AppleInsider: Mac OS X Leopard に向かって: Spaces [Page 3]

Road to Mac OS X Leopard: Spaces [Page 3]

By Prince McLean

Published: Thursday, October 11, 2007 09:00 AM EST


サードパーティによる Spaces のサポート

先にも述べたように、仮想デスクトップにつきまとってきた最初の問題は、開発者がサポートしやすいようにすることだ。 Spaces を主要機能として Leopard に追加することで、この問題の助けにはなるが、基礎のほとんどはすでに用意されている。 Apple はこれまで Exposé やファーストユーザスイッチングを Mac OS X に追加し、この両者ともアプリケーションがウィンドウに関して推測をしてごっちゃにならないようにしてくれる。 つまり、ほとんどのアプリケーションは何の問題もなく Spaces と連携でき、改良が必要なアプリケーションはこれまで 1 年にわたって Leoprad のために準備をする時間があった。


Spaces のユーザアクセシビリティ

二番目の問題は、Spaces を理解しやすく生産的に使えるようにすることだ。 Spaces は Exposé のアイデアの上に成り立っているが、ズームアウトして開いているウィンドウすべてを見渡せるような俯瞰図を提供するのではなく、後に退いて存在するすべての仮想デスクトップを見せる。

Spaces は Exposé 設定項目にまで調和している。 この機能を有効にすると、ユーザはいくつの Spaces を設定したいかを選択できるようになる。 最大 4 x 4 まで 16 の仮想デスクトップを設定できるようになっており、Muppet Show によるオープニングクレジットを表示する。 ただし、そこまで沢山の仮想デスクトップを設定してしまうと頭の中で管理することが難しくなる可能性もある。 より現実的には 2 x 2 の合計 4 つからはじめるのが良いかもしれない。 通常 X Window システムでもこの数になっている。


Leopard Spaces


Space 内にあるものすべて

各 Space には番号が付いており (上の Apple のシステム設定項目にあるように)、さまざまな方法で呼び出せる。 標準では、Control+number で対象の Space へとジャンプでき、Control+矢印キーで Spaces のグリッドを上下左右へとスライド移動できる。 オプションのメニューバーエクストラも利用でき、数字で Spaces のドロップダウンリストを表示する。

数字で Spaces を追跡するのが苦手な場合は、替わりに、Dock 内の Spaces アイコンをクリックしたり、割り当てたホットキーを押したり、あるいは割り当てたマウスボタンでトリガーしたりして Spaces のグリッドを Exposé のようなグラフィカルな概観で表示させることもできる。 複数ボタンを使っている場合、Apple はあまり意味のない「二番目」の右マウスボタンか、より理に適った「ミドルボタン」 -- 一般的なマウスではスクロールホイールボタンに割り当てられている -- を使うようにしている。

これら方法のいずれかでトリガーされると、Spaces のグリッドがポップアップして各 Space の縮小されたコンテントを表示したフルスクリーン表示に切り替わる。 この表示では Dock もメニュー場も、さらには背景画像も表示されない (下図)。 ある Space をクリックすると、そのデスクトップをアクティベートするが、このモードでは必要に応じてある Space からもう一つ別の Space へとウィンドウを自由にドラッグできる (下図では iWeb を Spaces 間で移動させようとしている)。 この非常に直感的なインターフェースによって、仮想デスクトップの切り替えや巨視的な観点からの設定が非常に簡単になる。


Leopard Spaces


Spaces の交換

一旦設定が完了したら、各 Space を特定のアプリケーションに割り当てることができる。 上の Apple システム環境設定の図にあるように、iChatiTunes、Mail そして Safari がそれぞれ異なる Spaces が数字毎に割り当てられている。 こうした整理方法によって、アプリケーションの特製ごとにぶり分けて、例えば、メッセージはすべて Photoshop での作業とは関係のない場所に集めることができるようになる。

