AppleInsider: Mac OS X Leopard に向かって:Dock 1.6 [Page 2]

Road to Mac OS X Leopard: Dock 1.6 [Page 2]

By Prince McLean

Published: Wednesday, October 10, 2007 10:00 AM EST


Mac OS X: Dock の復活

2001 年、Mac OS X はクラシック Mac OS のこれまでの重複規則から脱却して、アプリケーション起動、開いたまま最小化されたウィンドウを隅に保持する手法、そしてファイルやフォルダに素早くアクセスする手段として、単一のシンプルなメカニズムを導入した。 それは NeXT の Dock から名前をもらっていたが、NeXT Dock と NeXT Shelf を組み合わせて新しい機能が追加されていた。Finder ウィンドウ内に限られたスペースしか持たない Shelf を備えるのではなく、Dock はユーザがあらゆるもの -- アプリケーション、ファイル、フォルダ、そして開いたウィンドウ -- を落とすのに最適な場所を確保した。 新しい Dock の右端だ。

この新しい Dock はまた、Mac OS X の新しい Quartz レンダリングエンジンを活かして、NeXTSTEP がしたような不透明で四角いボックスとしてではなく、αチャンネル透過効果を用いて Dock アイコンを描画する。 各アイコンは Dock とともに動的に、そしてスムーズにサイズ変更できる。 Apple はまた、拡大鏡効果も取り入れて、ユーザが Dock を小さな帯のように縮めても、マウスを持ってくると大きなサイズにアイコンが膨らむようにした。 最小化されるウィンドウはジーニー効果とともに Dock へと仕舞いこまれ、アプリケーションに注意が必要な場合にはアイコンが飛び跳ねる。 ユーザはまた、ドラッグ・アンド・ドロップで Dock 項目を並び替えたり、新しい項目をドロップしたり、必要ない項目を消すこともできるようになった。 こうした手法はすべて、Dock を非常にシンプルで使いやすいまま、非常にカスタマイズしやすく、情報豊かなものにしている。

NeXT Dock のように、Mac OS X Dock 内で現在動作しているアプリケーションは、ライブインジケータ (丸い点ではなく黒い三角形だが) で示され、実行アプリケーションによってサインを追加できるようにもなっている (例えば Mail や iChat で新着メッセージを赤いまるで囲まれた数字で表示するように)。 Dock のその後のバージョンでは、Dock にドックリングメニューが追加され、ユーザがポップアップメニューから Dock 内のアプリケーションの機能にアクセスできるようにした。 例えば、iTunes の Dock アイコンからは、次の曲へとスキップしたり、iChat の Dock アイコンではオンラインステータスを設定できるようになっている。

Vista が登場する前から、Dock 内に最小化されたウィンドウはそのコンテンツをスケールダウンしたものが表示されるようになっていた。例えば、映画の再生を最小化すると、Dock 内に納められても再生は続けられる。 Mac OS X Dock は、Windows を先行すること 5 年、過去 6 年間にわたって大きな変化は施されてこなかった。 初期の 10.0 から 10.1 にかけての溝の付いたプラスチックのような外見 (下図上) は、ほどなく透明な Dock 背景に置き換わり、10.2 Jaguar から 10.4 Tiger にかけてはより簡素で透明な帯になった (下図下)。 Apple はまた、ユーザが Dock を隠したり、Dock を画面の片端に置きやすいようにした。この機能はつねに利用できたが、Dock の設定項目ではこれまで目立たないようになっていた。


Mac OS X Leopard Dock


Mac OS X Leopard Dock

過去数年において Dock 関連最大の変更は、Dock 内部でさえなく、Tiger でのタスクスイッチャーだった。Alt+Tab を使ってアプリケーション間をジャンプする時、スイッチャーは画面中央に Dock のアプリケーションアイコンの拡大版を表示するようになったのだ。


Mac OS X Leopard の新しい Dock

そのため、Leopard がまったく新しい見た目の Dock を備えてきたのに簡単に気づく。今度はアイコンを、蠅取り紙のような透明なリボンに平らな物体がくっついているのではなく、透明なガラス棚の上に置かれた 3 次元オブジェクトとして表示している。 Dock アイコンは、Dock に反射して (画面上の他のウィンドウや背景画像さえ映り込む)、さらに後にも陰が付いている。 この反射像と陰の組み合わせによって奥行き感のある見た目になっている。


Mac OS X Leopard Dock

実行中のアプリケーションを示す黒い三角は、光り輝く青色 LED のように見える、より繊細なインジケータに変わった。 意識して探さないとほとんど見えないが、意識すれば極めて見分けやすい。 反射、陰、斜めになった肌理、インジケータライト、そして透過表示、これらすべてが、ユーザが選んだ壁紙を目立たせ、視覚的な効果を加える新しい Dock に寄与している。これに対して、見た目が落ち着かないと不満を言う人がいるかもしれない。 個人的には、この新しい Dock を新鮮ながら馴染みやすいと感じている。 あまりに細部に固執すると気になる点が出てくるだけだ。 このイライラの問題を探し始めると、ありとあらゆる点が癪に障るものとして浮かび上がってくるだろう。細部に拘るほど、イライラが増すのだ。 幸運なことに、私は陰がどの方向に落ちているかといったことに動揺している暇がないので、一部の人が口にしているような吐き気や目眩について文句は言えない。

