AppleInsider: Mac OS X Leopard に向かって: Mail 3.0 [Page 2]

Road to Mac OS X Leopard: Mail 3.0 [Page 2]

By Prince McLean
Published: Monday, October 15, 2007 11:00 AM EST

Apple の PowerTalk と CyberDog
Apple に話を戻すと、1995 年までに前述の AOCE およびその PowerTalk メールコンポーネント (下図) は、多くの理由から、Copland と同じレベルでの失敗であると認識されていた。 両者とも多くを狙いすぎ、ひ弱なオペレーティングシステム基盤の上に成り立ち、そして AppleMacintosh が投資に値しないようなプラットフォームであると見られていた時代に、サードパーティ開発者に多くを求めていた。

Leopard の Mail 3.0
PowerTalk は Mac System Software にメッセージング機能を埋め込み、電子メールドキュメントの制作を印刷と同じくらいシンプルすることを狙っていた (下図)。 同システムは、単純に電子メールへのサポートを追加するのではなく、デジタル署名や暗号化機能、外国語メッセージ処理能力、システムワイドなキーチェーンでのユーザパスワード管理、そして拡張化可能な情報抽出カタログシステムをも組み込もうとしていた (1994 年 12 月に掲載された MacTech の記事: Exploring Advanced AOCE Templates Through Celestial Mechanics にある記述)。

Leopard の Mail 3.0
1996 年、PowerTalk がようやく凍結され、Apple はそのフォーカスを OpenDoc をベースにしたソフトウェアコンポーネント戦略へと変更した。 OpenDoc のビルドブロックで可能なことのデモンストレーションとして、Apple は CyberDog (下図) を導入した。これは、電子メール、ウェブブラウジング、ニュースリーダー、FTP、そしてその他インターネット関連のコンポーネントをまとめたものだった。

Leopard の Mail 3.0
Apple のソフトウェア子会社 Claris も 1994 年に Emailer (下図) を買収した。同ソフトウェアは 90 年代半ばに Mac ユーザの間で人気だったソフトウェアだ。 Emailer は、Apple が 1996 年に NeXT を買収したのに続いて行われた事業整理の際に、Claris の古くなりつつあったポートフォリオの多くと共にキャンセルされた。

Leopard の Mail 3.0

Apple での NeXTMail
NeXT 買収後 Apple は、瞬く間に Jobs のイメージで改造された。 Apple はほどなく、同社が手にしたもののデモンストレーションとして、NeXT の 4.2 クロスプラットフォームリリースを出荷した。 それにはほとんど手を加えられていない Mail.app (下図) が含まれていた。

Leopard の Mail 3.0
1997 年 Apple は、MailViewer (下図) という名称で、NeXT の Mail.app を Mac OS の Rhapsody 開発者プレビューと共に出荷した。 メジャーなサードパーティ Mac 開発者 -- 主に AdobeMacromedia、そして Microsoft -- は Apple の新しいプラットフォームへの投資を拒否したため、同社はクラシックな Mac OS API を移行して新システム内で実行できるようにして、既存のクラシック Mac OS プログラムがシームレスに動作するようにするという新しい戦略を採らざるを得なかった。 この新戦略によって、Mac ユーザを迅速に NeXTSTEP のモダンバージョンへと移行させるという Apple の当初の計画は脇に置かれることになった。

Leopard の Mail 3.0

Mac OS X の Mail
これにより、数年にわたって暫定的なクラシック Mac OS 7.6 を存続させ、あの間に AppleMac OS X となる NeXT と Mac の新しいハイブリッドシステムを再開発し、近代化させた。 2000 年に Mac OS X の三番目の開発者リリースが発表され、新しい Aqua インターフェースがデビューした。 そのデザイン方針のひとつは、スライドウィンドウというアイデアで、新しい Mail (下図) はそのスライドをメールボックスの表示のために利用していた。

Leopard の Mail 3.0
Mac OS X 初の商業リリースで、Apple は Mail 1.x (下図) を出荷した。 同ソフトウェアは、新しいアドレス帳とも統合しており、両者共にシステムワイドなアドレス情報リポジトリである PowerTalk コンセプトと NeXT の NetInfo ディレクトリシステムをベースにビルドされていた。

Leopard の Mail 3.0
2002 年 Mac OS X Jaguar 10.2 で Apple は、迷惑メールフィルタリングを追加し、インターフェース全体の洗練を続けていった。 これは、主流の Mac ユーザによって幅広く利用できるようになった Mac OS X 初のバージョンだった。 Mac OS X への移行にあたって、多くのユーザはクラシックな Mac OS で使っていた電子メールクライアントを離れて Apple がバンドルした Mail.app へと移っていったためだ。

Leopard の Mail 3.0
2003 年の Mac OS X Panther 10.3 で Apple は、新しい iChat によって提供される AOL Instant Messaging のオンラインステータスとの統合と、新たにリリースした iCal の機能と一部連携するようにした。
Panther の Mail (下図) は、ブラッシュメタルに変換されなかった Mac OS X の主要アプリケーションのひとつとして目立っていた。 アドレス帳、iCaliChatQuickTimeiTunesSafari、Finder、そして電卓までも、メタリックな外見をまとっていたからだ。 しかし Mail も美容整形がほどこされ、iMac スタイルのプラスチックのようなピンストライプが大人しくなり、キャンディーのようにてっぺんに貼付けられているのではなく、宝石のように配置されたウィジェットをもったプラチナのタイトルバーが与えられた。

Leopard の Mail 3.0

TigerMail 2.0
2005 年に Mac OS X Tiger 10.4 のリリースでは Mail 2.0 (下図) が登場した。 同バージョンでは、スマートなメールボックス、メールの重要度、添付ファイルのスライドショウ機能、帯域幅節約のために簡単に画像をサイズ変更できる手法、そしてメールアカウント、ルール、署名、そしてスマートメールボックスを同期するために .Mac とより緊密な統合が実現されている。 また、Spotlight との統合もあって、より高速で優れた検索機能も備えることになった。
Spotlight の検索エンジンをサポートするために、新しい Mail はメールの保存方法をもともと NeXT が使っていた MBOX 形式 -- この形式は、他の多くの電子メールプログラム同様、電子メールをひとつの大きなデータベースファイルに保存する -- から、各電子メールを独立したファイルとして保存するシンプルで新しいフォルダ構造へと変更した。 これにより Spotlight が、ちょうど個々の文書を検索するように電子メールメッセージも検索でき、その結果として電子メールメッセージを返せるようになった。
Mail 2.0 はスライドを廃し、替わりにサイドバーの内部に電子メールアカウントフォルダを配置した。 同バージョンは新しい統一された外見を導入して、タイトルバーとツールバートを統合して、ウィンドウを掴める領域をより大きくできるようになった。 ツールバーアイコンもまたバブルルックとなり、目的に応じたよりコンパクトなアイコンをグループ化している。

Leopard の Mail 3.0

ページ 3: Leopard の新 Mail; To Do リマインダ; Apple データ検出機能; メモ; RSS フィードリーダー; そして新しい Mail ソースリスト。

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