AppleInsider: Mac OS X Leopard に向かって: QuickTime、iTunes、そしてメディア機能 [Page 4]

Mac OS X Leopard に向かって: QuickTimeiTunes、そしてメディア機能 [Page 4]

By Prince McLean

Published: Thursday, October 25, 2007 10:10 AM EST


Leopard での QuickTime の新機能

Apple は先に、Mac OS X Leopard は Open GL 2.1 の仕様をサポートして、「CPU ベースの処理負荷を、独立した CPU コア上で実行して GPU に送り出せる他のスレッドへ分担させることで OpenGL のパフォーマンスにおいて大幅な増加させる。 これにより OpenGL ベースのアプリケーションのパフォーマンスは増加、あるいは場合によっては倍増する可能性さえある」と発表していた。 これは直接的に QuickTime にとって有利になる。というのも、QuickTime が描画する全てのものは OpenGL の表面に存在するからだ。

Leopard はまた、H.264 エンコーディングでも大幅な拡張を提供し、H.264 ビデオ再生においてアルファレイヤーによる透明効果をサポートしている。 この新しい QTKit Capture 機能によって、開発者は付属する iSight、USB (VDC)、あるいは DV カムコーダといった FireWire (IIDC) デバイスを利用するアプリケーションにビデオ録画サポートを簡単に追加できるようになる。 Apple は、Photo Booth の新しい Picture Taker Panel で自らこれを利用している。これによって、エフェクトを付けたスナップショット (および複数のストリップ写真からなるショット: 下図) を撮影できるだけでなく、ビデオキャプチャも可能となり、典型的な動画として保存できると共に、バディーアイコンとして利用するためにアニメーション GIF としても保存できる。 Photo Booth はまた、iChat と同じバックグランドのエフェクトも可能だ。この効果については Mac OS X Leopard に向けて: iChat 4.0[和訳] を参照してほしい。


Leopard: QuickTime

iChat Theatre -- ビデオカンファレンスの一部として iPhotoKeynote からドキュメント共有を実現するために利用されている -- もまた QuickTime で実現されている機能だ。 サードパーティ製アプリケーションも、Instant Messaging フレームワーク、Core Video そして Core Audio API を利用して iChat と統合させることができる。Instant Messaging フレームワークがコンテンツを H.264 を利用して圧縮し、ビデオとしてネットワーク越しに送るのだ。


Leopard: QuickTime

QuickTime そのものの一部ではないものの、Leopard の Image Kit も Core Image と Core Animation による新しい Cocoa フレームワークだ。 同キットは強力なイメージングサービスを提供し、コレクションのなかにある画像の検索、閲覧、そして表示、そしてプレビュー、画像上での Core Image フィルタの設定、さらにはグループビュー内での画像の並び替えおよび回転を可能にする。 この機能の例は Preview で提供されており、その詳細は Mac OS X Leopard に向けて: Preview 4.0 の詳細レビュー[和訳] に詳しい。


Leopard: QuickTime


Leopard での Quicktime アプリケーション

QuickTime プレーヤーはそのブラッシュメタルが控えめになり、標準的な Leopard ウィンドウの見た目になったものの、前からの丸みを帯びたパネル部分はそのままだ。 ところが、AppleiTunes を、システムの汎用メディア再生クライアントとして位置づけ、QuickTime TV のアイデアは廃して、替わりに iTunes 内でインターネットラジオポッドキャスト、そしてビデオストアにフォーカスすることになった。 iTunes に加えて、新しい Front Row では、YouTube ビデオの再生が特にサポートされていないことをのぞいて Apple TV のレイアウトと全く同じ、代替のメディアプレーヤーインターフェースが提供されている。


Leopard: QuickTime

そしてもちろん、ビデオは Cover Flow (上図) を利用して Finder 内で直接再生できる。プレビューの上にマウスを合わせ、表示される再生アイコンをクリック、またはスペースバーを押すと、Quick Look が立ち上がる。 Finder の関連機能は、Mac OS X Leopard に向かって: Finder 10.5[和訳] に詳しい。


