AppleInsider: Mac OS X Leopard に向かって: iCal 3.0 [Page 3]

Mac OS X Leopard に向かって: iCal 3.0 [Page 3]

By Prince McLean

Published: Wednesday, October 17, 2007 09:05 AM EST

LeopardiCal 3.0

グループカレンダー機能をまったく必要としないホームユーザでさえ、iCal に向けた新しいサーバ側での改良点の恩恵を受けることになる。 これは、Apple ただ単に機能リストを満たすためだけに自社の iCal Server を開発しているわけではないからだ。 同社は、Meeting Maker の替わりに、自社内で利用する企業スケジューリングソフトウェアとして iCal Server を利用し始めているのだ。 つまり、Apple の従業員も iCal クライアントを利用しており、その結果 iCal そのものも急速に進化しているのだ。

他の Leopard アプリケーション同様、新しい iCal は重たげなメタルインターフェースを廃して、すっきりと滑らかで、美しい見た目になっている (下図)。 また、驚くほど速い。 先のバージョンでは、実用に堪えないくらいだったが、そのような遅れは完全になくなっている。 即座に立ち上がり、新しい予定の作成や編集も素早くできる。

Leopard の iCal 3.0

新しい iCal は、先のバージョンでイベントの詳細を表示・編集するために利用していたスライドを廃止している。 その代わりに iCal 3.0 は、イベントをダブルクリックすると、そのイベントのプロパティを表示・編集できるような情報バブルをポップアップ表示するようになった (上図)。

新しい Mail から、ユーザはデータ検出機能を使って iCal にイベントを作成できる。 そのようにイベントを作成すると、URL で電子メールとの間にリンクを張ってくれる。 iCal でそのイベントを開いて、一回クリックすれば、オリジナルの電子メールを呼び出してくれる。 イベントはまた、電子メールメッセージのように扱うこともできる。 文書やグラフィック、あるいは動画でさえイベントにドラッグでき、ファイルとして添付することができる。

イベントに参加者を招待すれば、添付された資料が参加者へと送信される。 参加者を追加するには、参加者リンクをクリックして名前を入力し始めるだけだ。iCal はアドレス帳から即座に一致する連絡先を探し出し、招待状を送るかどうか訪ねてくる。 ユーザは、あなたからの招待状をクリック可能なファイルとして受け取り、受け取るか拒否するかを判断でき、iCal はその反応を追跡できるようになっている。 まるで、高額なインフラを整備し、Client Access License に出費する必要のない Exchange Server のようだ。

iCal Server

Leopard Server を使ったグループ設定では、iCal は、さらに洗練の度合いを増す。 利用可能な他のユーザを検索したり (下図)、会議室の予約をしたり、オフィスプロジェクタといった装置の利用を予約したり、さらにはあなたのカレンダーの管理をアシスタントに委託したりすることさえできる。

Leopard の iCal 3.0

新しい iCal Server はオープンなため、他のプラットフォーム上で動作する他の多数のクライアントとも動作する。 業界グループのコンソーシアムが CalDAV のサポートおよび改善に参加しており、その中には GoogleIBM の Lotus、NovellOracle、PeopleCube、Sun、Kerio、Mozilla、Yahoo、Zimbra、Symbian、OSAF からの開発者も含まれている。

MozillaSunbird カレンダーや MicrosoftOutlook でさえも -- サードパーティ製のプラグインをインストールすれば -- iCal Server と共に利用できる。 Boeing はまた Exchange Server に対応した CalDAV コネクタを開発した。 Microsoft そのものは CalDAV のサポートに消極的だ。 これは、カレンダー機能におけるオープンな市場によって Windows に縛り付けられた IT ショップ独占を維持できないのではないかという恐れに関係しているかもしれない。

開かれた規格

興味深い物事の展開として、Kapor -- Lotus の創設者であり、20 年前に Lotus Agenda で初の個人情報管理ソフトを送り出し、Lotus Notes の開発にも出資した人物 -- が再びスケジューリングの開発に関わっていることだ。 Kapor は 1990 年以来、社会的に活発な慈善家、Electronic Frontier Foundation の共同設立者、Open Source Applications Foundation の創設者、そして Mozilla Foundation の会長として知られている。

OSAF が手がけるプロジェクトの一つが、過去の Lotus Agenda からヒントを得た Chandler (下図) だ。 このフリーなオープンソースプロジェクトは、ユーザがイベントやメッセージ、プロジェクトの管理を中央のダッシュボードから管理できるようにし、会議やイベントのスケジューリングや手配を、複数のカレンダーをまたいで、他のユーザと連携できるようにするものだ。 Chandler は同じく CalDAV をベースにしており、同サーバおよびクライアントが AppleLeopard で動作する iCal および iCal Server と連携できるようになっている。

Leopard の iCal 3.0

Leopard 上の Lotus Notes、Symphony

一方の IBM は、来年初めのリリースを目指して Mac への Lotus Notes 8 移植作業を進めている。 MacNN が報じるところによると、先月発表された Lotus Notes Domino 8 coming to Leopard in '08 ('08 には LeopardLotus Notes Domino 8 が登場) と題された報告の中で、IBM の幹部が「ビジネスシーンにおける Mac を取り巻く『新しいカプセル (new cachet)』について語り、企業レベルでの成長が『すでに始まっている』」としている。

「我々はこのチャンスを逃したくありません」と IBM は語り、「事実、我々が現在ワイドスクリーン iMac 上で実行しているバージョン (Flickr に掲載されている Macbook 上の Lotus Notes 8.x ビルド) は、Windows 向けリリースよりも調子が良いくらいです。」

IBM はまた、Lotus Symphony という名称で、自社の Notes を統合した OpenOffice 生産性スイートの配布を進めている。 現在はベータとしてリリースされているが、IBM は来年のフルバージョンリリースを目指しており、同社の企業ユーザ向けに Mac バージョンも約束している。 同スイートは無料で、MicrosoftExchange Server と Office との統合に対抗するツールとして提供される。

I'd Like to Exchange This

Microsoft もまた来年初頭に同社の Office for Mac の次期バージョンのリリースを計画している。 Office for Mac の現行バージョンは 4 年前に発表されている。これは、Jobs が新しい Office のリリースを求めて交渉した 1997 年当時の Office 4.x と同じ年数だ。 興味深いのは、Ozzie -- オリジナルの Lotus Notes の開発リーダー -- が、昨年 Bill Gates に変わって Microsoft でのソフトウェア主任開発者を務めていることだ。

Mac ユーザはすでに AppleiWork 08 スイートを手にしており、新しい iCal を備えた Leopard も登場までわずか 9 日となっている。 Leopard Server および新しい iCal Server も同時に登場する予定だ。 Apple がオフィスでのスケジューリングを巡って相互運用可能な製品戦略を持つようになった今、状況は興味深い展開を見せ始めている。

AppleInsider で連載中の「Leopard に向かって」シリーズのこれまでの回もチェックしてほしい: iChat 4.0Mail 3.0Time MachineSpacesDock 1.6Finder 10.5Dictionary 2.0、そして Preview 4.0

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