Leopard の透明なメニューバーの他にも、新しい Dock は、変化が嫌いなユーザの痛いポイントを突いている。ただ、Apple がクラシック Mac OS のさまざまなランチャーやスイッチャー、ウィンドウ最小化機能を変更して Dock を使うようになった時にも、同じような不満はあった。 Apple は、フィードバックに応えていくつかの変更を施すことには前向きで、最近のビルドではメニューバーの透明度をやや下げ、新しいビルドの Leopard Dock では Dock アプリケーションとその右側の Shelf 項目との境界線 (上図にあるように Apple が同社の Leopard プレビューサイトで取り上げている画像では見えない) をより明確にした (下図にあるように、新しい「ハイウェイストライプ」の境界線は Dock アプリケーションをファイル、フォルダ、そして最小化されたウィンドウと分けている)。 ただし、Apple はこれまでのところ、Dock の新しい 3 次元表示まで変えるところまでは至っていない。


Mac OS X Leopard Dock

最大の不満は、新しい Dock 内のアイコンが時として複数の陰を投げているかのように見えること (というのも多くのアイコンがすでに陰を持っているため)、画面のいずれかの端を垂直方向に使っている場合などは間抜けて見えるというものだ。これは、Dock が標準位置にある時のように、より奥行きのあるアイコンが Dock の上に置いてあったり浮いたりしているのではなく、横にぶら下がって見えるからだ。 なるほど、確かに Dock を垂直方向に置いた時に、なんら物理的な構造物がないのにアイコンが空中に支えられているように見える。ただ、これが嫌なら、Mac デスクトップに対して空中に浮かんでいるデスクトップアイコンという理論的難問をどうやり過ごしてきたのだ? それらはもう何十年もそこにあるのに? Dock を垂直方向に置いた場合に避けられないその他の問題に、Apple のラップトップや iMacワイドスクリーン、ならびに他のディスプレイでは、下に沿って置かれた標準の Dock に対して、垂直 Dock には同じ数だけのアイコンを物理的に表示できないというものがある。


Stack の Dock への復帰

多くの Mac ユーザが Dock に使いたいあらゆるアプリケーションをドロップするため、アイコンの列がディスプレイの幅いっぱいになってしまい、個々のアイコンが小さくしか表示されなくなってしまう。 沢山のウィンドウを開くユーザも同じで、Dock は管理できないほどのアイコンがずらりと並ぶことになる。 この事態は、シンプルな環境のなかに便利な情報を豊富に提供するという、Dock の当初のアイデアに暗雲を投げかけてしまう。 そんななか、Dock を整理してもっと使いやすくする 2 つの大きな機能が Loepard に登場する。

まずは Stacks だ。 Dock にフォルダをドラッグすると、それが Stack になる。 フォルダアイコンは、フォルダのオリジナルアイコンからそのなかにあるコンテンツの集合を表すものに変わる。 これまでのところ、ごちゃごちゃしたものしか表示されない。というのも Stack アイコンはやや雑で洗練されていないように見えるからだ (ちょうど物を重ねた時のように)。

この本当の利点は Stack をクリックすると明らかになる。 項目の数が 10 以下の場合、アイコンは扇のように広がって出てくる。まるでマジシャンの繰るカードのようだ (下図左)。 アイテム (どのアイテムでも) をクリックするとそれが起動し、それがフォルダの場合は Finder で開く。 Stack にさらに沢山の項目がある場合は、透明ウィンドウ領域のなかに選択できるように整列したアイコンが飛び出してくる (下図右)。 これによって各 Stack 項目が Dock のアネックスのように機能する。

Apple は標準で 3 つの Stacks を Dock に納めてきている: アプリケーション、ドキュメント、そして新しいダウンロードフォルダのための Stack だ。 どのフォルダまたは項目でも Dock にドラッグすると新しい Stack になり、以下に説明するのとまったく同じ挙動をする。 Stack を右クリックすると、オプションメニューが飛び出てくる。 そのオプションには、表示スタイルを扇かグリッドかを選択できるオプションや、Stack 内の項目数に応じてシステムが自動的にスタイルを変更できるようにするオプションがある。 さらに Stack 項目を名前、追加された日付、作成日、または修正日に応じてアルファベット順に並び替えたり、種類別に分類するよう設定することもできる。


ページ 3: Applications Stack; Documents Stack; Downloads Stack; そしてスラリとしたクリーンな新 Dock。

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