あるブラウザウィンドウを別の Space にある Mail の横に開いたまま、研究プロジェクトに関連してある Space にあるウェブを閲覧したい場合はどうしたら良いだろう? こうしたことも可能で、複数の Spaces に置いておきたいアプリケーションがなんであれ、その場で新しいウィンドウを作成すれば良い。 複数のブラウザウィンドウを操作する場合、Safari の Dock アイコンから新しいウィンドウを選択できる (ただし、すべてのアプリケーションがこの操作法をサポートしているわけではないので注意が必要だ)。 この操作で、他の Space にウィンドウが開いていたとしても、現在の Space にそのアプリケーションの新しいウィンドウを開くことができる。

Spaces の「Exposé モード」に加えて、ウィンドウのタイトルバーを選択して、Control+数字または矢印キーとの組み合わせで Space を変更することで、既存のウィンドウを Space 間で移動させることもできる。 こうすることで、前の Space から新しい Space へとドラッグできる。 Spaces でドラッグ・アンド・ドロップすることさえできる (自分のドキュメントのタイトルバーの代理アイコンを Mail にドラッグして、別の Space に添付ファイルとしてそのファイルをコピーすることもできる)。ただしこの場合には、一方の手でキーコンビネーションを押しながら別の手でマウスをドラッグするという複合作業が必要になる。 Spaces は、想像できる限りのことができるようだ。

繊細なスライド移行 -- どの Space にいるのか、そしてどこに移動しようとしているのかを示すベゼルフラフィックが付く (下図) -- では、 派手派でしいアニメーションがなくても分かりやすいフィードバックが得られる。 効果としてのキューブアニメーションはなく、瞬時に移動する。 実装することがアイデアそのものよりも重要なものだと考える必要のある仮想デスクトップは何年も前からずっとあるので、Spaces は何も新しいものではないと不満を述べる人もいる。 大昔にはじめて組み立てラインに載ったのは Model T だったかもしれないが、現在のものはシャープなランボルギーニだ。


Leopard Spaces


Spaces のリーチ

ウィンドウをさまざまな Spaces に散らかしてしまった場合は、Dock アイコンをクリックしてある Space を選べば良い。あるアプリケーションをある Space に固定している場合は、そこに移動できる。 そのアプリケーションで複数のウィンドウを開いている場合は、Dock アイコンをクリックする度にさまざまな Space を移動できる。 これは素晴らしい仕組みだ。

Spaces は Exposé (または Dashboard) の邪魔にはならない。すべてのアクションはその時点の Space に限られる。 つまり、Exposé は、現在開いている Space に関連する「すべてのウィンドウ」のみを表示するのだ。 Time Machine や Front Row がフルスクリーンにある場合でも Space の切り替えで混乱することもない。 両者とも Spaces のホットキーを無効化してくれる。 Finder の Quick Look (かつてのスライドショウ) 機能といった、他のフルスクリーンアプリケーションは、Space の切り替えをできなくすることはないが、Spaces のグリッドビューから飛び出せば、フルスクリーンの Quick Look パネルではなく、Finder ウィンドウが表示される。 クリックしてズームインすると、Quick Look 表示に戻ることができる。 すべて予測通りの動作をしてくれる。

さらに、システムで複数モニターを使っている場合、まとまったデスクトップがひとつの Space として機能する。 4 つの仮想デスクトップ Spaces を設定した場合、各 Space は組み合わさって見えるデスクトップエリア (下図参照) が表示される。 明らかに、Spaces の実装には多くが考え抜かれている。これは MSVDM のような出来合いのハックなどではないのだ。


Leopard Spaces

かつて Solaris の管理者として CDE 環境下の仮想デスクトップを経験したことのある私でも、Spaces はそれほど便利なものにはならないのではないかという思いは否定できない。 視界からこぼれてしまったものは、注意の範疇からもこぼれてしまう。 ただし、Spaces は非常に見通しが良く、希望通りに整理できるさまざまなオプションが用意されている。そhして、ウィンドウの移動はとても簡単で直感的なので、かなり愛着を感じるまでになっている。 さて、開かれたウィンドウの積み重ねや、あまりにも多いブラウザウィンドウを最小化して Dock 内のアイコンが石粒ほどに小さくなってしまう替わりに、すべてのウィンドウを開いたままにして、広くオープンな Spaces を振り分けて、Arthur Dent のように各 Space 間を渡り歩くことができるのだ。

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