AppleInsider: Mac Office 2008 に向かって: はじめに [Page 4]

Road to Mac Office 2008: an introduction [Page 4]

By Prince McLean

Published: Monday, November 12, 2007 08:30 AM EST

Office for Mac 2008

AppleMicrosoft との間で交わされた 1997 年の契約から 10 年後、両社は再び生産性アプリケーションにおいて直接競争することになった。 Apple 最新の iWork 08 では、ページレイアウト、ワードプロセッシング、プレゼンテーション、そして表計算が見直され、簡素になったアプローチが提供されている一方、Microsoft が予定している Office 2008 スイートでは、統一された Leopard インターフェースの要素を、Windows Vista に属するように見えるものも含めて、Office の Windows バージョンから取り入れたコンセプトと重ね合わせている。 MacBU は、独自の新しいアイデアを多く盛り込んでいるものの、Windows バージョンに忠実に追随して、両社の間を簡単に行き来できるようにもしている。

もともとは今年の夏に予定されていたものの、Microsoft は Office 2008 登場を 6 ヶ月間送らせる発表をし、Office 12 の Windows バージョンからほぼ丸一年後の今年 1 月中旬をターゲットにしている。 iWork との競争に直面した Microsoft は、同社のアカデミックバージョンの価格制限をゆるめもした。 そして Office 2008 は 3 種類のパッケージで提供される予定だ:

  • 新しい Home and Student Edition は 149 ドルで、アカデミックな購入者に限定していない。
  • Standard Edition は 400 ドル (アップグレードは 230 ドル)。 また、Automatorスクリプト処理と Entourage での Exchange Server を「フルサポート」しているという。
  • 新しい Special Media Edition は 500 ドル (アップグレードは 300 ドル)。 Virtual PC が時代遅れとなった今、MicrosoftQuickTime ベースの iView MediaPro を買収し、メディアファイルのインポート、注釈、整理、アーカイブ化、検索、そして配布を行うために設計されたアセットマネジメントスイートとして、Microsoft Expression Media との名称で Office に同梱している。


Office 2008 での新機能

先の v.X や 2004 バージョンと同じく、 Office 2008 は重要なリリースだ。 Universal Binary となり、PowerPC 用コードを実行するために利用する AppleRosetta 変換テクノロジー に頼ることなく、Intel Mac 上でネイティブに実行できる。 今日に至るまで、全ての Intel Mac は実質的に、もっとも重要な生産性パッケージを、人工的でぎこちない表示をするその変換モードで実行しているのだ。

Microsoft はまた、iWork スタイルのテンプレートベースのデザインを Word (下図上)、Excel (下図中)、そして PowerPoint (下図下) で採用している。


Office 2008


Office 2008


Office 2008

これらメインとなるアプリケーションの他に、Office には MSN Messenger の最新バージョン、Entourage の新バージョンが含まれている。新 Entourage には、新しい My Day アプリケーション (下図) が加えられており、イベントやリマインダをスケジューラウィジェットの表示に提示してくれる。もっとも、表示される場所は Dashboard 内だけではなくデスクトップ上にだが。


Office 2008


詰め合わせ

Office 2008 は一部で、iWork や Office の Windows バージョンのどちらにもない機能を提供している。 また Windows 版の機能が抜けている箇所もある。 いくつかの要素は場違いで、iWork の統一された外観と比較すると野暮ったく感じられるユーザーインターフェース要素が、醜いかたちで混在しているため、どうしようもないことになっている。 ユーザがこうした妙な細部を見過ごせるかは、彼らの Office ドキュメントの使い方によるだろう。

例えば、新しい Office では Exchange ServerWindows バージョンでサポートされている Office 2007/OOXML ファイル形式とのより高度な互換性を謳っている。 iWork ではすでにこれらの形式がサポートされている一方、Microsoft はこれらの形式を、単にインポートやエクポートではなく、ネイティブに利用する。 Windows ユーザと頻繁にドキュメントのやり取りをする場合、iWork 変換機能では不便で実用的でないと感じるかもしれない。


Office 2008

Office 2008 でのもっとも明らかな変更の一つは、オーバーホールされたユーザーインターフェースだ。 今回の新バージョンでは、Office がこれまで常に利用してきたフローティングボタンバー (上図: Word 2004) ではなく、ドキュメントウィンドウ内に標準的な Mac OS X ツールバーを採用している (下図)。 これによって、Mac ユーザが期待しているような標準的なドラッグ・アンド・ドロップシートではないものの、ユーザによって変更可能なアイコンレイアウトが利用できる。


Office 2008

その新しいツールバーの下には、新しい Elements Gallery (上図: 青いセクション) がある。これは、テンプレートやテーマのメニューを表示するためで、グラフィック、チャート、表、そしてテキスト装飾ツールも利用できる。 こうした新しいアニメーション化されたカラフルなインターフェースは、目に五月蝿く落ち着かないとされることもあるが、もっとも奇妙なのは、微妙なグレーのドキュメントウィンドウにある、その唐突な配列だ。 Elements Gallery に表示される項目のなかに Word の Document Elements があるが、ここではカバーページ、目次、ヘッダ・フッタ、そして参考文献の追加のためのテンプレートが提示されている。


より洗練されたパレット

新しい Office 2008 アプリケーションはまた、これまでの Formatting Palette (上の Word 2004 スクリーンショットにあるようなもの) を新しい iWork スタイルの Inspector アイコン (下図) で提示するようになっている。 ここで Formatting Palette を開いてみると、次のようなものが含まれている:


  • シェープ、キャラクタ、そしてクリップアートをドラッグ・アンド・ドロップするための Object Palette。
  • 参考文献によって参照されている文献を管理するための、スマートな見た目の Citations Palette。
  • ドキュメントに貼付けるための複数の切り抜きを整理する Scrapbook マネージャ。
  • 定義、類義語、言語翻訳、そして百科事典の見出しを提示するための Reference Tools セクション。
  • 過去のバージョンに変換できない可能性のある機能をチェックするための Compatibility Report ツール (Word 97 時点のファイル形式で保存)。
  • そして、ドキュメントや関連情報をプロジェクト単位で整理するための Project Palette。


Office 2008

新しい Palette のいくつかの点は興味をそそられるもので、非常に強力なようだが、他の部分ではやや盛り込み過ぎでほとんど実用的ではない。 参照文献を Inspector に押し込めなければならない理由は?  Inspector を Dashboard Widget のように動かして設定を表示 (下図) しなければならない理由は? Inspector を Toolbar に格納するために Apple の「ジニー」Dock のようなエフェクトを使う理由は?


Office 2008

こうした革新と奇妙さの詰め合わせが、この新しい Office 2008 の至る所に見受けられる。 より洗練された機能を求めていたユーザは、新機能のいくつかを非常に気に入るかもしれないし、Elements Gallery の新しいグラフィカルフィールも気に入るかもしれない。 ただ、iWork のインターフェースや Leopard の一般的な見た目に馴染んでいる Mac ユーザは、この新しい Office が過剰にアニメーション化されており派手すぎると感じるだろう。 もっとも、同スイートが控えめで退屈だという人は誰もいないだろうが。

次は: この新しい Office for MacMicrosoft の最新の Windows バージョンとの比較、同スイートがどのようにしてモダンな Mac アプリケーションとなっているのか、MacBU は 2004 バージョンからどのように Office ユーザーインターフェースやインストールシステムを変更したのかを見ていく。

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【旧商品】Office 2008 for Mac

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