AppleInsider: Mac OS X Leopard に向かって: Dashboard、Spotlight そして Desktop [Page 3]

Mac OS X Leopard に向かって: Dashboard、Spotlight そして Desktop [Page 3]

By Prince McLean

Published: Friday, October 19, 2007 10:00 AM EST


Desktop Exposé

2003 年 10 月 Apple は、自社の Quartz 描画エンジンのグラフィックパワーを梃に、Mac OS X 10.3 Panther リリースに際して Exposé 機能を追加した。 Exposé は、一回のクリックで開いているすべてのウィンドウをアニメ化して、デスクトップが見えるように全ウィンドウを脇に動かしたり、ウィンドウを重ならないように縮小してデスクトップ内に表示するものだった。 そして、もう一回キーを押すと、ウィンドウはもとのサイズと位置に戻るようになっていた。 この仕組みによって Exposé では、理解しやすく使いやすいウィンドウ管理機能を複雑に組み合わせることができた。

Gregory D. Landweber と共同で開発を率い、Kaleidoscope と呼ばれる Mac OS テーマスキンユーティリティを作成したデザイナの Arlo Rose は、それ以前から、当時 MP3 プレーヤーで人気だったのと同じ手法であらゆる情報の断片にテーマを付与するというアイデアを思いついていた。 Rose は Perry Clarke と開発作業を開始して、Konfabulator と呼ばれるシステムを作り上げた。 これは、芸術的なまでに美しいテーマをまとったウィジェットを開発して、バッテリレベルやカレンダー、あるいはシステムリソースといった情報を表示するものだった。 Konfabulator ウィジェットは後にネットワークやスクリプトを利用するようになり、気象情報やウェブカメラを検索したり、計算機といったミニアプリケーションとしてさえも機能した。

Konfabulator ウィジェット (下図) は通常、デスクアクセサリのように振る舞い、標準的なアプリケーションウィンドウと混在していた。 しかし、Panther がリリースされると、Konfabulator の開発者らは Exposé からのページを借用して、定義されたホットキーを押すたびに開いているすべてのウィジェットを前面に移動させたり、他のすべてのものをバックグランドへと目立たなくするという新しい機能モードを作成した。 Konfabulator はそれを Konsposé と呼んだ。


Leopard Desktop


Konfabulator vs Dashboard

AppleMac OS X Tiger 10.4 のリリースに際し、非常に似たことをする Dashboard (下図) と呼ばれる新機能を送り出した。 Watson と Sherlock との間で以前に発生したいざこざと同じく、Dashboard は、実装方法こそ異なっていたものの、機能面で Konfabulator と完全に重なっていた。

Konfabulator は、XML インターフェースを利用した JavaScript アプリケーションとしてウィジェットを起動するという独自のランタイム環境を作成していた。 つまり、ウィジェットを最新に保つためにバックグランドで常に動作していたのだ。 Konsposé は、実行されているウィジェットをハイライトするための付加機能だったわけだ。

それとは対照的に、Dashboard ウィジェットは Dock によって立ち上げられていた。 それらもまた通常は独自の Dashboard 環境に隔離されており、Konsposé と非常に似た働きをした。 しかし、この設計方法によって、表示されていない時の Dashboard ウィジェットが消費するシステムリソースは制限されるようになっていた。

加えて AppleウィジェットCSS でスタイル付けされ JavaScriptスクリプト化された HTML の断片だった。 それらは実質的に小さなウェブページとでも言うべきもので、ビルドも簡単でブラウザ内で簡単にテストできた。 Dashboard ウィジェットの描画は、Safari を支えるエンジンである WebKit によってなされていた。 ウィジェットは Dock によって管理され、WebKit によって描画され、そして通常は見えない Dashboard に格納されているため、ほとんどオーバーヘッドを必要とすることがなかった。

DashboardMac での Konfabulator を抹殺するという不幸な結果を招いたものの、それは Apple による Exposé、Dock そして WebKit 開発から自然に発展したものだった。 一方の Konfabulator は、革新的で魅力的ではあったものの、多大なメモリを消費するという設計に問題があった。 幸いにも、Konfabulator は Yahoo という買い手を見つけ、同社のウィジェットエンジンを Windows ユーザに向けて開発を継続した。


Leopard Desktop


代替を求めて

DashboardKonfabulator を抹殺しただけではなかった。 それはさらに、Apple 独自の Sherlock ウェブサービスの息の根を止めた。 Dashboard は、Sherlock アプリケーションを抜き出してあらかじめビルドされたウェブサービスチャンネルのセットを読み込むのではなく、ユーザが高度にグラフィカルな方法で、同じようなことができるデスクアクセサリのスタイルアプレットを設計できるようにした。 さらに、Sherlock ウィンドウ内でだけ実行するのではなく、Exposé スタイルのキーストロークで呼び出したり仕舞えるようにした。

Apple が Watson や Konfabulator の市場に「介入」しなければ、Mac ユーザは今でも多くの部分が重複した実装のまずい競合する 2 種類のシステムに捕われたままだったことだろう。 80 年代半ばにさかのぼると、Appleサードパーティを浸食することなく、自社の Mac プラットフォームを維持しようと腐心するあまり、替わりに独自のアプリケーションを Claris という子会社にスピンオフさせてさえいた。 Apple 自らが対処すべき機能を、サードパーティシェアウェアによる実装と 10 年間にわたって競合してきた結果、同社はほとんどその命を落としかけたのだ。 しかし、Apple は今や自らを優先して考えるようになっていた。

Exposé と同じく、Dashboard もまた Mac OS XQuartz グラフィクスエンジンの優美なアニメーションの潜在能力を活かしていた。 Dashborad の海にドラッグされたウィジェットはさざ波をたて、個々のウィジェットはアイコンを触ると、回転して設定可能な項目が表示されるようになっている。

ローカルなファイル検索とコンテント索引に関係する Sherlock のもう半分は、Spotlight という名前のもとで Sherlock の目印でもある拡大鏡とともに残ることになった。 Apple の既存の V-Twin 検索エンジンが Search Kit として Panther に登場したものの、Tiger ではさらにオーバーホールされて、そのパフォーマンスが拡張されると共に、Google のような検索構文やフレーズベースの検索も追加された。 2002 年 3 月にさかのぼるが、Apple は、高度な BeOS ファイルシステムの立案者である Dominic Giampaolo を雇った。 Giampaolo は、類似のメタデータ索引機能を開発して、新しい Spotlight に組み込んだ。


ページ 4 / 4: Leopard の新しいデスクトップ機能: Spotlight; Leopard の新しいデスクトップ機能: Dashboard; そして Leopard のその他の新しいデスクトップ機能。

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