QuickTime Streaming Server

Leopard Server では QuickTime Streaming Server が 64-bit アプリケーションになり、Icecast 互換の MP3 オーディオストリーミング、ネイティブな MPEG-4 および 3GPP (モバイルデバイス) ストリーミングをサポートすると共に、全てのバッファを必要とすることなく早送り再生が可能なだけでなく、オンディマンドストリーム内で巻き戻し・先送りをしつつ、なお、瞬時に再生を更新できるという Instant-On ビデオストリーミングもサポートする。

そして今や、「一台の Xserve で同時に、1280x720、24p、5mbps でエンコードされた何千もの映画」を、H.264 圧縮を利用したライブまたはオンデマンドビデオのストリーミングが可能で、あたかも生放送のようなメディアファイルセットのストリーミングのためのサーバサイドプレイリストの利用、そしてマルチメディアサーバを利用したハイボリュームストリーミングのためのリレーサポートも提供している。


HD-DVDBlu-Ray

LeopardDRM 付 HD ディスクを利用したいと考えているユーザは、Vista に頼らざるを得ないかもしれない。どうやら Leopard では、リードしている Blu-Ray も、もたついている HD-DVD 形式のどちらに対しても、少なくとも映画といった商用 DVD についてはビルトインサポートは提供していないようだ。 Leopard のオーバーホールされた DVD Player では、Apple 独自の DVD Studio Pro で作成された暗号化されていない HD-DVD ディスクは再生できるものの、それはそのディスクが通常の DVD と同じファイル構造を利用しているからに過ぎず、将来的な HD 映画鑑賞者のための機能という訳ではない (それに新機能でもない; Tiger の DVD Player でも同じことができた)。 鍵となる問題部分は、新しいディスクフォーマットのための DRM サポートがない点だ。これは、iTunes を経由したオンラインビデオを巡る Apple の戦略や、HD ディスクプレーヤーを備えた Mac はまだ出荷されていないという事実を考えると無理もないことでもある。

Mac はすでに HD-DVD および Blu-Ray という両方のドライブハードウェアをサポートしており、サードパーティソフトウェアが DRM で暗号化された HD ディスクを再生するために利用できるようになっている。また HD-DVD の場合、Microsoft の独自 VC-1 コーデックで圧縮されているが、それも解凍できる。 問題は、関心のなさということのようだ。

Origins of the Blu-ray vs HD-DVD War (Blu-ay vs HD-DVD 戦争の起源) という記事でも指摘されているが、単独のプレーヤーで見た場合、両陣営ともにわずか 150,000 台の HD ディスクプレーヤーしか販売されておらず、これに比べると Zune がすばらしい成功を収めているかのように見えてしまう。 その市場を Mac ユーザで絞り込んで見てみると、なぜサードパーティHD-DVDBlu-Ray DRM をライセンスするチャンスに飛びつかず、Mac のためにソフトウェアプレーヤーを書かないのかは明らかだ。市場がないのだ。 Blu-Ray で再生する価値のある 50" HDTV スクリーンを持っている人にとってなら、映画を見るために PlayStation 3 を買うくらいは問題ないだろう。

こうしたことから Mac ユーザは iTunes での拡張オプションに期待するしかないが、HD ダウンロードや映画レンタルのオプションはまだ公式には発表されていない。 もちろん、こうしたオプションはすべて Leopard の発表とは関係なく、公に発表される前のデベロッパーリリースも登場していない iTunes にもまたほとんど、あるいは全く関係がない。


AppleInsider で連載中の間もなく終わりを迎える「Leopard に向かって」シリーズのこれまでの回もチェックしてほしい: システム環境設定[和訳]ペアレンタルコントロールとディレクトリサービス[和訳]Mac OS X Leopard Server の新機能[和訳]Dashboard、Spotlight および Desktop[和訳]Safari 3.0[和訳]iCal 3.0[和訳]iChat 4.0Mail 3.0[和訳]Time Machine[和訳]Spaces[和訳]Dock 1.6[和訳]Finder 10.5Dictionary 2.0[和訳]、そして Preview 4.0[和訳]

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