AppleInsider: Mac OS X Leopard に向かって: Dashboard、Spotlight そして Desktop [Page 2]

Mac OS X Leopard に向かって: Dashboard、Spotlight そして Desktop [Page 2]

By Prince McLean

Published: Friday, October 19, 2007 10:00 AM EST


マルチプロセッサデスクトップからシンプルなウェブクライアントへ

Mac デスクトップが 80 年代後半に System 6 と MultiFinder を得て複数アプリケーションを実行できるようになると、デスクアクセサリの役割は減っていった。 Unix ベースの NeXTSTEP のような、よりモダンなアーキテクチャでは、一度に多数のアプリケーションを実行できた。これは、システムリソースを大きく消費することなくバックグランドのアプリケーションが何もしないままでいられるよう、インテリジェントに RAM を管理する仮想メモリ割当機能を利用することで可能となっていた。

ウェブの登場と共に、ウェブページの中で小さなアプリケーションを実行するというコンセプトから、再びデスクアクセサリに脚光が当てられるようになった。 ウェブアプレットは、一度に一つのことしかできないシステムのためのオーナメントや単純なアクセサリではなく、サンドボックスでタスクを実行するようになっていた。これは、最小限のリソースを利用するよう設計された環境からリモートサーバと安全にやり取りできるようにするためのものだった。

Sun の Java は、複雑で管理の難しい PC を、特に企業において処理基盤を中央集権化できるシンプルな「シンクライアント」あるいは「ネットワークコンピュータ」に置き換える可能性を約束していた。 これは、Windows を実行する PC 市場を維持したい Microsoft に真っ向から対立するものだった。 Microsoft は Sun とパートナーを組み、Java 開発を Windows に結びつけるよう仕向け、デスクトップ上での Java の本当の価値を削ぎ落としてしまった。


ウェブサービスからマルチプロセッシングデスクトップへ

クライアントサイドの Java の死に至って、Sun および他のベンダーはサーバーサイドに焦点を当て、PC クライアントを対象としたサービスを販売する標準手法を実装した。 Microsoft は、PC 上の代替デスクトップオペレーティングシステムのための市場も同じく蹴散らし、NeXT の開発環境も PC デスクトップからウェブサービスの領域へと移行させた。

NeXT の WebObjects は同社のデスクトップアプリケーション開発ツールを採用して、替わりにウェブサーバアプリケーションの構築を行った。 WebObjects サーバは、PC デスクトップ上のアプリケーションウィンドウとやり取りするのではなく、複数のリモートユーザを対象に動的なウェブページを作成し、ユーザのブラウザ内でやり取りした。 Apple が 1997 年に NeXT を買収すると、同社は NeXTSTEP オペレーティングシステムと共に WebObjects も受け継いだ。

新しく合併した会社は、ネットワークコンピュータとしてのシンクライアント Mac を送り出すという Apple の内部計画を継続する替わりに、同社の「開発途上」NC を、簡単に利用できるコンシューマ向けシステムである iMac として世に送り出した。 これは、当時のバズワードだった削ぎ落とされたシンクライアントマシーンではなく、Microsoft によって仕掛けられたデスクトップ中心のパワフルなマシーンというトレンドに沿うものだった。 Apple は、Microsoft と同じく、販売用のデスクトップオペレーティングシステムを持っていた。一方の、業界の他の企業は Microsoft のデスクトップに対して戦いを挑んでいた。 つまり Apple と NeXT の連合は、Microsoft を倒せないなら、その陣営に参加してしまおう、という決断をしたのだった。

Apple と NeXT は、両者の長所を組み合わせて、新しいコンピューティングデスクトップを送り出した。それにあたっては、NeXT がオペレーティングシステムのために Unix による基盤とスピーディなアプリケーション開発ツールを提供し、一方の AppleQuickTime や ColorSync といった成熟したアプリケーションレベルの技術を提供した。 テクノロジの一部には、両者の遺産の混合になってしまったものもある。例えば、Mac OS X のデスクトップは既存の Mac Finder にあるファイルブラウザをほぼその基盤にしており、そこに NeXTSTEP からの Dock というコンセプトを組み合わせたものだった。


Apple の VTwin デスクトップ検索テクノロ

Apple の提供可能な手持ちの資産の中にある他のテクノロジの中には、Apple Information Access Toolkit または V-Twin と呼ばれる高度なデータ索引および検索ツールがあった。 サードパーティ開発者らは、1997 年という昔から V-Twin 検索テクノロジを利用した Mac アプリケーションを提供していた。 その翌年 Apple は、V-Twin 索引機能を利用して Mac デスクトップ上でフルコンテキスト検索を提供する新しいアプリケーション、Sherlock を備えた Mac OS 8.5 を出荷した。

Sherlock はまた、ローカルなファイル検索とインターネット検索結果を同じインターフェースに統合していた。 プラグインを利用すれば、ユーザはウェブにある複数の検索エンジンを同時に使って検索できた。 Apple は、検索エンジンSherlock のアプリケーションウィンドウに自社のバナー広告を表示できるようにしたが、デスクトップという環境では非常に目障りなものだった (下図)。


Leopard Desktop

Sherlock 2 (下図) は Mac OS 9 にも搭載され、様々なウェブサイトを検索するためのチャンネルバーを導入していた。 さらに、Apple が当時好んでいた、ヘビーなブラッシュメタルの外見も備えていた。 Apple は、検索の合間に自社の広告さえポップアップ表示した。

Google がシンプルで整理されたウェブページインターフェースでより精度の高い結果を返して競合する様々な検索エンジンに急速に取って代わるようになると、複数のサイトに対して一般的なウェブ検索を行うという行為は、その価値を失い始めた。

ウェブブラウザを立ち上げることなくデスクトップから直接ウェブにアクセスして様々なソースから情報をキャッチし抜き取るという発展的なアイデアは、それでもまだ大きな意味があった。 しかしやがて Apple は、派手なコンテキスト広告からは資金を得られないことを学んだ。


Leopard Desktop


Watson vs Sherlock

2001 年 Karelia は、Mac OS X の初期ユーザに向けて Watson (下図) をリリースした。 Watson は、Sherlock のコンパニオンツールとして機能し、通常のブラウザを立ち上げることなくウェブ上の情報を高速で探し出すという類似のプラグインアーキテクチャを利用していた。 Watson のプラグインは小さな Cocoa アプレットで、サイトに対して検索を行い、Mac OS X の Aqua デスクトップの新しいエレガントな外見を活用した特別なインターフェースに情報を表示するようになっていた。


Leopard Desktop

Karelia は、翌年の 2002 年に AppleMac OS X 10.2 Jaguar の一部として Sherlock 3 (下図) を導入したに及んで、激怒した。 その新しい Sherlock は、実装方法こそ違ったものの、機能面で Watson に競合するものだった。 新しい Sherlock プラグインは、ブラウザや Watson のような完全な開発プラットフォーム内で自由形式のページを表示したりするのではなく、実質的に構造化された形式でアプリケーションウィンドウ内に小さなウェブページを描画するというものだった。

Sherlock のデザインは、Watson と同じく、カスタムコントロールや、通常のウェブページの再描画を待つことなく高速にアップデートすることが可能だったものの、その実装方法から、プラグインがより簡単に開発できるという点において Sherlock は Watson よりも優位に立っていた。 もちろん、こうした状況は Karelia に利するものではなく、シェアウェアだった Watson はその市場を瞬く間に失ってしまった。 Watson は後に Sun に買収された。


Leopard Desktop


ページ 3 / 4: Desktop Exposé; Konfabulator vs Dashboard; そして代替を求めて。

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