にある古い Chooser や Connect to Server のブラウジング、あるいはもっと奇妙な Network ソースに取って代わるのは、新しい共有項目で、iTunesiPhoto がローカルネットワークをブラウズして共有の可能性があるものを探し出し、それらをアタッチメントとして表示するのと同じように動作する。

共有されているシステムをクリックすると、そのシステムが提供している共有項目が表示され、ログインしてそのサービスをドライブとしてマウントできるようにする。 マウントされた共有項目には取り出しボタンがついており、サイドバーから直接アンマウントができる。


Leopard Finder


Places では、ユーザがそこに置きたいあらゆるフォルダを表示してくれる。標準では、前の Finder のように、ユーザのホームディレクトリフォルダが表示される。 項目の削除には、これまで同様に「ドラッグしてボン (drag out to poof)」と消える Dock と同じ手法が採用されており、すでにある項目の間にフォルダをドラッグすると新しい項目を追加できる。 項目をフォルダにドラッグすると、そのフォルダに項目がコピーされる。


Search For フォルダは、ちょうど iTunes のスマートプレイリストのように、Finder ウィンドウで利用可能な検索を行える。 標準では、今日、昨日、あるいは先週に作成・変更されたファイルを表示する 3 種類の検索がある。 さらに 3 種類の例がスタートポイントに提供されており、 全てのムービー、すべてのイメージ、すべてのドキュメント、といったスマート検索の設定方法が提示されている。 新しいスマートフォルダのコマンドはヘンン集メニューにあり、新しいフォルダを作成でき、それを Finder のサイドバーへとドラッグできる。


ページ 2Leopard ツールバーCover Flow と Quick Look; Finder Spotlight Search; そしてさらなる変更点...

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